産業功労者表彰
産業功労者表彰は、事業活動または団体活動を通じ、市場の開拓や拡大、産業界の人材育成、雇用の拡大等により三重県の産業振興に寄与し、功績顕著な方を表彰することにより本人の功労を讃え、多年の努力に報いるとともに、次代を担う産業者に対し志気の高揚を図ることを目的として昭和60年に創設されたものです。
令和6年度(第40回)受章者
受章者は、次の6名の方々です。(敬称略)
農林水産業部門
大野 博司(おおの ひろし) 鈴鹿市
<事績概要>
氏は、昭和五十五年に就農後、精力的に茶園の規模拡大に取り組み、平成十八年には氏を含む三戸で、大規模製茶工場を有する「株式会社ささら」を設立して、その代表取締役に就任し、離農する農家の茶園を引き受け荒廃地化を防止したほか、地域でいち早くGAP(農業生産工程管理)を導入して茶の高品質化・高付加価値化を実践し、地域のリーダー・先進的なモデルとして地域の活性化に大きく貢献した。
また、長年にわたり、先端技術を積極的に導入して作業効率の向上や省力化を図ることで、地域における先駆的な役割を果たし、茶園の構造改革に尽力した。
さらに、新規就農者等の技術の習得を支援するとともに、女性が働きやすい環境づくりにも取り組み、若者や女性の活躍を推進した。
商工業部門
伊藤 忠(いとう ただし) 鈴鹿市
<事績概要>氏は、鈴鹿墨に関して、伝統的技術・技法を駆使し、発色がよく基線とにじみが調和した墨を考案する等、個性的・独創的な製品を生み出し続け、新たな顧客やターゲットを確立するなど、貴重な伝統的工芸産業の維持・発展に貢献している。
さらに、鈴鹿墨を継承していくために後継者育成に取り組むとともに、鈴鹿市の教育事業として市内小学校に出向き、出前講座を実施することで、若年層における鈴鹿墨への関心を高めることに尽力している。
また、ウクライナ情勢の悪化を憂慮し、同国旗の色を模した「ウクライナ支援墨」を販売し、その売り上げの半分を避難民の支援のため、鈴鹿市に寄託した。
岩佐 憲治(いわさ けんじ) 亀山市
<事績概要>氏は、亀山商工会議所の会頭就任以来、リニア中央新幹線亀山中間駅の設置に関する誘致活動について、関係機関と連携し、尽力した結果、県及び市町等で構成するリニア中央新幹線建設促進三重県期成同盟会が、亀山市内3カ所の駅候補地について、JR東海へ要望するに至った功績は非常に大きい。
さらに、全国で唯一の市民レベル組織であるリニア中央新幹線・JR複線電化推進亀山市民会議の副会長として、次代を担う子ども達のための学習会をはじめ、駅誘致に関する市民の気運熟成に向けた活動を展開している。
また、亀山急送株式会社においては代表取締役として、社業の発展に務め、地域を代表する企業へと育成した。
森 一葉(もり いちよう) 鈴鹿市
<事績概要>氏は、三重県自転車協同組合において、28年間の永きにわたり常に組合の中枢にあって、適正で堅実な組合運営に努めるとともに、組合員の経済的地位の向上に取り組み、自転車販売業界の振興発展に尽力している。
さらに、人材育成として、組合員への自転車安全整備士・自転車技師資格取得を推進し、地域研修会を行うなど教育情報事業の充実強化を図り、適切な指導とリーダーシップを発揮している。
また、三重県中小企業団体中央会理事として、県下中小企業の組織化及び中小企業組合の活性化の推進を通じて、中小企業及び中小企業連携組織の振興発展に寄与している。
観光部門
浮田 和貴(うきた かずき) 四日市市
<事績概要>氏は、1987年に伊賀忍者特殊軍団「阿修羅」を立ち上げ、伊賀流忍者博物館において、より多くの方々が忍者文化を理解できるよう、国籍、年齢等に合わせた独自の忍術公演を年間1200回実施している。
また、忍者の聖地としての三重県伊賀市を世界に広めたいという志をもって「みえの国 観光大使」および「伊賀市観光大使」に就任し、三重県や伊賀市からの公演依頼に積極的に応えている。
さらに、海外への忍者文化の発信にも力を注いでおり、三重県が海外プロモーションとして出展した「桜寄贈100周年記念事業・全米桜まつり」に出演。現地で大好評を得たことを契機に、海外からの公演オファーも多数受けるようになり、「伊賀忍者」を観光コンテンツとして定着させることに尽力した。
寺田 順三郎(てらだ じゅんざぶろう) 鳥羽市
<事績概要>氏は、老舗旅館「戸田家」を営む中で、社内託児所の設置など福利厚生を充実させるとともに、外国人や体の不自由な方の雇用拡大にも取り組み、お客様はもちろん、従業員の喜びと幸せへの関心も非常に高い。
また、鳥羽市観光協会の会長に就任した際、新型コロナウイルスで疲弊する観光業界を活性化するため、観光施設等で使用できる「鳥羽たびおとクーポン」を発行したほか、答志島トロさわらの「三重ブランド」の認定に尽力し、伊勢志摩地域のブランド価値の向上に大きく貢献した。
さらに、観光庁の「地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業」にも、伊勢志摩地域にある他市観光協会に参加を呼びかけて積極的に取り組み、地域全体の高付加価値化に尽力した。