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平成21年02月26日

三重のふるさと

心豊かな里づくり研究会第1回研修会 パネルディスカッション 要旨

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木本氏 三重大学の木本です。場内には現場でお目にかかった方もいらっしゃいます。できるだけ、パネリストの方にご意見を頂戴し、会場からもご意見をいただきたいと考えております。
まず、生産者側から2本、都市側から1本、元気になる話を頂戴しました。今市町村合併の嵐が吹き荒れておりますが、合併で見落とされているのは、合併した後のコミュニティが 何かということです。コミュニティが大事になってくると私は思います。田舎暮らしのほうでは、地域丸ごとのコミュニティ。その背景には、「農業農村、農地の多面的機能」「環境保全型農業」を意識している。都市側では、都会で個別化孤独化した人達の興味、食を核にしたコミュニティづくり。人生のリスク、今後都会でどのように生きていくかということ、興味深くうかがいました。お一人5分強、補足があれば。
高橋氏 我々の役割は、戦後、農業の生産ということでつき走ってきたというのが現実です。灌漑用水路を整備したり、ほ場整備したり。そういったことで土地改良区という役割があったと思うのですが、だんだんと時代が 変わりまして、近年農業の多面的機能が重視されるようになりました。農村も混住化という環境のもとに、いろいろ変化しているのですね。このような状況において、水土里ネットが新しい時代にどのような役割をしていくべきかということをよく思いますが、やはり、用水を維持管理するのが本来の役割ですが、そのことだけ見ていいのかということ。そういうことを思うわけです。やはり、農村は変化して、荒廃するなど、農村の活力が低下している中で、維持管理だけしていていいのかと思います。これからは、広く地域社会に目を向けて、地域資源を有効に活用できる環境づくりに重要な役割があるのではないかと思います。
前田氏 もともと農業1本です。
伊賀地域には、青空市場が17店舗ありますが、地産地消の運動を展開しないと、発展しないと思います。この4月に、地産地消の組織を伊賀に立ち上げました。伊賀青空ネットのメンバーに加え、消費者団体を含めた組織ができた。生協の方も見えます。大変面白い仲間にお入りいただいて組織ができています。お互いに助け合い、立場を理解しながら、進めていく形をとらないと、地産地消は進められないと思っております。全体のレベルが上がるような方策を とっていきたい。
海山氏 3年かけて、継続できるシステムにできあがってきた。四日市のような人口のあるところだから、できたという声も聞かれるが、決してそうではない。当初から、いろんなところでやっていただこうという気持ちでやってきた。まず、シンプルであること。どの地域でもあるようなものを使ってやろうということ。地域資源=空き店舗を使っています。ワンデイシェフというのは、主婦の家事労働なのです。日本の主婦の料理の腕は、世界でもトップレベルだと思います。主婦の家事労働にはお金が支払われていない、条件と場を与えればお金がとれるということで始めた。800円という 価格設定は、簡単に売れる値段ではないが、ほとんど毎日完売している。どこの地域でもできると考えています。皆さんにもトライしてもらいたい。いろんなところにできることで、お店どうしの交流、都市部と農村部との交流が絶対に必要だと思います。飲食店を通じてできたら、広がりができるのではないかと思います。
木本氏 ありがとうございました。パネリストのお三方は、地域やNPOをひっぱってきた、実力者ですが、初めてご講演を聞かれたと思いますが、お互いに確認したいことはございますか?
高橋氏 都市との交流ですが、うまく、情報発信するテクニックが見つけ出しにくいのが現実にあるのですが、なにかアドバイスは?
海山氏 新しくできたこらぼ屋は広い店で、40坪ありまして、レストランだけなら、半分で充分で、2つのNPOが入っていまして、もう一つは四日市創造ネットワークという街づくりをする NPOですが、その半分のところでいろいろなことをやっていく計画を立てています。その中で、地場産品のいろんな食品ですが、四日市も車で30分も走れば田園地帯がありますし、そういったところで、生産者のものを使っていくなど、売る場合も、売るにしてもレストランがあると、味見、試食部分を作れるので、デパ地下ではないけれど、地場産品を食べていただいて体験していただいて、売っていこうということをやっているので、場を提供しますということを発信して、やってみようという生産者の方がいらっしゃれば、そこに人が集まってくるように仕掛けることがわれわれの役割だと思います。
前田氏 いろんな組織との連携が重要だと思います。伊賀に厚生保養施設がありますが、地域密着型経営というのを盛んに取り入れてやっている。世論の中で、厚生保養施設が問題になっていて、利益があがっていないところは廃止しようという動きがありますが、伊賀については素晴らしい取組をしており、県外から来てくれるお客さんも多い。羽根村の取組に興味をもたれて、イベント会場まで、お客さんを無料で送ってくれたりする。宣伝効果が上がる取組だと思います。
木本氏 おそらく、ここまで順風満帆ではなかったと拝察しますが、一番苦しかったこと、そしてそれをどう克服したかを教えてください。
高橋氏 コミュニティを作っていくうえでは、いろいろな考え方の方がありますね。(やり方を)否定したりする人もいるわけですが、それを乗り越えていく。一度方針を決めれば、皆の大事な核なる部分 (目標)を、とにかくやりぬく。時間はかかっても、それには、核となる人が大事になりますし、持続的にやらないと発展しにくい。又、継続していくこと は大変。「元丈の館」というところは、本当に、施設もできて3年間、地域の人が、あんな山の中で人が来るかなと考えていて、結局来なかったです。行政の暖かい支援の中 どうにか継続はしたのですが。自立した考え方の中で、なんとかやらなければならないという考えのもとに、核となる人がみえて、その人が中心にいろんなコミュニティ との協力があって、だんだん大きくなって、そして、相乗効果が生まれていろんな展開ができてきました。継続ということが大事ではないかなと思います。
木本氏 継続は力なり。ある程度まで来ると、ぱっと開いて見えてくるということでしょうか。
高橋氏 そうですね。
前田氏 私たちは自治会中心に立ち上げました。しかし、その時代は長続きしなかった。2~3年取り組みましたが、村づくりといいますと、目的が商品の販売から始まりましたから、非農家の方には、なんで日曜の休みに当番をしなければならないのかという声があり、一度屈折しまして、出荷できる者だけで運営しようと変えました。ですから、出荷していない方については、一時停止だと。休んでいただくと。また、環境が戻ったら入っていただくということで進めた。
今、役員会の中で検討しながら、進めている。役員は7名います。理事として、JAさんに入っていただいている。いろいろ違った意見をいただけるということで助かっている。また、地区の組合員以外の方に助けてもらう方策を取り入れています。村おこしということで、自治会の役員さんに村づくりだから出てくださいということで、すべての地域の団体の方も入っていただいた。企画の段階から入っていただいて、若い人からも意見をいただいた。すぐ取り入れて、成果をあげた。組合員だけの意見ではできなかった。今後は、地区外のボランティアの方にどのように助けてもらうかという方策を考えることが 必要だと思う。4名の方に快く助けてもらった。いろんな団体に呼びかけながら、協力要請をし、要請があれば出向くという、関係を大事にしていきたい。
海山氏 シェフを集めるということが大変でした。最初は実験的な事業と思って、あえて難しい道を選んできた。知り合いから声を掛けるのはやめよう、義理でやってもらうのはよくないということで、知り合いを通じて、面識のない方をくどいて、7名のシュフからはじめた。2週間のローテーションでは埋まらないので、自分がシェフになって埋めました。2ヶ月くらいたって地元紙で取り上げられて、問い合わせが1週間に100本 近くかかってきた。そのうち半分は、そのシステムはどういういものかというものが多かった。誰でもできるのか、私もやってみたいという声が多かった。やりたいという気持ちを持ってみえる方がいるということで、これはいけるのではないかと手ごたえを 感じて、半年たったころには40名くらいになっていた。最初の1ヶ月2ヶ月は大変だった。
いろんな形でやれたと思いましたが、NPOという形をとった。営利ではない市民活動ということで運動性が強く、あまり何もかもきっちりしてやっていくと、途中でやめてしまったり、また、合意を形成する際に、手を抜くと空中分解することがあるのでそのあたりで苦労しました。
木本氏 最初に、地域の人材を見つけ育てることが大事だということですが、すばらしいリーダーが、田舎に行くと、出る杭は打たれるということがあるかと思いますが。いかがでしょうか。
高橋氏 活動以来11年になりますが、用水にあじさいを植えだしたころ、用水管理を便利にすることが土地改良区の役割で整備もしているわけで、あじさいは管理の邪魔になるだろうと、農家の方に指摘されました。
そして、土地改良区は既成概念というか、仕事が位置づけられている中で、ボランティアとの協働作業によるあじさいの植栽ということで、その価値観について、手探りのところがありました。あじさいを植えて将来、皆の保全意識を高めて、用水を維持することにつながるものなのかと迷いましたし、管理の邪魔という言葉もきつい言葉として残っておりますが、平成14年には土地改良法も改正され、環境との調和への配慮ということや、地域住民との調整という、新たな役割が位置づけられ、そのようなことが大事な社会になってきたというという時点で、私たちのあじさいも生きてきたと思いますし、ひとつの町づくりの大事な財産になりつつあるなと思います。
木本氏 これからの世の中というのは、決められた仕事をすればいいということ、もうければいいということではなく、その団体組織が社会貢献するのかということが、これが大きな評価として伸びてくる点ではないかと思います。
前田氏 特に、田舎に住んでいると、出る杭は打たれます。若いときのことです。今の年代になるとそのようなことは感じません。100%地域の人たちに協力いただけるかというとそんなに簡単なことではございません。しかし、事業をおこすためには、100%の協力いただくのを待っていると、一生できません。80%あれば御の字です。あとの20%はなんとか理解してもらうよう、努力します。そして、成果を上げてくるということです。リーダーとしての判断材料として、成果を挙げるよう心がける。
海山氏 オープンした当初は、NPO自体がわけのわからないやつと思われていた頃でした。周囲のお店に対する、心配りに気をつけました。ランチの値段800円はどう決めたかというと、商店街だったので、値下げ競争ということになると、本末転倒です。800円というのはあえて100円高くしている。ポスティング(ちらしを配る)も一切しなかった。お店の前に置いてもっていっていただくということだけ。商店街に対して、NPOであっても、脅威になってはいけないということに気をつけた。
木本氏 土地改良区は、農村地帯の用水施設の管理をする団体ですが、法律でしばりがありますが、法律が改正され、大きく前進できたということですが、行政への関わりは濃淡あるかと思いますが、行政への注文。県、市町村にこうしたことに気をつけていただければありがたいということはありますか?
高橋氏 水土里ネットは、行政と農家に間の立場にあって、地域農業を活性するために、行政にいろいろとお願いもするわけですが、新しい発想のもとに事業が展開することについては、集落なり農家の方なり、地域の人達が、 主体的に取り組んでいくことが基本スタイルだと思います。そういったことをよく聞いて、調整もして、水土里ネットが行政との連携を図っていくという流れが大事だと もおもいます。行政も理解していただいて、われわれも一生懸命やりますから、協働という観点で支援をしていただきたいなと思います。
木本氏 新しい試みはご理解いただきたいということを、最初にお願いしたいということですね。
前田氏 将来に向けて、リーダーをどのように養成するかということに特に力を入れていただきたいと思います。青少年倶楽部の活動がなされていますが、農業従事者がすべて参画するというわけでもない。やはり、昔は、行政の世話になりながら、研修の場、イベントが多々あったわけですが、参画しながら、学んできた。今、次のリーダーをどのように養成するのか、行政だけではなく、もちろん、地域の人も将来を見極めて育ててゆくという気構えを持つべきである。一番問題なのはリーダーをどのように養成するのか、又、実践の場づくりが大事だろうと思います。そして、もう一つは、いろいろな支援もいただいておりますが、県財政も大変緊迫しておりますから、こ支援はなかなか望めないだろうと思います。しかしいろいろ農水省が支援事業を行っておりますが、農村社会の底辺を上げるという意識を持った支援をする方向で考えていただきたい。充分に自力のある農家、地域への支援は、廃止すべきだと思う。たとえば、5000万円を稼ぐのに二人で稼ぐより村全体で稼ぐことが大事です。これが村づくりだと思います。豊かな農村社会の建設のため努力をしたいと考えます。
海山氏 行政との関りは結構あります。お店を出店するときに、市の空き店舗対策の内装費の補助を受けています。県とは、地産地消ネットワークみえを通じて、県の職員がこらぼ屋でいろいろなことをやってくれて、11月に県の健康福祉部がアンテナショップということで、商店街に出て行って、血圧測定、体脂肪測定、健康体操をやったときに、どうせイベントやるのならいろいろなものをひっぱろうということで、地産地消北勢支部でも、地元の食材を使った豚汁を試食で出したり、地元の水沢のお茶農家さんの方に、お茶を販売していただいたり、サービスで出したり、関係の農家の方が漬物を売られたりとか、障害者の作業所の方がパンを売られたり もしました。高校生の商店街サポータークラブというのがありまして、彼らがチラシを配ってくれたので200人くらいの人が狭いお店に来てくれて、普段人がたくさん通るような場所ではないのに、非常に賑わいました。そういう形で、県の職員も関わってきていただきたい。県のNPO室の方は、ほとんどの方が、うちでシェフ登録してくださっています。年に4回くらいディナーをやってくれる。ボランティア休暇をとって来ていただいて、県職員のディナーというのもやっています。楽しんでやってもらっています。行政の方に も、NPOの現場を知っていただきたいなと思います。人材の養成というのがものすごく重要かなと思います。うちも、ワンデイシェフのコーディネーター養成講座というのをやります。要するに、ローテーションを組んだりする中心的な役割をする方のことです。コーディネーターにより、うまくいくか どうかが左右されますので、そういう人を養成していこうとしています。6店舗のお店は、すべて養成講座を受けて、うちのノウハウをお伝えした人達が自分達の地域に帰っていくという形になっています。
木本氏 三重県名物の民官協働のコラボレーション。是非和気あいあいと進めていただきたいと思います。
場内からご質問とかご意見を頂戴したいと思いますが。
個人的な興味で申し訳ありませんが、私いろいろな場所で仕事をしまして、三重県の場合東紀州が特徴的だと思うのですが、県民局の方、東紀州に対する特別な感想とかアイデアを得たということであれば伺いたいのですが。
紀南
県民局
職員
コミュニティということで、3地区でお話していただきまして、それぞれ立場の違った方の意見ということで、整理してから考えたいのですが、先ほど、海山さんのほうから、人口が少ない所でもという話がありましたので、熊野のほうは人口が少ないですし、どういった形で活用できるかなというところ、これから考えたいところです。
木本氏 この里づくり研究会も3年間の取り組みということで、3年間のうちに、皆様の会にしていくということで、第一回ですので、いろいろな意見を頂戴していいと思います。遠慮なくご質問を頂戴いたします。
B市町村
職員
伊賀の前田さんにお伺いしますが、B市町村でも、農家の女性の方が自分の野菜を宅配してみえたのですが、一歩進んで、お弁当を宅配していきたいと。基本的には自分の食材を使って、決して儲かるという話ではないと思うのですが、自分達の安全安心な食材をということで考えてみえます。(前田さんは)生産から加工して販売するという、6次産業的なことをやってみえるのですが、お弁当とか宅配とか、そういうものをどういうように考えてみえますか?
前田氏 経験がないので、的確な返答ができませんが、弁当の宅配は普及していませんが、食材の宅配がはやりましたが、すぐにつぶれました。コストがかかるということで、単価が高くなるのでしょうね。四日市のほうで、1週間に一度、今週のメインはこれですと○をつけてもらい、集計して木曜日に発送するということをやっています。うちもそこに出荷しています。無農薬のお店で。3~4年続いています。一色町です。
衛生の許可もとらなければならないですし、地域的なこともありまして、伊賀では寝たきり老人、高齢者向けのことを考えれば、関心を持つ事業に入れられるのではないかとは感じています。
海山氏 弁当のことで、実は、今こらぼ屋、店が広がりましたので、厨房をかなり広くとりました。仕出しの許可をとりまして、弁当をやろうと思っています。私がやろうやろうと思っても、シェフさんが動かないといけないのでたきつけているのですが、どうも来年から弁当事業というのが立ち上がりそうです。実は70人のシェフが登録しても、2店舗では、1日動いているのは5~6人です。それ以外の何十人という人は手の空いている方達です。そういう方達を有効に動いてもらったら、いろんなことができるのではないかということで、これまでは、シェフを指定して、貸し切りパーティができるというサービスとか、ホームパーティに出張するとか、そういうことをやってきたのですが、今回弁当事業をやろうということで、やってもらえるシェフを募って、ローテを組んでやっていくのですが、コミュニティが少しずつ仲間うちで出来かかってきた、良い関係性のできた方が20~30人できてきたわけです。このコミュニティから事業を興していくということが、 (なんか多いそうで)?もともとは株式会社もコミュニティですね。メンバーの関係性がよければ、仕事にも反映されるだろう。うちは先にコミュニティができちゃって、そこから事業をやろうかと。だから、70名の調理ができるという人的資源をもったわけですから、そこから、何か事業がでてくる。今後は、農村部でもそういう人たちが集まってくれば、そういう人達で弁当事業を立ち上げることもできるかじゃないかなと思っています。
木本氏 今日は、高橋さんがおみえになっているということで、土地改良区の関連の方がたくさんおみえになっていますが、改良区でどなたか、うちも似たようなことをやっているとか、調査が多いとか、何かございませんか?
(高橋氏より、北勢県民局職員をご指名)
北勢
県民局
職員
ご指名いただきましたようで。劇団のほうに、一百姓として参加させていただきました。高橋さんに文句を言いたいこともありますが、結果として参加させていただいて本当に感謝しております。仕事の関係で、数年前から高橋さんと懇意にさせていただいております。4月に県民局に 異動になりました。今、土地改良区の指導ということで、土地改良区の手続きの関係を担当しております。私、昨年までこの会を主催している農山漁村室のほうで地域づくりに取り組んでおりまして、コミュニティづくりに興味を抱いております。
現在、土地改良区の運営について担当しているのですが、今後、土地改良区が地域の中でどうゆうあり方で継続した活動を運営していくのか、考えながら業務をやっているという状況です。手探り状態なのですが、土地改良区を地域の中でどのように位置づけるのか、どのような運営方針を立てていくのか、先進的な立梅用水の取組を念頭に置いてやっているのですが、一改良区が地域づくりをやっていこうとしたときに、何を大事にすべきか、ということをお聞かせいただければありがたいです。
高橋氏 平成8年に地域のボランティアと水土里ネットとの協働ということで劇団を作りました。農村の地域資源というのは、大変幅があると思います。伝統芸能も大きな資源ですし、勢和村には10地区で5つの獅子舞が残されています。昔は、自治会として楽しみの一つとして、地域の題材にした地芝居をやられた。獅子舞にしろ、芝居にしろ、地域に残る資源です。このように考えて見ますと地域資源の活用と地域づくりは大いに関連していて、活動を通じ、幅広くコミュニティが発生すると思うのです。わたしどもの、立梅用水創設功労者西村彦左衛門もそうですしそういった観点で、広くとらえて、地域の特性を大事にしながら、皆さんで関わっていただくことが大切と思います。そして、水土里ネットは昔から直接水や土を管理する団体として地域をコーディネートする役割にあると思います。
木本氏 おひねりの総額は?
高橋氏 相当あったんです。7、8千円だったでしょうか。実は、劇団は1枚200円で五平餅を売りますが、飛ぶようにうれます。1,000枚単位で売れます。それを活動資金にしております。
会場から この2月にオープンする施設を作っていただいている最中ですが、2月からいろいろな方向で取り組んで行きたいと思います。後発ということで、ものづくりというより、ものまねづくりということになろうかと思います。ものまねではいけないので、新しいものを開発しなければいけないと考えておりますが、新しいものの開発はコストがかかりますが、いかに低コストで成功させるのか方法を教えていただきたい。一つは、草餅のよもぎ餅。お菓子とか漬物。同じお菓子でも、漬物でもいろいろありますが、開発のノウハウを知りたい。
前田氏 やはり、地域性を生かしたもの。新しい商品の開発といいますが、いろいろ商品はすぐ簡単にできますが、それをいかに売り出すかというのが重要です。売り出し方を考えれば、特産になります。この地域にしかできないという付加価値を付けるのです。一つの商品で膨大な生産量で名をとどろかすのも一案、又、こだわって全国にこの地域の商品でなくてはならない価値ある商品を作ることが、ブランド商品に繋がると思います。地域を売るのだという、そういった努力は各々しているとは思いますが、伊賀ブランドの会があります。絶えずそういった話が飛び交い、意見を聞きながら、やっております。伊賀ブランド会にも入会してください。
会場から いろいろ高橋さんには、交流のほうでお世話かけ話を聞いていただきました。
NPOを今、設立しまして、ハードはできあがりまして、ソフト的なことをこれからやろうかと、わたしども理事のメンバーで活動しようとしておりますが、海山さんのところは、もともとシェフでおられたということで、料理の世界から発案されたと思うのですが、当初のメンバーはどのようなメンバーで、何人くらいで、NPOを設立されて順調に進んでこられたのか。
客層ですが、前にチラシを置いて持って帰ってもらうということですが、普通のお店だとあそこはおいしいから行こうかということだと思いますが、シェフが毎日変わるというと、客層はちょっと女性客が多いのかと思いますが、シェフの友達が多いのかという印象を受けましたが、通りすがりの人が、うまくそのお店に入って輪が広がっているのかどうかお聞きしたいと思います。
海山氏 立ち上げ期の話ですが、当初は、NPOで始めたのではなく、個人事業で始めました。市の事業も個人事業ということで申請しました。どこかでNPOで やって行きたいなと、自分はオーナーではなくなっていこうと決めていました。最初はほとんど1人でした。別のNPO法人の代表をやっておりまして、そちらのNPOは中間支援ということで、四日市のNPOセンターの管理受託している団体ですが、そこのメンバーが当初協力をしてくれて進んで行きました。昨年、経済産業省の委託事業市民ベンチャー事業を受託することになり、そのために、きっちりした組織を作ったということです。それまでは、協力してくれた人もいましたが、個人の力でやっていたというところです。自分の信条があって、コミュニティレストランのワンデイシェフに関しては、誰かが、自らお手伝いしましょうかと、言ってくれるまでは自分でやろうと思った。自発的にやろうという人は、実は、さあやるぞとお願いしますと、どんどん自分で進めてってくれる、そういう人を待っていたというのはあるのですが、最初はだから、かなりハードでした。
それと、客層のご質問ですが、まず、お客さんというのは、女性の方が多いのは多いです。50代や60代が多い。これはどこの飲食店でも同じです。コミュニティ力で客を集客するという部分がかなりあるのですね。とにかく、シェフのデビューというときは、常連のお客さんもチェックしに来るのですね。デビューの初日も完売でお断りすることが多い。デビューされる方も、自分の家族とか友達とかいろんな人を呼んでいらっしゃいますね。姪っ子がやっていると聞いたら、何をさておき行ってみたくなりますよね。親戚が集まって法事みたいな状況が生まれるのですね。何も知らずに入ってきた人も結構 います。メニューが一つしかなく選択の余地がないということで、おかしな店だということで、内容を説明すると「ほーっ。そうなのか。」と、何も知らずに入ってそんなお店があったら、絶対人に言いますよね。これは、絶対口コミで広がるなと思いました。あと、常連の方がいらっしゃいます。常連の方は何を求めてきていただいているかというと、空気が違うのですよ。商売でやっているのとは違うのですね。収入が多少あるのはうれしいですが、それが目的ではないです。20食30食はしれていますから。でもなにか、おもてなしの心 でも、商売でやっているのとは違うものが、お店の中にあると思うのです。おそらく、それを気に入ってきていただいている方が多いということと、一時期、皆さんの能力、お料理の技術、接待の技術を上げて、お客さんをつけていこうと考えたことがあるのです が、それでお店がいつも一杯ということなら、そんな例はたくさんあるのです。NPOでやっています。ボランティアです。今一歩の料理も出るし、無愛想なおばさん もいるし、それでも、いつも人が入っているね、ということが大事だと思ったのです。そこに、次の時代のヒントがあると、そう期待しているのです。あえてスキルを上げて、お客さんをつけていこうということは やるまいと思っています。
会場から 1点お聞きしたい。
運営をしていくとき何が大事かというと、組織の形成をしなければならない。人材を掘り起こし人材を育成するにあたって、なにか特別にテクニックがあれば教えていただきたい。組織の中のコミュニケーションをどのようにうまくとる方法があるのかということをお聞きしたい。
高橋氏 小学生を対象に40回ほど、勉強会をやっています。水土里ネットの主体的な取組のもとに、計画を立てて、地域の子ども達に、私たちの農業を教えています。最近、全国的に小学4年生が地域を学ぶという授業があります。勢和村の水や土を見て何を思うか尋ねてみたら、積極的に手を上げて答えてくれるのですが、「西村彦左衛門」「あじさい」「めだか」を連想するとはっきり答えてくれる。これはどういうことかと思ったときに、地域の人が一生懸命あじさいを植えている、それに、子ども達も両親と一緒に参加した、劇に出たとか、ビオトープでめだかをすくった、こういった地域 での活動や環境が実際に子ども達に体感として伝わっていると思います。子ども達から将来につなげていただきたいなと思います。子ども達の思いを、地域のふるさとの思いとして 伝えていただきたいなと思います。
木本氏 組織内コミュニケーションはどうですか?
前田氏 物事を処理する中で、高齢者がほとんどなものですから、多彩な知恵がなかなか出てこない。同じメンバーが何回会議を起しても、同じことしかでません、パワーと新しい発想というのは、違った年代からは良く出ます。
したがって、物事を決めるときには、良い知恵というのがあまり出てきません。私は、たたき台をいくつかつくります。そうすれば意見も出やすい。どれを採択しますか?ということで会議を進めます。JAが1名お入り戴いています。若い方ですのでいろいろ意見を出してくれます。それと、企画の段階では、地区の若い方に入っていただきます。そのときは、素晴らしい意見が出ます。今後とも是非続けていきたい。
農村市場の重要な会計の役目ですけれど、定年退職の方に協力を戴いています。今後も、退職者にご理解戴き組合員を増やして行きたいと考えています。
木本氏 最後に海山さん。あなたの次期司令塔を、組織内のコミュニケーションでどう決めていかれるのか。お考えはありますか?
海山氏 ワンデイシェフシステムでこらぼ屋が運営されていて、お分かりになるとおもいますが、シェフの人達は一つの場所を共有しながら、自立したメンバーが組織を作ってきているのですね。ものすごく大事なのは、一つの場所を共有しながら、自立したメンバーが組織を作っているという状況なので、これは難しい部分もあるのですが、自分の部分をわきまえている人達が多くて、次期リーダーというものは、この中で自然に発生してくるものじゃないかなと思います。ノウハウ、能力というのは、常に一緒に作ってきているのですね。皆で作ってきているのですね。皆が自分の意見を言い合って、シェフの意見を反映しながら作ってきているので、その中から自然に生まれてくるのだろうし、それを待つのがいいんじゃないかと思います。
木本氏 ありがとうございました。さて、予定された定刻になりました。お三方から伺っていて、もうひとつ考えたのは、あじさいにしろ、目新しい野菜にしろ、料理にしろ、作り育てるということですね。共通するのは。われわれの世界は与えられるものばかり。いきいきされているのは、作り育てるということが共通しているのではないかと思います。いろいろと教えられた次第でございます。お三方ありがとうございます。

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