地域における薬物乱用対策
国における薬物乱用対策としては、内閣府特命担当大臣を議長とし、関係閣僚を構成員とする薬物乱用対策推進会議が設けられ、関係省庁が密接に連携して、薬物の乱用防止に向けた対応を講じています。
平成30年8月には、「第五次薬物乱用防止五か年戦略:厚生労働省」策定されました。
第五次薬物乱用防止五か年戦略では、戦略策定に向けた3つの視点から5つの目標を掲げています。
【3つの視点】
①:国際化を見据えた水際を中心とした薬物対策
②:未規制物質・使用形態の変化した薬物への対応
③:関係機関との連携を通じた乱用防止対策
【5つの目標】
①:青少年を中心とした広報・啓発を通じた国民全体の規範意識の向上による薬物乱用未然防止
(青少年:乳幼児期から青年期(おおむね18歳から30歳まで)までの者)
②:薬物乱用者に対する適切な治療と効果的な社旗復帰支援による再乱用防止
③:薬物密売組織の壊滅、末端乱用者に対する取締りの徹底及び多様化する乱用薬物等に対する
迅速な対応による薬物の流通阻止
④:水際対策の徹底による薬物の輸入措置
⑤:国際社会の一員として国際連携・協力を通じた薬物乱用防止
これらの戦略目標を達成するために、全都道府県では知事を本部長とする薬物乱用対策推進地方本部が設置されており、関係行政機関が相互に緊密な連携を図ることで、実効を期することができる総合的な対策を推し進めています。
なお、保健所の役割としては、上記のうち、主に1.の啓発及び3.の監視指導を担っており、松阪地区薬物乱用防止指導者協議会と協力することで、地域に根差したきめ細かい活動を行っています。
三重県薬物乱用対策推進本部(薬物乱用対策推進地方本部)
三重県は、薬物乱用対策推進地方本部として、本部長である知事のほか、次表内に示す各種機関の代表者等で組織する三重県薬物乱用対策推進本部を設置し、参加機関が相互に連携を図ることにより、第四次薬物乱用防止五か年戦略における目標の達成に向けて取り組んでいます。
三重県警察本部、三重県教育委員会、津地方検察庁、厚生労働省東海北陸厚生局麻薬取締部、名古屋税関四日市税関支署、四日市海上保安部、鳥羽海上保安部、尾鷲海上保安部、名古屋出入国在留管理局四日市港出張所、津少年鑑別所、津保護観察所、三重刑務所、四日市市、薬物クリーンみえ推進協議会、三重県(順不同) |
薬物クリーンみえ推進協議会
薬物の危険性及び有害性の正しい認識の普及のほか、薬物の乱用がない健全な社会環境づくりの実現をめざし、それに必要な啓発事業を企画し、実施することを目的に設置された協議会です。
薬物クリーンみえ推進協議会は、青少年の育成等に関連する団体のほか、県内の各地区で組織されている薬物乱用防止指導者協議会、その他に学校、医薬品、社会奉仕等の関係団体の長又は代表者で組織されています。
松阪地区薬物乱用防止指導者協議会
松阪地区薬物乱用防止指導者協議会は、保健所と協力の上で街頭啓発のほか、学校又は自治会単位での講習等の活動を行っており、地域での薬物乱用を防止する意識の普及において、中心的な役割を果たしています。
それを組織するのは、県が委嘱した「薬物乱用防止指導員」及び「薬物乱用防止指導啓発団体」であり、指導員は保護司又は学校薬剤師であることが多く、指導啓発団体としてはライオンズクラブ、ロータリークラブ等があります。
なお、同協議会及び保健所による主な活動は、次に掲げる期間に行っています。
- 県民参加による不正大麻・けしクリーンアップ運動(4月1日~6月30日)
- 「ダメ。ゼッタイ。」普及運動(6月20日~7月19日)
- 麻薬・覚醒剤乱用防止運動(10月1日~11月30日)
保健所
保健所では、松阪地区薬物乱用防止指導者協議会との協力により、地域における薬物乱用防止に係る啓発活動を実施していますが、その他にも医療機関、薬局等での麻薬、向精神薬等の使用又は管理が適切に行われているかを確認するための立入検査、及び危険ドラッグの流通を取り締まるためのインターネット監視を定期的に実施しています。
また、薬物乱用者又はその家族からの専門的な相談には、こころの健康センター(精神保健福祉センター)で応じていますが、保健所においても相談窓口を開設していますので、衛生指導課(TEL:0598-50-0529)までお電話ください。
そして、みえ出前トークでは、薬物乱用をテーマに集会、学習会等へ職員を派遣していますので、リンク先のページのお申込み方法をご覧ください。
なお、その他薬物乱用防止に関する情報に関しては、厚生労働省のページにまとめられています。
- 薬物乱用防止に関する情報:厚生労働省