伊勢志摩国立公園は伊勢市、鳥羽市、志摩市、南伊勢町の3市1町にまたがる自然公園で、昭和21年11月20日に国立公園に指定されました。その伊勢志摩国立公園の美しい自然や景観、歴史や文化を将来にわたって守っていくためには、地域に住む人々の取り組みが重要となってきます。三重県と伊勢志摩国立公園協会では、伊勢志摩国立公園の指定日を地域の皆さまとお祝いし、伊勢志摩国立公園に親しみ将来を考える指定日記念イベント「Happy Birthday!伊勢志摩国立公園」を開催しました。
1 日時
令和2年11月19日(木) 13時~16時
2 場所
鳥羽市商工会議所3Fかもめホール(講演、表彰式、写真展)
鳥羽市民の森(記念植樹)
3 内容
(1)講演
「伊勢の祭」
講師:写真家 阪本博文 氏
(2)第3回 石原円吉賞表彰式
ア 授賞者
石原円吉賞
・NPO法人南勢テクテク会
・島の旅社推進協議会
・志摩半島野生動物研究会
特別賞
・中馬 千鶴 氏
・中瀬 誠一 氏
イ 授賞者の活動概要
◆石原円吉賞
・NPO法人南勢テクテク会
NPO法人南勢テクテク会は、南伊勢町の古道を掘り起こし、実際に登山をしてもらうことで南伊勢町
のすばらしさを知ってもらおうという趣旨のもと平成9年に設立されました。南伊勢町の忘れられた街道
や山道の補修や草刈り、案内看板の設置を行うと共に、ハイキング大会を開催し、山登りを楽しみながら
豊かな自然や動植物の保護活動を通じて地域住民の交流を図っています。
・島の旅社推進協議会
島の旅社推進協議会は、答志島を中心に神島、菅島、坂手島といった鳥羽の離島地域において地域資源
の発掘、ガイド育成、情報発信、ツアーなどを行っている団体です。海女小屋体験や島の路地裏散策など
島の文化を感じる体験メニューのほか、磯場で生き物と触れ合う自然体験学習プログラムも開催してお
り、地域の振興と魅力の発信を積極的に行っています。また、地元の学生と連携し地域活動支援など文化
継承と次世代人材育成にも注力しています。
・志摩半島野生動物研究会
志摩半島野生動物研究会は、主に志摩市の伊勢志摩沿岸部を中心に活動している団体です。ウミガメを
はじめ、スナメリや海鳥等の調査や保護、及び和具大島にてアツバキミガヨランやオオフタバムグラなど
の外来種駆除作業を行うなど、野生動植物の保護に貢献しています。また、生物調査に限らず、観察会の
開催や環境系イベントに参加するなど、県民への環境保全の普及啓発にも努めています。
◆特別賞
・中馬 千鶴 氏
中馬氏は、東京大学理学部植物学教室の研究生として励み、その後、地元伊勢市の皇學館高校の生物教
員として勤める傍ら、伊勢志摩の植物の研究・調査の活動や貴重な花などの保存活動にも取り組み、各地
で行われる自然観察会などの講師として指導も行っています。また、数多くの書籍を発行し、伊勢志摩だ
けでなく県内の自然環境の保全に大きく貢献しています。
主な著書に『伊勢志摩の草花100選』、『伊勢志摩・東紀州地域の種子植物』、『三重県その自然と動
物』があります。
・中瀬 誠一 氏
中瀬氏は、平家の里語り部、竜ヶ峠を守る会会長、宮川流域案内人などを務め、主に伊勢市にある竜ヶ
峠を中心に活動をしています。伊勢志摩国立公園の神宮林を通る伊勢古道「竜ヶ峠」の清掃整備とエコツ
アーの開催、久昌寺にある国重要文化財仏像の保管整備、平家や地元の歴史に関する伝記の講談、平家琵
琶の演奏などのイベントを開催し、長年にわたり地域の魅力の発信と歴史文化を次世代に伝える活動を
行っています。
〔参考〕石原円吉賞
伊勢志摩国立公園の保全や活用を継続して行っている個人・団体を表彰する制度で、平成30年度伊勢志
摩国立公園協会が創設しました。他薦により募集した候補者から選考する石原円吉賞と、伊勢志摩国立公園
協会会長の推薦による候補者から選考する特別賞があります。なお、賞の名前になっている石原円吉とは、
伊勢志摩国立公園の指定に尽力し、初代伊勢志摩国立公園協会会長、初代海の博物館館長等を務めた人物で
す。
(3)写真展
阪本博文 氏と「志摩の鳥人」故・松本高正 氏の作品を集めた伊勢志摩国立公園の写真展
(4)記念植樹
石原円吉賞授賞者及びイベント参加者による桜の記念植樹