県立高等学校再編活性化第三次実施計画
1 はじめに
(1)第三次実施計画の趣旨
(2)第三次実施計画の基本方針
2 県立高等学校の適正規模・適正配置推進に向けた取組
(1)全日制高等学校における適正規模化に向けた取組
① 大規模校
② 小規模校
(2)学校配置の適正化に向けた取組
① 普通科
② 専門学科
③ 総合学科
④ 定時制課程・通信制課程
3 高等学校活性化に向けた取組
(1)教育内容の充実
① 普通科
② 専門学科
(2)信頼される学校づくり
(3)中高一貫教育校
(4)コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)
4 各地域ごとの取組
(1)北勢地域
(2)鈴鹿、亀山地域
(3)津地域
(4)伊賀地域
(5)松阪地域
(6)南勢志摩地域
(7)東紀州地域
5 その他
(参考資料)中学校卒業者の推移と予測(PDFファイル239KB・新しいウィンドウが開きます)
県立高等学校再編活性化第三次実施計画PDF版はこちらをご覧ください(PDFファイル788KB・新しいウィンドウが開きます)
1 はじめに
(1)第三次実施計画の趣旨
平成13年5月、県教育委員会は、少子化を教育の環境、条件、内容面における質的向上を図る機会と捉え、県立高等学校の適正規模・適正配置を計画的に推進し、生徒に魅力ある教育環境を整備するため、「県立高等学校再編活性化基本計画」(以下「基本計画」という。)を策定しました。「基本計画」を推進するため、平成14年3月、平成14年度から16年度までの3年間にわたる「県立高等学校再編活性化第一次実施計画」(以下「第一次実施計画」という。)を、平成16年12月、平成17年度から19年度までの3年間にわたる「県立高等学校再編活性化第二次実施計画」(以下「第二次実施計画」という。)を策定し、県立高等学校の適正規模・適正配置を着実に進めてきました。
具体的には、平成14年度には14校あった1学年9学級以上の大規模校を平成19年度には4校にするとともに、小規模校については、地域ごとに保護者や地元関係者等からなる「協議会」を設置し、活性化に向けた方策を協議してきました。この結果、地域の生徒によりよい教育環境を整備するために、地域が一体となって高等学校を支えようとする活動が生まれています。また、専門学科の拠点化や定通ネットワーク(注1参照)の拠点校の整備を進めることにより、様々な特色ある活動が推進されるなど、活性化が図られています。さらに、平成16年度からは、全ての県立高等学校に三重県型「学校経営品質」(注2参照)を導入することにより、改善活動を推進しています。
平成14年3月の県内中学校卒業者数は、21,117人でしたが、平成19年3月には、18,577人になり、約2,500人の大幅な減少となりました。平成23年3月には、約17,900人とさらに減少が見込まれるなど、依然として少子化が進行しています。
こうした状況の中、県立高等学校は、教育の質的向上を図り、生徒に魅力ある教育環境を整備するため、生徒、保護者及び地域のニーズを的確に捉えるとともに、校長のリーダーシップのもと、教職員が一丸となって改革に取り組み、魅力化、活性化の方策等の情報を積極的に発信し、地域に開き、支えられる学校づくりを推進する必要があります。
県教育委員会は、広く県民から信頼される後期中等教育とするためにも、県立高等学校の適正規模化、適正配置を進め、学校が進める特色化・魅力化の取組に対して必要な支援を行っていきます。
以上のことを踏まえ、県教育委員会は、全ての県立高等学校が地域とともに改革を進め特色化・魅力化されていくことを目指して、今後行おうとする具体的な実施内容をあらかじめ示す「県立高等学校再編活性化第三次実施計画」(以下「第三次実施計画」という。)を策定します。 目次へ戻る
(2)第三次実施計画の基本方針
「基本計画」が平成14年度から23年度までの10年間を計画期間としていることから、「第三次実施計画」は、「第一次実施計画」及び「第二次実施計画」を踏まえ、平成20年度から23年度までの4年間の具体的な実施内容を示すものとします。この「第三次実施計画」は、高等学校の施設の有効活用の観点や特別支援学校(注3参照)の整備計画も視野に入れ、総合的な視点で、積極的に県立高等学校の再編活性化を推進するものとします。目次へ戻る
2 県立高等学校の適正規模・適正配置推進に向けた取組
(1)全日制高等学校における適正規模化に向けた取組
① 大規模校
「基本計画」では、県立高等学校の適正規模の上限を原則として1学年8学級としています。1学年10学級以上の大規模校は全て解消され、平成19年4月現在、1学年9学級の県立高等学校は4校となっており、今後も適正規模化を進めます。
(参考)平成19年度入学定員が1学年9学級の高等学校
桑名高等学校、四日市高等学校、津高等学校、津西高等学校
② 小規模校
「第二次実施計画」では、小規模校の適正化方策として、次のように示しました。
ア1学年2学級以下の高等学校は原則として分校とすることとし、統廃合(注4参照)も視野に入れ近隣の学校と再編活性化に係る協議を行います。
イ分校については、入学者数が募集定員の半数に満たず、その後も増える見込みがない場合は、原則として翌年度から募集停止とします。
ウ昴学園高等学校及びあけぼの学園高等学校については、設置後相当の年数を経た今、改めて設置の意義を検証しつつ、今後の在り方について検討します。
エ1学年3学級以上の学校にあっても、今後の生徒数の減少を見据え、近隣の高等学校との学校間連携や統廃合など、地域全体の高等学校教育の在り方を検討しつつ、生徒にとってより魅力ある教育環境を整備するなど、積極的な改革を行います。
この適正化方策を受け、平成19年度から南伊勢高等学校南島校舎の募集を停止し、平成20年度から尾鷲高等学校長島校の募集を停止しました。「第三次実施計画」においてもこの適正化方策を引き継ぐとともに、引き続き関係地域ごとに、「協議会」を設置し、地域の方々と意見交換をしつつ、当該高等学校の活性化に向けた方策について、具体的に検討します。
ア)白山高等学校
平成18年度、普通科、普通科福祉・情報コース、商業科を普通科2学級、情報コミュニケーション科1学級に改編しました。今後は、平成17年度末に出された「久居・一志地域高等学校再編活性化推進協議会報告書」を踏まえて、連携型中高一貫教育(注5参照)の充実を図りつつ、教育内容の一層の魅力化を図ることとします。
イ)伊賀地域の小規模校等
平成21年度、農業、工業、商業、福祉の4つの専門学科を有する新しいタイプの総合専門高等学校を新設し、学科の枠を越えて幅広い専門領域を学ぶことのできる、地域の専門教育の拠点として魅力化を図っていきます。
また、あけぼの学園高等学校を含めた伊賀地域全体の高等学校の在り方について、地域の意見を聴く会を開くなどして、平成18年度に協議のまとめが出されました。今後も引き続き、中学校卒業者数の推移や中学生の進路希望状況等を踏まえつつ、検討を進めます。
ウ)松阪地域の小規模校等
宮川高等学校と相可高等学校は、平成22年度を目途とする統合に向けた検討を進め、地域の県立高等学校として一層の魅力化を図ります。
飯南高等学校は、連携型中高一貫教育の成果の検証やコミュニティ・スクールの研究を進めるとともに、1学年2学級の維持が困難となった場合の地域における高等学校の在り方について、分校化も視野に入れて引き続き検討します。
昴学園高等学校は、全寮制を生かした特色ある教育活動が展開されています。今後は、平成18年度末に出された「昴学園高等学校再編活性化推進協議会報告書」を踏まえ、設置の理念を検証しつつ、活性化を図っていきます。
エ)南勢志摩地域の小規模校等
平成20年度、南伊勢高等学校南島校舎と南勢校舎を統合するとともに、度会校舎との一体性を強めるなど、校舎制の機能を高めます。また、南勢校舎が南勢中学校と実施している連携型中高一貫教育の成果を検証しつつ、引き続きその在り方について検討します。
なお、当地域は他の地域と比べ、中学校卒業者数の大幅な減少が続くことから、中学生の進路希望状況や入学者選抜の状況等を踏まえつつ、南伊勢高等学校、鳥羽高等学校、志摩高等学校、及び水産高等学校について中長期的な視野に立った適正配置と活性化策を検討します。
オ)東紀州地域の小規模校等
紀南高等学校は、平成17年度末に「協議会」から出された「紀南地域県立高等学校の再編活性化に向けて(最終まとめ)」を踏まえ、地域の高等学校としての特色化・魅力化を進めます。目次へ戻る
(2)学校配置の適正化に向けた取組
① 普通科
普通科については、平成16年度から、隣接する通学区域の県立高等学校に入学志願できることとし、生徒の選択幅の拡大を図っています。今後も生徒や地域のニーズを踏まえ、県立高等学校の教育内容の特色化・魅力化に取り組みながら、地域における普通科の配置の在り方について検討を進めます。
② 専門学科
専門学科については、これまで、教育資源の有効活用及び専門高校としての活性化を図るために学科の拠点化を進めており、これらの拠点化された学校においては、地域と連携したオリジナル商品の企画・販売等、様々な特色ある取組が進められるなど地域の学校としての役割をはたしています。今後も県全体の学科の配置を視野に入れ、生徒及び地域の実態や社会の変化等を勘案し、学習ニーズにあった学科改編を行っていきます。
なお、産業構造や就業構造等の変化に伴い、一つの分野にとらわれない総合的な知識を持った人材の育成が求められていることから、従来の学科の枠にとらわれない、幅広い専門領域を学ぶことのできる、新しいタイプの高等学校を設置します。
③ 総合学科
総合学科は、普通科目と専門科目の双方を充実させ、学校独自の多様な選択科目を設置できる学習システムが特色であり、生徒の多様なニーズに対応した系列(注6参照)をおき、柔軟かつ特色ある教育課程を編成しています。
平成17年度、鳥羽高等学校の普通科を廃止し、県内8校目の総合学科を新設することにより、総合学科を各通学可能区域に設置しました。
今後は、キャリア教育(注7参照)の充実を図り、生徒の多様な進路希望を実現することができるよう、教育内容や系列の見直しなど、成果や課題について検証しつつ、配置についても検討します。
④ 定時制課程・通信制課程
定時制課程・通信制課程で学ぶ生徒一人ひとりへの対応が一層多様になってきているため、平成17年度から、県内の北部地域と南部地域に「協議会」を設置し、定通ネットワークの整備や統廃合も視野に入れた定時制課程全体の再編活性化を検討しています。
ア北部地域
平成18年度、四日市北高等学校と四日市高等学校通信制を統合し、校名を北星高等学校としました。三部制(午前・午後・夜間)の定時制と通信制の運営を一体化することにより、学習者が自分のペースに合わせて学習時間帯を選んだり、時間割を組んだりすることができる柔軟な教育システムを導入し、定通ネットワークの拠点校として整備を進めてきました。今後は、定時制と通信制の併修をより身近なシステムとするための連携併修(注8参照)の方式について検討を進めます。
なお、定通ネットワークの拠点校として、北星高等学校の教育内容のより一層の充実を図りつつ、桑名高等学校定時制の在り方について、北星高等学校への統合も視野に入れて引き続き検討を進めます。
また、外国人生徒の高等学校への進学が増えるなど、社会の変化に伴う新しい課題に対応するために、抜本的な改革が必要であることから、神戸高等学校定時制と亀山高等学校定時制については、平成23年度を目途に飯野高等学校に統合・併設し、全日制の教育内容の一層の充実を図りつつ、定時制の生徒もともに学ぶことができるような学校づくりについて、「協議会」においても検討を進めます。
イ南部地域
平成17年度、鳥羽高等学校定時制を伊勢まなび高等学校に統合し、伊勢まなび高等学校を中心とする定通ネットワークについて「協議会」で検討してきました。今後は、伊賀地域や東紀州地域に通信制課程の協力校(注9参照)を設置することを含め、近隣地域の高等学校定時制課程と通信制課程の配置と連携の在り方について検討を進めます。また、小規模夜間定時制については、地域の全日制高等学校や定通ネットワークの在り方等も視野に入れ、統廃合を含めて引き続き検討を進めます。目次へ戻る
3 高等学校活性化に向けた取組
(1)教育内容の充実
高等学校では、現在、生徒たちが新しい時代を主体的、創造的に生きていく上で必要となる知識や技能だけでなく、学ぶ意欲、思考力、表現力などを含めた「確かな学力」を身につけることが求められています。そのため各高等学校においては、キャリア教育や環境教育の実施、学校外での学習等、生徒の実態を踏まえ、それぞれの高等学校の特色を生かし、生徒がいきいきとした学校生活を過ごせるよう、保護者や地域と連携しながら様々な取組が進められています。
① 普通科
文部科学省から指定を受け、科学技術、理科・数学教育を重点的に行うスーパーサイエンスハイスクール(SSH)や先進的な英語教育を行うスーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール(SELHi)など、教科における特色ある取組を実施している高等学校があります。
② 専門学科
地域産業を担う人材育成が期待されていることなどから、学校が地域や企業などと協働した様々な取組を行うことにより、生徒の職業的資質や能力を一層伸長していくことが必要です。平成18年3月の三重県地方産業教育審議会(注10参照)の審議のまとめを踏まえ、専門性と「志」を育む教育が進められています。また、将来のスペシャリストとして必要な専門性を培うために、日本版デュアルシステム(注11参照)やインターンシップ(注12参照)等に取り組んだり、専門性の高い資格取得に取り組むなど、次代の産業社会を担う人材の育成を目指して特色ある産業教育に取り組む高等学校もあります。
これらの取組にみられるように、国の研究指定や県の事業を活用し、教育内容の充実を図っています。今後も、生徒一人ひとりの能力や個性に対応した教育を実施し、将来の社会の担い手としての資質を養うことができるよう、学力の向上を図りつつ、教育内容の特色化・魅力化を進めます。 目次へ戻る
(2)信頼される学校づくり
平成16年度から、全ての県立高等学校に三重県型「学校経営品質」を導入することにより、学習者の視点に立った改革を進めています。各県立高等学校は、生徒や保護者、地域の方々のニーズ等を把握した上で、将来のあるべき姿を「目指す学校像」として明確に示し、その実現に向けた重点目標や具体的な行動計画を、「学校経営の改革方針」として作成、公表して独自の活動を展開しています。同じ課題を持つ高等学校が連携しながら改革に取り組んだり、生徒や保護者をはじめ地域の方々へ積極的に情報発信するなどして開かれた学校づくりに取り組んだりといった活動が推進されています。
今後、さらに学校が組織としての教育力の向上を図っていくためには、学校へのニーズ等の把握をより的確に行うとともに、改善への取組を推進していくことが不可欠です。生徒、保護者、学校評議員(注13参照)、地域の意見などを積極的に取り入れ、県民から信頼される学校経営の仕組みを学校自らがつくり上げていくことに加え、「学校経営品質」をベースにした評価等の在り方についても引き続き研究を進めていく必要があります。
県教育委員会は、これからも経営品質向上活動に取り組み、各県立高等学校が自ら策定する活性化策への必要な支援をしていきます。目次へ戻る
(3)中高一貫教育校
社会が急激に変化している現在、児童生徒の興味・関心、能力・適性、進路希望等はこれまで以上に多様化しており、一人ひとりに応じた多様で柔軟な学校制度が望まれています。中高一貫教育は、6年間を通じて様々な体験を重ねることにより、個性や創造性を伸ばしていくことを可能とし、中学校と高等学校の接続の改善という観点からも意義は大きいと考えられます。
本県における連携型中高一貫教育については、中学校と高等学校の教員交流や生徒交流を充実するとともに、地元小学校とも連携し、地域とより一体となった教育活動を展開するなど、中高の連携を核として、小、中、高、大の連携を進めていく中で、教育活動や教育内容の一層の改善・充実を図ります。
なお、保護者や地域関係者からなる「三重県中高一貫教育研究会議」において県PTA連合会などとの意見交換等を行い、平成19年3月に報告書が出されました。今後は保護者や生徒のニーズを把握し、地域の担い手としての生徒をどのように育成していくかを念頭に、引き続き中高一貫教育について検討します。目次へ戻る
(4)コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)
平成19年6月、新しい公立学校運営の仕組みとして、保護者や地域の意見を学校運営に直接反映させることにより、学校・家庭・地域が一体となった学校づくりを目指すコミュニティ・スクールに紀南高等学校を指定しました。また、平成19年度から、飯南高等学校が、保護者や地域の意向やニーズを踏まえて、コミュニティ・スクールの指定を視野に入れた研究を進めています。今後は、両校における成果を検証しつつ、他の県立高等学校への導入についても検討を進めていきます。目次へ戻る
4 各地域ごとの取組
(1)北勢地域
平成17年度、四日市工業高等学校工業化学科とセラミック科を物質工学科に改編し、9学級を適正規模の8学級としました。平成19年度、四日市中央工業高等学校土木科を都市工学科に改編しました。
平成18年度、四日市北高等学校と四日市高等学校通信制を統合し、校名を北星高等学校としました。三部制(午前・午後・夜間)の定時制と通信制の運営を一体化することにより、学習者が自分のペースに合わせて学習時間帯を選んだり、時間割を組んだりすることができる柔軟な教育システムを導入しています。四日市工業高等学校定時制は、システム工学科、建築科、自動車科を統合し、4つのコースをおく工業技術科に改編することにより、生徒へのよりきめ細やかな指導を行えるようにしました。また、北星高等学校、桑名高等学校定時制、及び四日市工業高等学校定時制は、テレビ会議システムを活用し、講演会の配信、会場を結んだパネルディスカッションの開催、外国人生徒の交流等の研究を行い、3校の連携を深めています。今後は、定通ネットワークの拠点校として、北星高等学校の教育内容をより一層充実させるとともに、桑名高等学校定時制の在り方について、北星高等学校への統合も視野に入れて引き続き検討を進めます。 目次へ戻る
(2)鈴鹿、亀山地域
平成17年度、神戸高等学校商業科を募集停止とし、理数科を1学級から2学級としました。また、白子高等学校に文化教養(吹奏楽)コースを設置するとともに、生活国際科を生活創造科に改編しました。今後は、地域の普通科高等学校の特色化・魅力化について検討を進めます。
また、外国人生徒の高等学校への進学が増えるなど、社会の変化に伴う新しい課題に対応するために、抜本的な改革が必要であることから、神戸高等学校定時制と亀山高等学校定時制については、平成23年度を目途に飯野高等学校に統合・併設し、全日制の教育内容の一層の充実を図りつつ、定時制の生徒もともに学ぶことができるような学校づくりについて、「協議会」においても検討を進めます。目次へ戻る
(3)津地域
平成18年度、津工業高等学校土木科と建築科を建設工学科に改編しました。また、白山高等学校普通科、普通科福祉・情報コース、商業科を普通科2学級、情報コミュニケーション科1学級に改編しました。 今後は、平成17年度末に出された「久居・一志地域高等学校再編活性化推進協議会報告書」を踏まえて、連携型中高一貫教育の充実を図りつつ、教育内容の一層の魅力化を図ることとします。目次へ戻る
(4)伊賀地域
平成17年度、上野工業高等学校建築科とインテリア科を住環境工学科に、上野商業高等学校商業科と情報経済科を情報ビジネス科に改編しました。平成18年度、上野農業高等学校生物科学科、環境土木科、食品化学科を食農科学科、景観園芸科に改編しました。
平成21年度、農業、工業、商業、福祉の4つの専門学科を有する新しいタイプの総合専門高等学校を新設し、学科の枠を越えて幅広い専門領域を学ぶことのできる、地域の専門教育の拠点として魅力化を図っていきます。
なお、伊賀地域においては、平成23年3月には平成19年3月より300人程度の減少が見込まれるなど、今後も中学校卒業者数の減少が続きます。名張西高等学校と名張桔梗丘高等学校については、普通科の配置の観点から検討するとともに、あけぼの学園高等学校、上野高等学校定時制、名張高等学校定時制を含めた伊賀地域全体の高等学校の在り方について引き続き検討を進めます。
また、通信制課程の協力校を設置することについて検討します。目次へ戻る
(5)松阪地域
平成18年度、松阪工業高等学校と伊勢工業高等学校の工業化学科を松阪工業高等学校に統合しました。
宮川高等学校と相可高等学校は、平成22年度を目途とする統合に向けた検討を進め、地域の県立高等学校として一層の魅力化を図ります。
なお、飯南高等学校は、連携型中高一貫教育の成果の検証やコミュニティ・スクールの研究を進めるとともに、1学年2学級の維持が困難となった場合の地域における高等学校の在り方について、分校化も視野に入れて引き続き検討します。
また、地域における高等学校定時制課程及び通信制課程の在り方について引き続き検討します。目次へ戻る
(6)南勢志摩地域
平成17年度、鳥羽高等学校の普通科を廃止し、県内8校目の総合学科を新設しました。
平成19年度から南伊勢高等学校南島校舎の募集を停止し、平成20年度には、南島校舎と南勢校舎を統合するとともに、度会校舎との一体性を強めるなど、校舎制の機能を高めます。また、南勢校舎が南勢中学校と実施している連携型中高一貫教育の成果を検証しつつ、引き続きその在り方について検討します。
なお、南勢志摩地域においては、平成23年3月には平成19年3月より200人程度の減少が見込まれるなど、今後も中学校卒業者数の減少が続くことから、中学生の進路希望状況や入学者選抜の状況等を踏まえつつ、南伊勢高等学校、鳥羽高等学校、志摩高等学校、及び水産高等学校について、中長期的な視野に立った適正配置と活性化策を検討します。
また、平成17年度、鳥羽高等学校定時制を伊勢まなび高等学校に統合し、伊勢まなび高等学校を中心とする定通ネットワークについて「協議会」で検討してきました。今後は、近隣地域の高等学校定時制課程及び通信制課程の在り方を含め、定通ネットワークについて検討します。目次へ戻る
(7)東紀州地域
平成20年度から尾鷲高等学校長島校の募集を停止しました。今後は、地域の高等学校としての活性化策を地元学校関係者と検討を進め、尾鷲高等学校の魅力化を図ります。
平成19年6月、紀南高等学校をコミュニティ・スクールに指定しました。今後は、平成17年度末に「協議会」から出された「紀南地域県立高等学校の再編活性化に向けて(最終まとめ)」を踏まえ、地域の高等学校の特色化・魅力化を進めます。
なお、通信制課程の協力校を設置することについて検討するとともに、小規模夜間定時制については、地域の全日制高等学校や定通ネットワークの在り方等も視野に入れ、統廃合を含めて引き続き検討を進めます。 目次へ戻る
5 その他
「基本計画」は、平成14年度から平成23年度を計画期間としています。この間、中学校卒業者数は、約3,500人と大幅な減少があり、適正規模を1学年3学級から8学級とし、県立高等学校の適正規模化に努めてきました。平成24年度以降の県全体の中学校卒業者数は、年毎に100人~500人程度の増減を繰り返しますが、平成23年度から平成27年度の間に、100人程度増加する地域、200人程度減少する地域があるなど、その状況は地域により異なります。
現在、各地域に「協議会」を設置し、当該地域の県立高等学校の活性化について、地域の保護者や中学校関係者と協議を進めることで、県立高等学校と地域が一体となった活動が生まれています。また、県立高等学校の再編活性化については、「三重県教育改革推進会議」(注14参照)等の場でも今後の方向性も含め協議を進めます。時代の変化に対応し、県民に信頼される学校となるように、県教育委員会は、各県立高等学校の独自性を大切にし、特色化・魅力化の取組を支援します。
なお、高等学校においても、障がいのある生徒の特性に対する理解を進め、校内支援体制を整備することが必要であり、地域の中学校や特別支援学校との連携を密にし、生徒一人ひとりの実態に応じたきめ細かな指導を行っていきます。 目次へ戻る
注1 定通ネットワーク
定時制課程(昼間部、夜間部)及び通信制課程を置く独立校を拠点とし、周辺の学校との連携を推進することにより、拠点校の機能を多くの生徒が共有できるようにするシステム。本文へ戻る
注2 三重県型「学校経営品質」
教職員の対話を重視しながら、学習者等の視点に立って、目指す学校像を描き、その実現に向け、現状を診断し、継続的な改善を進める本県独自の取組。本文へ戻る
注3 特別支援学校
児童生徒の障がいの重複化や多様化をふまえ、障がい種別を超えた学校として設置を可能とするとともに、地域において小中学校等に対する教育上の支援に取り組むなど、地域の特別支援教育のセンター的役割を担う学校。本文へ戻る
注4 統廃合の際の在校生
一般的には、学校が統廃合となる場合、原則として、在校生が卒業するまでの間、学校は存続することになる。本文へ戻る
注5 連携型中高一貫教育
既存の市町村立中学校と都道府県立高等学校が、教育課程の編成や教員・生徒間交流等の連携を深める形で中高の一貫した教育を展開するものである。中高一貫教育校には、このほかに、一つの学校として、6年間一体的に中高一貫教育を行う中等教育学校と、中等教育学校よりも緩やかな設置形態であり、高等学校入学者選抜を行わずに、同一の設置者が中学校と高等学校を接続する併設型中高一貫教育校の2つの種類がある。本文へ戻る
注6 系列
総合学科の教育課程は、高等学校の必修科目、原則履修科目、総合選択科目及び自由選択科目から構成されることになっており、そのうち、・麹≡I択科目の開設にあたっては、「生徒にある程度のまとまりのある学習を可能にするとともに、生徒自身の進路の方向に沿った科目履修ができるようにするため、体系制や専門性等において相互に関連する総合選択科目によって構成される科目群としてまとめて開設すること」とされており、これを系列と呼んでいる。本文へ戻る
注7 キャリア教育
児童生徒が、自らの進路を選択・決定し、将来、変化の激しい社会の中でさまざまな環境に適応し、その人生の役割を果たすために必要な意欲や態度・能力を育成していく教育であり、小学校段階から全ての学校教育において取り組む必要がある。キャリア教育において育成する能力には人間関係形成能力(自他の理解、コミュニケーション力)、情報活用能力(職業の理解、情報収集・探索力)、将来設計能力(計画実行力、自己の役割把握)、意思決定能力(比較検討・選択、課題解決力)があり、職場体験やインターンシップ等地域の教育力を活用した取組は効果的手段であると考えられている。本文へ戻る
注8 連携併修
通信制課程を置く高等学校の連携校となった定時制課程を置く高等学校が自校の生徒に対して自校で通信教育を行うシステム。定時制で学ぶ生徒にとって、自校で通信教育が受けられることにより、通信制課程で修得した単位を卒業単位に加えることができる。本文へ戻る
注9 通信制課程の協力校
通信制課程を置く高等学校が行う通信教育について協力する高等学校。地理的な制約等により、通信教育を受けにくい生徒が、居住地域に近い高等学校で通信教育を受けることが可能となる。本文へ戻る
注10 三重県地方産業教育審議会
産業教育振興法第11条に基づき、三重県地方産業教育審議会条例により設置。産業界や教育界の学識経験者等10人の委員からなり、本県産業教育の振興や教育の内容及び方法の改善について審議を行うもので、平成18年3月に「本県職業教育の改善・充実について(審議のまとめ)-「力」と「志」を持った職業人の育成-」が出された。本文へ戻る
注11 日本版デュアルシステム
産業界と専門高等学校等が連携し、企業での連続した実習や年間を通じた実習をとおして専門的な知識や技術・技能を身につけ、望ましい勤労観や職業観を育成する職業訓練システム。本文へ戻る
注12 インターンシップ
生徒が、在学中に企業等において自らの学習内容や将来の進路等に関連した就業体験を行うことである。正規の学校教育活動のひとつであり、単位として認定することも可能である。
高等学校学習指導要領において、「学校においては、就業体験の機会の確保について配慮する」旨が明記されており、農業や工業等職業教育に関する教科・科目の指導にあたっては、就業体験を積極的に取り入れることが規定されている。本文へ戻る
注13 学校評議員
校長の推薦により教育委員会が委嘱する。学校外の有識者、関係機関・青少年団体等の代表者、保護者等広い範囲から選ばれ、校長の求めに応じて学校運営に対して意見を述べることができる。本文へ戻る
注14 三重県教育改革推進会議
平成19年7月に三重県教育改革推進会議条例により設置。学識経験者、教育関係者等20人以内の委員からなり、三重の教育改革に関する重要な事項等について調査審議する。本文へ戻る