管内概要
尾鷲建設事務所は、三重県南部の東紀州地域に位置する尾鷲市、紀北町の1市1町を所管区域とし、面積は約450km2、人口は 約3万6千人(平成25年10月1日現在)で、三方を緑豊かな紀伊山地に囲まれ、沿岸部は雄大な熊野灘に面し、年間を通じて温暖な気候に恵まれています。この美しい海、山、川などの自然は、私たちの暮らしに様々な恩恵を及ぼし、新鮮な海産物や農産物、木材等の特産品を生み出しています。
管内には、多くの歴史、文化資源があり、平成16年7月に「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産登録された『熊野古道』は、苔むした石畳が残り、周囲の森林と一体となった姿が人々を魅了し、貴重な地域資源として、県内外から多くの観光客を集めています。
一方、全国でも有数の多雨地域であるとともに、昭和19年の東南海地震津波など、過去には台風、地震、津波など自然災害に遭遇しており、近い将来には、東海、東南海、南海地震の発生も懸念されています。また、当地域は、若者の都市部等への流出による人口減少などにより、県内の北部地域と比べ、高齢化、過疎化が進んでいます。
管内と県内外とを結ぶ交通網としては、鉄道はJR紀勢線、道路は管内を南北に走る国道42号が唯一の幹線道路であり、平成16年9月の台風21号による災害では、甚大な被害が発生し、国道42号の崩落により77時間の通行止めが生じ、地域住民の生活や産業等に大きな影響を及ぼしました。
こうしたことから、大規模災害による孤立化対策や災害対策を迅速に行うため、また産業、観光面などで他地域との交流連携を深めるため、当地域と県内外を結ぶ高規格幹線道路として平成25年3月、近畿自動車道紀勢線(紀勢大内山IC~紀伊長島IC)が開通、平成25年9月、熊野尾鷲道路(三木里IC~熊野大泊IC)が開通し、さらに整備が進められています。
当事務所においても高規格道路へのアクセス道路の整備に取り組むとともに、砂防堰堤の整備や急傾斜地崩壊対策、防潮扉の自動化等を進めるなど、災害に強い地域づくりに重点的に取り組んでいます。