牛海綿状脳症(BSE)の検査
平成13年10月にBSE検査や特定(危険)部位の除去が義務化されましたが、国内での発生から10年以上が経過し、BSE対策は一つの節目を迎えました。
日本国内の対策は国際的にも認められ、平成25年5月28日に国際獣疫事務局(OIE)より「無視できるリスク」(最上位の評価)の国の認定を受けました。
このような状況の中、BSEのリスクが大きく低下し、平成25年7月1日から法律上、と畜場において検査義務のある牛の対象が、48か月齢超に見直され、全国の自治体が一斉にBSEの全頭検査から、48か月齢超の牛を対象とした検査に見直しました。
平成25年7月1日以降、48か月齢超の牛を対象としてBSE検査を実施してきましたが、国内の検査を廃止してもリスクの差は非常に小さく人への健康被害は無視できると内閣府食品安全委員会が評価したため平成29年4月1日から健康牛についての検査を廃止しました。
ただし、24ヶ月齢以上の牛のうち、生体検査において神経症状が疑われるもの及び全身症状を呈するものについては、引き続きBSE検査を実施します。
なお、検査開始以来、三重県内でと畜した牛で、陽性であった牛は1頭もいません。
牛海綿状脳症(BSE)とは
BSEは1986年に英国で初めて報告された牛の病気です。
BSEにかかった牛の脳の組織が海綿状(スポンジ状)となることから、牛海綿状脳症と名付けられました。
2~8年(通常2~5年)の潜伏期間の後、行動異常、運動失調などの神経症状を示し、発病後2週間から6ヶ月の経過を経て死に至ります。
BSEの原因は何ですか
- 脳や脊髄などプリオン蛋白が多い組織の正常プリオンタンパクが異常プリオンタンパクにより異常化し蓄積、発症します。
- BSEに感染した(異常プリオンタンパクを含む)牛の脳、脊髄などを含む飼料の摂取により経口感染すると言われています。
と畜場でのBSE対策
BSEに感染した牛の肉が市場や店頭に出回らないように以下の検査システムにより安全を確保しています。
現在の牛の特定危険部位(SRM)の対象範囲は、30か月齢超の「頭部(舌・頬肉・皮以外)」「脊髄」「脊柱」と、全月齢の「扁桃」「回腸遠位部」となっています。
BSEスクリーニング検査の仕組み
検査の性質状、正常な牛でも疑陽性と判断されることがあります。
そのためスクリーニング検査で陽性となった場合はさらに確認検査を行います。