耳標の10桁目 by猫かい?
※ちょっと小難しい話です※牛には、一頭ずつ両耳に耳標というものが取り付けられており、10桁の個体識別番号が記されています。スーパーなんかで売っている牛肉に、10桁の番号がついているのを見たことはないでしょうか?それがこの番号です。この番号を家畜改良センターのサイトに入力すると、「その牛がいつどこで生まれて、誰に買われたか」等の情報を知ることが出来ます。
ところでこの耳標、9桁目までで連番になっていることはありますが(同じ農家で同時期に生まれた子牛なんかは連番になっていることがあります!)、10桁目までを含めた連番にはなりません。どういう事かと言いますと・・・
10000-0001-4 の次の番号は 10000-0001-5 ではなく
10000-0002-1 になります。
これは、基本的には9桁目までが番号であり、10桁目は「9桁目までを特殊な計算式に当てはめると出てくる値」であるためです。
それがどんな計算式かといいますと・・・9桁目までが 01234-5678 という耳標を例にして、10桁目を出す計算式を見てみましょう。
① まず、数字を1桁目、3桁目、5桁目、7桁目、9桁目のグループ(奇数桁のグループ)と、2桁目、4桁目、6桁目、8桁目のグループ(偶数桁のグループ)にわけます。
この場合、0123-45678ですので、奇数桁には 0,2,4,6,8 偶数桁には 1,3,5,7 があります。
② それぞれを足します。
奇数桁=0+2+4+6+8=20
偶数桁=1+3+5+7=16
③ 奇数桁の合計値を三倍にします。偶数桁の合計値は何もしません。
20×3=60
④ 偶数桁の合計値と、③で出てきた値を足します。
16+60=76
⑤ ④で出てきた値を10で割り、余りを出します
76÷10=7あまり6
⑥ ⑤で出てきた余りの数値を、10から引きます。
10-6=4
この「4」が、10桁目に入る数字になります(⑥で出てきた数値が10の場合は、10桁目は0になります)。
つまり、01234-5678-4 という耳標番号ということになります(9桁目までは適当に考えた番号なので、こんな牛はいませんが)。9桁目までに記入ミスがないかどうかを確認するためにこんな風になっているらしいです。
これを知っていたからといって、別にどうということはないですが、一度くらいは誰かに「へー、知らなかった!」と言ってもらえるのでは?