協働事業提案「高校年齢の不登校生への学習支援」についての打ち合わせ概要
日時:2003.10.21(火)18:00~19:20
場所:アスト津 ミーティングスペース
1.出席者(敬称略)
特定非営利活動法人 三重にフリースクールを作る会 石山、田口、戸川
教育委員会 企画チーム 芝崎、生徒指導・健康教育チーム 土肥、岩間
生活部 青少年育成チーム 廣田
コーディネーター(協働事業サポート委員) 井上、東原
生活部NPOチーム 出丸、若林、 総合企画局新パラダイム創造PG 福田
2.協働事業提案に関する意見交換
【三重県の教育委員会の考え方】
- 文部科学省もNPO等フリースクールとの連携の方向性を打ち出している。
- 教育委員会の不登校児童生徒への対応としては、平成元年から適応指導教室(学習支援センター)を設置している。市町村に任せるだけでなく、県費で適応指導教室に教員を2名配置し、研修を実施するなど、力を入れている。その結果、適応指導教室で指導を受けている生徒の割合も、全国平均では10.5%だが、三重県では17~18%と高くなっている。
- しかし、適応指導教室に通えない生徒もいる。学校復帰だけを前提にせず、子どもの社会的自立に向けて支援することを第一に考える必要があるが、行政のフォローだけでは限界がある。
- 義務教育である小学校・中学校に通う子どもの不登校については、フリースクールとの協働も視野に入れて検討していく。
- 高校の場合は、年数にしばられずに、学ぶチャンスは広くある。まずは小中学校の不登校について、民間施設との連携を施策に結びつけていきたい。今回の「高校年齢の不登校生への学習支援」という提案については、現在、三重シューレに高校生がいないこともあり、三重にフリースクールを作る会と継続的に話をしながら考えていきたい。
【提案に関する意見交換】
- NPOと教育委員会との連携のあり方は、小中高それぞれに提案したいと考えている。小中にはすでに適応指導教室があるので、高校が最も具体的に提案できると思って提案した。フリースクールにも高校生は簡単には入ってこない。
- この提案に関しては、よりうまく運用できる形があるかということを含め、学校教育法上のテクニック的なことをまず研究する必要がある。
- 今年初めて高校の不登校生(県立学校)を調べた。
不登校生は614人、中退は年間900人ぐらいである。 - 高校の不登校生は通信制に籍を移すケースがある。さらに自己否定感を高め、ひきこもりにつながるケースもある。通信制高校においては、のスクーリングとしてNHKテレビによる受講を認めたり、土日だけでなく平日のスクーリングも可能にしたりするなど、不登校生徒への対応を検討している。
- 今回の提案については、一つの選択肢としていい提案だと思っている。通信制の高校も一生懸命考えており、フリースクールとの連携の可能性はあると思う。
- 通信制では月に2日くらいスクーリングに行くことになっているが、平日のスクーリングは、普段は三重シューレに通い、日曜日だけ学校へスクーリングに行くということもできるのではないか。
- スクーリングの回数は決められているが、習熟度別で行うなど、内容を工夫している。四日市北高校の定時制では、中学校の教材を使っての学習を研究するなど、いろんな道を模索している。
- 高校年齢の不登校に関しては、今後も情報共有していく。三重にフリースクールを作る会と1ヵ月に1回くらいのペースで話し合いの場を持つようにしたい。
- 他のフリースペースをやっているところへも声をかけてはどうか。
- 通信制高校やみえ夢学園との話し合いの場が持てればうれしい。
- 学校も巻き込んで高校の不登校について考えていくことに関しては、持ち帰って検討したい。
- 四日市でフリースクール的なことをやってきて、員弁郡の適応指導教室の先生との協働もやっている。子どもにとって何がよいか一概には決められないが、情報共有できるシステムをつくることが大切である。今日のように話し合うテーブルがあること自体が協働であると思う。
- 第三者が立ち会うことで、オープンな議論ができるのではないかと考えた。企画段階からの協働が始まろうとしていると思う。
3.今後の進め方について(まとめ)
- この提案については、今後も継続して情報共有しながら時間をかけて研究していく。
- この提案に関しては、ワーキングという形での議論は行わず、NPOと教育委員会が直接に話し合っていくことにする。
- この提案以外に、小中学校の不登校に対しては、別のテーブルを設けてNPOと行政の協働を考えていく