平成29年8月29日(火)、斎宮歴史博物館・三重県埋蔵文化財センターを会場として出前講座を実施しました。
対象は明和町公民館講座・歴史同好会のみなさん10名でした。
今回は「北野遺跡の発掘調査-土師器焼成坑を中心として-」と題し、明和町内にある北野遺跡の調査成果について、実際に調査を担当した三重県埋蔵文化財センター調査研究2課長 上村安生よりお話しました。
北野遺跡の調査成果としては全国的にみても突出した数を誇る「土師器焼成坑」がまずあげられます。その土師器焼成坑を中心に、土師器の製作技術といった基本的なことから、年代による焼成坑、土師器そのものの変化、そして実際に調査をしたものでないとわからない現場での様々な発見など、日頃知ることのできない内容も交えての話に参加者の皆さんも熱心に聞いておられました。
また実際に出土した土器類も観察していただきました。今回は6世紀から8世紀までの年代別に土器を展示し、時代によって変わっていく土器の製作技法や各時代の特徴の解説のほか、この地域にみられる独特な器種である「有孔広口筒形土器」も展示するなどして、北野遺跡にとどまらず、斎宮・伊勢神宮に近いこの地域の歴史の特色にも思いを寄せていただける機会となりました。
アンケートからは「昔と今の遺跡の様子など、時代の流れ・変遷がおもしろかった」「実物の土器も間近で見せていただいて良かった」「北野遺跡についてもっと町民にもしってほしい」といった声が聞かれました。
今後も埋蔵文化財や歴史について興味・関心を持ってもらえるように取り組みます。