三重県情報公開審査会 答申第423号
答申
1 審査会の結論
実施機関は本件審査請求に係る本件部分開示決定において道路使用許可申請書の申請者及び現場責任者の氏名を非開示とした部分を取り消し、開示すべきである。
2 審査請求の趣旨
審査請求の趣旨は、開示請求者が平成26年7月28日付けで三重県情報公開条例(平成11年三重県条例第42号。以下「条例」という。)に基づき行った「津まつりの際、津市内の道路を占有してなされる屋台・露店の出店に関する道路使用許可申請と許可証に関するすべての情報」等についての開示請求に対し、三重県警察本部長(以下「実施機関」という。)が平成26年9月5日付けで行った公文書部分開示決定(以下「本決定」という。)の取消しを、実施機関の上級庁である三重県公安委員会(以下「諮問庁」という。)に求めるというものである。
3 本件対象公文書及び本件非開示部分について
本件審査請求の対象となっている公文書(以下「本件対象公文書」という。)は、津まつりに際して実施機関に提出された313件の道路使用許可申請書である。そして、本件対象公文書において、実施機関が非開示とした情報であって、審査請求人が開示を求めている情報は、申請者の氏名(津商工会議所青年部提出分を除く。)及び現場責任者の氏名(以下「本件非開示部分」という。)である。
4 審査請求人の主張要旨
審査請求人の主張を総合すると、次の理由により、本決定は妥当ではなく、本件非開示部分を開示するべきというものである。
京都府警察本部長は、祇園祭に露天商出店のために提出された道路使用許可申請書の申請者の住所欄と氏名欄のみならず、現場責任者の氏名欄を全て公開している。兵庫県警察本部長についても、姫路ゆかたまつりに出店した露店商の道路使用許可申請書の申請者の住所欄と氏名欄のみならず、現場責任者の氏名欄を全て公表している。京都府警や兵庫県警の対応と比較しても、三重県警察本部の対応は、国民が住む場所によって、祭りの際の道路占有をしている露店業者の責任者氏名を知ることすらできない不平等な扱いを受けるものであり、憲法第14条が定める平等原則に反する違法な対応である。
一般に「津まつり」のような祭礼・イベント等において、個人が露店等を出店し、飲食物の提供、物品の販売及び役務の提供を行おうとする行為は、それが個人の趣味・娯楽に類するもの等純然たる個人の私的行為であることが書面上明らかに認められるなどの特段の事情がない限りは、個人による「事業活動」の一環としての行為と捉えるのが社会通念上相当である。
そして、本件においては、そのような特段の事情が認められないことから、本件対象公文書における申請者は本号における「事業を営む個人」に当たることは明らかであり、その氏名についても、その名を持って事業を行うものの氏名であるから、「事業を営む個人の当該事業に関する情報」にほかならないものと解される。
本件道路使用許可の申請書は、露店商エリアと津商工会議所エリアに区分されている。それぞれが、一括申請であるから、津商工会議所エリア(津商工会議所青年部提出分)以外は、露店商の元締めの提出分であり、現場責任者は、全て露店営業者であると判断できる。
本件非開示部分は、個人の氏名であることから、当該個人の私事に関する情報としての側面も有する。しかし、当該情報は、津まつりに露店等を出店する者の氏名という社会生活上の意味合いが大部分を占め、私事に関する側面が、事業を営む個人としての側面に勝るとは言えない。したがって、本件非開示部分はこれを公にしたとしても、当該個人の私生活上の権利利益を害するおそれがあるとは認められない。また、現場責任者について、諮問庁は被雇用者であることも考えられると説明するが、現場で火器や商品を扱う責任者であるから、名前は個人かもしれないが、個人営業者であり、店主と同視し得る情報である。
諮問庁は、露店商と暴力団とのつながりがあるとみている風潮が存在し、露店商の住所や氏名を公にした場合、その子どもがいじめにあうなど、「公にすることにより当該個人の私生活上の権利利益を害するおそれがある」などと主張しているが、失当である。的屋とは、古来伝統の商業集団であり、暴力団ではない。また、三重県は三重県暴力団排除条例が制定されており、実施機関は本件道路使用許可申請に暴力団関係者が入っていないかを確認したうえで許可をなしていなければならない。「露店商の名前を公表すれば、三重県民から暴力団関係者ではないかと誤解を受けるかもしれない」ということは、暴力団排除を徹底して行っておらず、三重県暴力団排除条例を実践していないことを自認するに等しく、三重県民の三重県警察本部に対する大きな信頼を裏切るもので、到底、容認することはできないものである。暴力団関係者が的屋として道路使用許可を取るのを未然に防止し、的屋の集団から暴力団を排除するのが実施機関の役割である。「露天商と暴力団とのつながりがあるとみている風潮が存在する」との当該風評を払しょくできないのは、本件的屋の元締め情報を完全秘匿し、露店商元締めとの「もちつもたれつの関係」を維持しているのが、津警察署の生活安全課に引き継がれている悪習であることを自認する弁解でしかない。
本件情報公開請求は、津まつりの安心安全な運営体制の実現と、露店商における暴力団排除が実施機関のもとでどのように実効性のある施策として行われているかを検証し、市民として意見を具申するために必要な情報であり、本条例第10条に規定する公益上の理由による裁量的開示に該当するから、公開されなければならないものである。
5 諮問庁の説明要旨
諮問庁の主張を総合すると、次の理由により、本決定が妥当というものである。
(1) 条例第7条第2号該当性について
条例第7条第2号は、「個人に関する情報であって特定の個人が識別され得るもの」については、非開示となる旨を定めている。
三重県情報公開条例の解釈及び運用(以下「解釈及び運用」という。)によると、「特定の個人が識別され得るもの」とは、「氏名その他の記述等それ自体として、当該情報に係る個人が誰であるかを識別させることとなる情報だけでなく、氏名その他の記述等によって識別された特定の個人情報の全体である。」と定義している。
本件対象公文書のうち、津商工会議所青年部長名で申請された道路使用許可申請書は、書面から法人が露店を出店していることが認められたが、現場責任者の氏名については、責任の所在を明確にした個人識別情報であることから非開示とした。また、個々に申請された道路使用許可申請書に記載された申請者及び現場責任者の氏名は、屋号、役職名等の記載もなく、個人の氏名が記載されているのみであり、これらもまた、個人識別情報であるといえる。
また、当該氏名は、同号ただし書の「法令若しくはほかの条例の規則により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報」又は「人の生命、身体、健康、財産、生活または環境を保護する為、公にすることが必要であると認められる情報」にも該当しない。
仮に、本件対象公文書の現場責任者が「事業を営む個人」である場合であっても、以下の理由により開示されるべきではないと思料する。
解釈及び運用には、「『当該事業に関する情報』とは、事業内容、事業所、事業用資産、事業所得等に関する情報をいい、当該事業活動と直接関係のない個人に関する情報(例えば、事業を営む個人の家庭状況等)は本号に該当せず、2号の個人情報となる。」とある。
したがって、例えば、○○商店こと甲野乙男のように屋号を持って個人事業を表示している場合、○○商店という屋号は「当該事業に関する情報」であるが、甲野乙男の氏名は条例第7条第2号の個人識別情報である。
なお、本件非開示部分である現場責任者の氏名については、必ずしも当該事業を営む個人が記載することを要件としておらず、「事業を営む個人」であるのか、事業を営む個人に雇用されている法人等の構成員であるのかを本件対象公文書から判別することができるとは限らない。「事業を営む個人」に雇用されている法人等の構成員は、「事業を営む個人」には該当しないことから、本件非開示部分を公にすることは、当該個人の私生活上の権利利益を害するおそれがある。
また、解釈及び運用には、「『事業を営む個人の当該事業に関する情報』については、条例第7条第3号(法人情報)で判断するため本号から除外している。ただし、当該情報を公にすることにより、事業を営む個人の権利利益を害するおそれがある場合には、本号で非開示にし得る。」と解説されている。
「露店商」は「テキヤ」とも呼称され、暴力団とのつながりが世間で言われ、反社会的であるとする印象が世の中に蔓延していると認められる。そのような風潮がある中で、露店商の住所や氏名を公にした場合、例えばその子どもが学校でいじめを受けるおそれがあり、露店商であることを他人に知られたくないと思っている人が存在する可能性を否定できない。したがって、当該個人が事業を営む個人である露店商であっても、露店商に雇われた個人の場合であっても、「当該情報を公にすることにより、事業を営む個人の権利利益を害するおそれがあるもの」に該当する。
(2) 条例第7条第3号該当性について
仮に本件非開示部分を条例第7条第3号(法人情報)で検討したとしても、例えば、一部の露店商が、爆発事故を惹起させたことや、暴力団などの反社会的勢力との関係があること等を理由として、露店商全体を社会悪と捉え、道路使用許可申請そのものを制限するべきと主張する者がいることも否定できず、開示することにより、申請者や現場責任者の名誉、社会的評価、社会活動の自由等が損なわれるおそれは十分あると認められる。また本件非開示部分である現場責任者の氏名は、条例第7条第3号ただし書にも該当しない。
(3) その他
山口県情報公開審査会の答申(平成25年答申第46号)では、許可申請者の住所、氏名及び印影並びに現場責任者の住所、氏名及び電話番号は、いずれも条例に規定する個人に関する情報であり、非開示が妥当であると実施機関と同様の判断がなされている。
6 審査会の判断
(1)基本的な考え方
条例の目的は、県民の知る権利を尊重し、公文書の開示を請求する権利につき定めること等により、県の保有する情報の一層の公開を図り、もって県の諸活動を県民に説明する責務が全うされるようにするとともに、県民による参加の下、県民と県との協働により、公正で民主的な県政の推進に資することを目的としている。条例は、原則公開を理念としているが、公文書を開示することにより、請求者以外の者の権利利益が侵害されたり、行政の公正かつ適正な執行が損なわれたりするなど県民全体の利益を害することのないよう、原則公開の例外として限定列挙した非開示事由を定めている。
当審査会は、情報公開の理念を尊重し、条例を厳正に解釈して、以下のとおり判断する。
(2) 条例第7条第2号(個人情報)の意義について
個人に関する情報であって特定の個人を識別し得るものについて、条例第7条第2号は、一定の場合を除き非開示情報としている。これは、個人に関するプライバシー等の人権保護を最大限に図ろうとする趣旨であり、プライバシー保護のために非開示とすることができる情報として、個人の識別が可能な情報(個人識別情報)を定めたものである。
しかし、形式的に個人の識別が可能であれば全て非開示となるとすると、プライバシー保護という本来の趣旨を越えて非開示の範囲が広くなりすぎるおそれがある。
そこで、条例は、個人識別情報を原則非開示とした上で、本号ただし書により、個人の権利利益を侵害しても開示することの公益が優越するため開示すべきもの等については、開示しなければならないこととしている。
(3) 条例第7条第2号(個人情報)の該当性について
本件非開示部分は、道路使用許可申請の申請者及び現場責任者の氏名である。これら氏名について、審査請求人は、当該道路使用許可申請は事業のために申請されたものであり、申請者の氏名は「事業を営む個人の当該事業に関する情報」として条例第7条第2号の個人情報から除外されるべきであるとし、現場責任者の氏名についても、現場で露店を管理する責任者の氏名であり、「事業を営む個人の当該事業に関する情報」として同条同号から除外されるべきであると主張する。他方、諮問庁は、申請者の氏名について、屋号等が記載されていないことから個人の氏名であり、仮に申請者が事業を営む個人であったとしても、申請者が法人等の構成員であるかどうかは申請書の記載内容から把握できず、事業を営む個人とは断定できないと説明している。また、現場責任者の氏名についても、道路使用許可申請の現場責任者が事業を営む個人であるか否かについては問うておらず、事業を営む個人に雇用されている法人等の構成員である可能性も存在することから、現場責任者の氏名が一概に「事業を営む個人」であるとはいえないとして、同号の個人情報から除外することを否定している。
これら両者の主張から、主たる争点は、本件非開示部分が「事業を営む個人の当該事業に関する情報」に該当するか否かであると判断できるため、以下において当該争点について検討する。
ア 「事業を営む個人の当該事業に関する情報」の趣旨
本号は、「事業を営む個人の当該事業に関する情報」については、これを個人情報から除外し、条例第7条第3号(法人情報)で判断することとしている。これは、「事業を営む個人の当該事業に関する情報」は、個人に関する情報ではあるものの、当該事業に関する情報としての側面が強いため、法人等に関する情報と同様の要件により非開示情報該当性を判断することが適当であることから、本号の個人情報からは除外しているものと解される。
ただし、事業を営む個人の当該事業に関する情報であっても、例外的に「公にすることにより当該個人の私生活上の権利利益を害するおそれがあるもの」については非開示とすることができるとされている。これは、事業を営む個人の当該事業に関する情報であっても、同時に当該個人の私事に関する情報の側面もあり、同側面の方が、明らかに大きいような場合にはこれに該当すると解される。
イ 本件非開示部分は「事業を営む個人の当該事業に関する情報」に該当するか
道路使用許可は、道路本来の通行目的以外でやむを得ない道路の使用について、その対象とすることにより、適法な道路の使用に努めることを目的に、道路交通法(昭和35年法律第105号)第77条において定められた許可制度である。そして、同条第1項各号において、道路使用許可の対象として、道路工事や工作物の設置のほか、祭礼、各種イベント等での使用等の行為が列挙されているが、これら道路使用許可の対象となる行為は、その目的、態様ともに様々であることから、その全ての行為が一概に「事業」に関する行為と評価できるわけではない。
しかし、本件対象公文書は、津まつりの際に津市内の道路を占用してなされる屋台・露店の出店に関し、実施機関に提出された道路使用許可申請書313件であるところ、同文書において実施機関が開示した部分のうち、「道路使用の目的」欄には、津まつりに際し道路を使用する旨記載され、「方法又は形態」欄には、露店・屋台等の形式と推察される「組立式」との表記があるものや、「物販」又は「お好み焼き」といった当該露店等において提供されると推察される役務の種類や具体的な飲食物、物品等が記載されていることが確認できる。それゆえ、本件対象公文書は、種々の使用目的・行為からなる道路使用許可申請書ではなく、「津まつり」に際して道路に露店等を出店することを目的に提出された道路使用許可申請書に限定し特定されたものであると認めることができる。
(ア)申請者の氏名について
当該露店等の出店者である本件対象公文書の申請者が「事業を営む個人」に該当するかを見るに、この点に関し諮問庁は、本件対象公文書の申請者は必ずしも露店商等の代表者の氏名とは限らず、露店商に雇われた個人の氏名である可能性も存在することから、「事業を営む個人」とは限らない旨主張している。
しかし、一般に、本件における「津まつり」のような祭礼・イベント等において、個人が露店等を出店し、飲食物の提供、物品の販売及び役務の提供等を行おうとする行為は、純然たる個人の私的行為であることが書面上明らかに認められるなどの特段の事情がない限りは、個人による「事業活動」の一環としての行為と捉えるのが社会通念上相当である。
そして、本件においては、そのような特段の事情が認められないことから、本件対象公文書における申請者の氏名は、本号における「事業を営む個人」に当たることは明らかであり、その氏名についても、その名をもって事業を行う者の氏名であるから、「事業を営む個人の当該事業に関する情報」に他ならないものと解される。
(イ)現場責任者の氏名について
本件非開示部分における現場責任者の氏名は、実施機関が主張するように必ずしも露店の代表者を記載するように求められておらず、露店出店者に雇用された単なる従業員の氏名が記載されている可能性も否定できないことから、現場責任者がただちに「事業を営む個人」に該当するわけではない。しかし、現場責任者の氏名は、その性質から、道路使用の現場全体を管理する者の氏名を示したものであり、少なくとも当該道路使用許可を受けて出店した露店や屋台等について管理する権限を持つ者の名称と評価できる。よって、本件非開示部分である現場責任者は本号における「事業を営む個人」と同視できる立場の個人と認められるから、その氏名についても、その名をもって事業を行う者の氏名と同視し得るから、「事業を営む個人の当該事業に関する情報」と同様の開示判断をするものと解される。
ウ 本件非開示部分は公にすることにより私生活上の権利利益を害するおそれがあるか
本件非開示部分は、個人の氏名であることから、事業を営む個人としての側面と当該個人の私事に関する情報としての側面も有する。しかし、本件対象公文書における当該情報は、津まつりに出店した露店等の申請者の氏名及び現場責任者の氏名という社会生活上の意味合いが大部分を占め、私事に関する側面が、事業を営む個人としての側面に勝るとはいえない。
したがって、本件非開示部分は、これを公にしたとしても、当該個人の私生活上の権利利益を害するおそれがあるとは認められず、「事業を営む個人の当該事業に関する情報」として、条例第7条第3号(法人情報)で判断することとなる。
(4)条例第7条第3号(法人情報)の意義について
本号は、自由主義経済社会においては、法人等又は事業を営む個人の健全で適正な事業活動の自由を保障する必要があることから、事業活動に係る情報で、開示することにより、当該法人等又は当該個人の競争上の地位その他正当な利益が害されると認められるものが記録されている公文書は、非開示とすることができると定めたものである。
しかしながら、法人等に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であっても、事業活動によって生ずる危害から人の生命、身体、健康又は財産を保護し、又は違法若しくは不当な事業活動によって生ずる影響から県民等の生活又は環境を保護するため公にすることが必要であると認められる情報及びこれらに準ずる情報で公益上公にすることが必要であると認められるものは、ただし書により、開示が義務づけられることになる。
(5) 条例第7条第3号(法人情報)の該当性について
ア 申請者の氏名について
諮問庁は、一部の露天商が反社会勢力と関係があること等を理由として露店商を社会悪と捉え、道路使用許可申請そのものを制限すべきと主張する者が現れることや、申請者の名誉、社会的評価及び社会活動の自由が損なわれるおそれが十分あると主張する。しかし、本件非開示部分である申請者の氏名は、当該個人が、津まつりに際して露店、屋台等を出店するため、道路使用許可申請を行ったことを示す情報にすぎず、諮問庁が主張するおそれがあるとまでは認められない。
イ 現場責任者の氏名について
諮問庁は、現場責任者の氏名についても、一部の露天商が反社会勢力と関係があること等を理由として露店商を社会悪と捉え、道路使用許可申請そのものを制限すべきと主張する者が現れることや、現場責任者の名誉、社会的評価及び社会活動の自由が損なわれるおそれが十分あると主張する。しかし、本件非開示部分である現場責任者の氏名は、津まつりに際して出店した露店、屋台等の現場責任者を示す情報にすぎず、諮問庁が主張するおそれがあるとまでは認められない。
したがって、本件非開示部分を公にしても、当該事業を営む個人の競争上の地位又はその他正当な利益を害するものとは認められず、本件非開示部分を非開示とした実施機関の判断は妥当ではない。
(6) 審査請求人のその他主張について
審査請求人及び諮問庁とも他自治体における開示及び非開示判断の妥当性や、条例第10条の公益上の理由による裁量的開示の該当性等種々の主張をしているが、当審査会における判断は上記のとおり本件非開示部分は条例第7条第2号の個人情報から除外され、なおかつ同条第3号にも該当しないというものであるため、これらの主張については、当該判断に影響を及ぼすものではなく判断は行わない。
(7)結論
よって、主文のとおり答申する。
7 審査会の処理経過
当審査会の処理経過は、別紙1審査会の処理経過のとおりである。
_別紙1
審査会の処理経過
年 月 日 | 処理内容 |
---|---|
27. 9.26 |
・諮問書の受理 |
27. 9.29 | ・諮問庁に対して理由説明書の提出依頼 |
27.10.27 | ・理由説明書の受理 ・審査請求人に対して理由説明書(写)の送付、意見書の提出依頼及び口頭意見陳述の希望の有無の確認 |
27.10.28 |
・審査請求人からの口頭での意見陳述申出書受理 |
27.11.12 | ・審査請求人からの意見書受理 |
27.11.13 | ・諮問庁に対して意見書(写)の送付 |
27.12. 2 |
・書面審理 (平成26年度第5回A部会) |
27. 1.20 |
・審議 (平成26年度第6回A部会) |
三重県情報公開審査会委員
職名 | 氏名 | 役職等 |
---|---|---|
※会長 |
早川 忠宏 |
三重弁護士会推薦弁護士 |
会長職務代理者 | 川村 隆子 | 名古屋学院大学経済学部准教授 |
※会長職務代理者 | 竹添 敦子 | 三重短期大学教授 |
※委員 | 岩﨑 恭彦 | 三重大学人文学部准教授 |
※委員 | 髙橋 秀治 |
三重大学人文学部教授 |
委員 | 東川 薫 |
四日市看護医療大学准教授 |
委員 | 藤本 真理 |
三重大学人文学部准教授 |
なお、本件事案については、※印を付した会長及び委員によって構成される部会において主に調査審議を行った。