三重県情報公開審査会 答申第411号
答申
1 審査会の結論
実施機関が行った決定は、妥当である。
2 異議申立ての趣旨
異議申立ての趣旨は、開示請求者が平成25年12月10日付けで三重県情報公開条例(平成11年三重県条例第42号。以下「条例」という。)に基づき行った「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第二三二条1公安委員会に対する事実の申告の内容及び確認の結果がわかる文書」についての開示請求に対し、三重県公安委員会(以下「実施機関」という。)が平成25年12月20日付けで行った公文書不存在決定(以下「本決定」という。)について、取消しを求めるというものである。
3 異議申立ての理由
異議申立書における異議申立人の主張は、次のとおりである。
請求に係る公文書が存在しており、不存在決定は不当である。
4 実施機関の説明要旨
実施機関の主張を総合すると、次の理由により、本決定が妥当というものである。
過去において、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第232条第1項に定める公安委員会に対する事実の申告がなされたことがなく、当該対象公文書が保有されていないため。
5 審査会の判断
(1)基本的な考え方
条例の目的は、県民の知る権利を尊重し、公文書の開示を請求する権利につき定めること等により、県の保有する情報の一層の公開を図り、もって県の諸活動を県民に説明する責務が全うされるようにするとともに、県民による参加の下、県民と県との協働により、公正で民主的な県政の推進に資することを目的としている。条例は、原則公開を理念としているが、公文書を開示することにより、請求者以外の者の権利利益が侵害されたり、行政の公正かつ適正な執行が損なわれるなど県民全体の利益を害することのないよう、原則公開の例外として限定列挙した非開示事由を定めている。
当審査会は、情報公開の理念を尊重し、条例を厳正に解釈して、以下のとおり判断する。
(2)不存在決定について
実施機関から聴取したところ、これまでに刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第232条第1項に基づく公安委員会に対する事実の申告がなされたことがないこと、また、三重県警察本部長が公安委員会の補佐事務として実質的な管理を行っている公文書について確認したところ、本件対象公文書を作成又は取得しておらず、本決定を行ったとする実施機関の説明に不自然、不合理な点は見られず、本件対象公文書が存在しないとする実施機関の主張は、信用できるものである。
以上のことから、本件対象公文書が存在すると認める理由はなく、不存在を理由とした本決定は妥当であると認められる。
(3)結論
よって、主文のとおり答申する。
6 審査会の処理経過
当審査会の処理経過は、別紙1審査会の処理経過のとおりである。
別紙1
審査会の処理経過
年 月 日 | 処理内容 |
---|---|
26. 1.31 |
・諮問書の受理 |
26. 2. 3 | ・実施機関に対して理由説明書の提出依頼 |
26. 2.14 | ・理由説明書の受理 |
26. 2.17 |
・異議申立人に対して理由説明書(写)の送付、意見書の提出依頼及び口頭意見陳述の希望の有無の確認 |
26. 3.11 |
・書面審理 (平成25年度第10回A部会) |
26. 4.15 |
・審議 (平成26年度第1回A部会) |
三重県情報公開審査会委員
職名 | 氏名 | 役職等 |
---|---|---|
※会長 |
早川 忠宏 |
三重弁護士会推薦弁護士 |
※会長職務代理者 | 樹神 成 | 三重大学人文学部教授 |
会長職務代理者 | 丸山 康人 | 四日市看護医療大学学長 |
※委員 |
岩﨑 恭彦 |
三重大学人文学部准教授 |
委員 | 川村 隆子 |
名古屋学院大学経済学部准教授 |
※委員 | 竹添 敦子 |
三重短期大学教授 |
委員 |
藤本 真理 |
三重大学人文学部准教授 |