みえのカキ安心確保の取り組みについて
県独自の浄化基準の導入
三重県では、生食用カキを出荷する場合、独自に18時間以上の浄化を推奨しています。このシステムで浄化されたカキは、厚生労働省が設けている規格基準より厳しく設定されているために、赤痢菌をはじめとする食中毒菌などにも対応できます。また、ノロウイルスについても、カキ殻やカキの表面に付着している場合は除去が可能になります。
ただし、カキの中腸線(内臓)に一旦取り込まれたノロウイルスは、18時間以上の浄化でも一部が残る場合があり、仮にカキの体内にノロウイルスが数個から100個程度残存するだけでも、人によっては下痢、嘔吐などの健康被害を引き起こすことがあります。
安心情報の発信
みえのカキ安心協議会では、ノロウイルスの流行が予測される時期には生産者やホテル、旅館をはじめとする飲食店関係者や消費者の皆様に情報を提供します。それに加えて、生産者では、出荷までの作業工程で海洋条件等からノロウイルスが取り込まれている可能性が高い場合には蓄養の段階で工夫をこらしたり、万一取り込まれたノロウイルスでも浄化時間を延長させたりするなどの工夫により、ノロウイルスをカキの体外に排泄させる努力をします。また、飲食店や消費者の皆様には、情報に応じて調理方法や調理時間を変えるなどにより、ノロウイルス対策をとっていただきます。
みえのカキ安心マークの普及
県では、平成15年9月に「カキの養殖・加工ガイドライン」を作成し、生産者へのHACCP手法の導入により、カキの養殖から加工及び出荷までの一貫した衛生管理を行うことで、高い安全性を確保するための取組を行っています。生産者は、このガイドラインに基づく衛生管理を行うほか、上記の県独自の浄化基準を満たす生食用カキには出荷時に安心シールを添付しています。
このシールは、生産者が現在対応し得る最大限の衛生管理等の対策を講じていることを意味します。
しかしながら、ノロウイルスがわずかでも中腸線に残った場合には、100%安全とはいえないところも事実ですので、生食用カキを食べるなら三重県産のカキだと言われるように生産者とともに努力していきます。