杉の子特別支援学校
1 学校の概要
- 本校
住所:鈴鹿市加佐登三丁目2番2号
全校児童生徒数:小学部32名、中学部44名、高等部8名 (平成28年度) - 石薬師分校
住所:鈴鹿市石薬師町字寺東452番地
全校生徒数:高等部92名 (平成28年度)
2 テーマ
地域等と連携した防災訓練
3 取組概要
杉の子特別支援学校は、鈴鹿市・亀山市在住の知的障がいの児童生徒と国立病院機構鈴鹿病院に入院する肢体不自由の児童生徒が通学しています。全校児童生徒の7割以上が4台のスクールバスを利用して通学しています。平成26年度から、スクールバス乗車時に災害が起きた時を想定した引き渡し訓練を行ってきました。平成28年度は、スクールバス以外の方法で通学する児童生徒の安全確認についても訓練として取り組みました。各スクールバスには、運転手と添乗員2名が乗車しており、緊急時にはあらかじめ決められた引き渡し場所に向かい、そこで引き渡しを行うことにしています。バスを停車する商業施設等や保護者の協力が不可欠です。繰り返し訓練を行うことで、安全にスムーズな引き渡しができるようになってきました。平成27年度より三重大学大学院工学研究科川口淳准教授に助言をいただき取組を行っています。
4 具体的な取組
下校時における災害対応訓練【スクールバスからの引き渡し訓練について:抜粋】
- 日時:平成28年11月9日
- 目的:
- 災害時に児童生徒の安否確認を行う方法を確認する。
- 災害時のスクールバス引き渡しがスムーズに行えるように、職員・保護者の理解を深め、防災意識を高める。
- マニュアル通りにスクールバスからの引き渡しを行い、それぞれの立場でどのように動けばよいか確認する。
- 対象:スクールバスを利用している児童生徒
- 場所:4台のスクールバスそれぞれのあらかじめ決められた引き渡し場所
- 想定:
- 15:30に震度6強の地震が発生。
- 津波警報は発表されている。
- 公共交通機関は一旦停まっている。
- 市内の多くは停電し信号はところどころ機能していない。
- 自販機やブロック塀が倒れている。
- 訓練内容:
- 地震発生を添乗員がスクールバス乗車児童生徒に伝える。
学校では災害対策本部を立ち上げる。 - 学校からスクールバスに電話をかけ、バスの現在地、乗車児童生徒の人数、状態を聞き取る。
引き渡し場所を指示し、引き渡し場所に向かうように伝える。 - 一斉メールで保護者に引き渡しの連絡をする。
- 引き渡し場所に到着後、添乗員から保護者に児童生徒を引き渡す。
保護者を確認、引き渡し時間を記録。津波への注意喚起の紙を渡す。
*学校から職員が現場に向かうが、引き渡しの保護者対応は添乗員が行う。
- 地震発生を添乗員がスクールバス乗車児童生徒に伝える。
- 取組の様子
- 成果と課題:
昨年度の訓練の後、一つひとつの課題を解決するために取組を進めていった。その結果、引き渡し現場で対応した添乗員も落ち着いて引き渡しができ、対策本部もスムーズに運営することができた。実際の災害時には、引き渡したのちの安否確認も重要である。今後は、様々な場合を想定したマニュアルを作成していく必要がある。
訓練に参加した保護者の満足度は高く、学校と家庭、地域が連携した取り組みを引き続き行うことが重要であると感じた。また、4台のスクールバスとの情報共有に加え本校と分校が連絡を取り合う必要もあり、連絡方法について、今後も検討が必要である。
5 その他
訓練の様子が中日新聞(鈴鹿亀山版 平成28年11月11日)に掲載されました。