令和2年6月の大気汚染防止法改正では、災害時に備えるため、国や地方自治体の施策として、建築物等の所有者又は管理者による建築物等の石綿含有建材の使用状況の把握等を促進する規定が、新たに盛り込まれました。また、令和5年4月には、環境省の「災害時における石綿飛散防止に係る取扱いマニュアル」(以下「災害時マニュアル」という。)が、この法改正内容や近年における石綿飛散防止に関する動向を踏まえて改訂されました。
こうした背景から本県における災害時の石綿飛散防止についての基本的な実施事項等を定め、関係部署が平常時から密接に連携し災害時における迅速な対応を図ることにより、県民の安全・安心を確保することを目的として、三重県災害時における石綿飛散防止対策マニュアルを策定しました。
三重県災害時における石綿飛散防止対策マニュアル
(参考)環境省「災害時における石綿飛散防止に係る取扱いマニュアル」
三重県災害時における石綿飛散防止対策マニュアルの主な内容
(1)総則
本マニュアルは、環境省の災害時マニュアルを踏まえ、本県(大気汚染防止法第31条で定める政令市の四日市市を除く。)における、平常時の準備、災害によって建築物等から石綿が外部へ露出した際の応急対応、復旧・復興時における建築物等の解体による石綿の飛散・ばく露防止措置について、基本的な実施事項及び実施主体を定めます。(2)平常時における準備
平常時から建築物の石綿使用状況及び石綿を使用している可能性のある建築物の情報を収集・整理します。また、災害復旧作業の従事者等に対し、建築物等における石綿の要注意施工箇所や石綿ばく露の危険性、防じんマスクの着用等について、市町の協力のもと円滑に注意喚起できる体制を整備します。
(3)災害発生時の対応
建築物等の倒壊・損傷の被害が生じた災害時には、速やかに、住民、作業員、ボランティア等による災害復旧作業の従事者等に対し、建築物等における石綿の要注意施工箇所や石綿ばく露の危険性、防じんマスクの着用等について、市町の協力のもと注意喚起を行います。また、地震等の発生で多くの建築物等が甚大な被害を受けたときは、石綿露出状況調査を行います。
(4)復旧・復興時の対応
災害時においても、建築物等の解体等工事は、大気汚染防止法に基づいて事前調査や届出、飛散防止措置等を行う必要があります。ただし、建築物等の倒壊・損壊による危険性があり「立入不可」と判断した場合は、石綿含有建材をあらかじめ除去せずに散水等を行いながら解体(以下「注意解体」という。)を実施することになります。注意解体を行う解体工事発注者や解体工事業者等には、注意解体の進め方を示している環境省の災害時マニュアルに基づいて、適切に解体等工事を行うよう指導します。

図 災害発生時の解体工事のフロー
(5)環境モニタリング
地震の発生等で多くの建築物等が被災している状況下にあり、避難所周辺、倒壊・損壊した建築物の多い地域等で、建築物等の倒壊・損壊及び被災建築物等の解体によって、石綿飛散によるばく露が懸念される場合は、大気中の石綿濃度のモニタリングの実施を検討します。また、環境モニタリング結果を県ホームページに掲載する等、可能な方法で住民への周知を行い、被害の拡大防止を図ります。