三重県個人情報保護審査会 答申第101号
平成26年3月27日
三重県知事 様
三重県個人情報保護審査会 会長 安田 千代
個人情報の取扱いに関する制限の適用を除外する事項について(答申)
平成26年3月13日付け県土第15-197号で諮問のありましたこのことについて、その理由や必要性等を審査しました結果、当審査会の意見を下記のとおり答申します。
また、今回適当と認めた諮問事項につきましては、今後の個人情報の保護に対する社会の意識の変化等を踏まえ、適宜必要な見直しを行いながら適正な運用に努められるよう要請します。
記
1 諮問事項(個別諮問事項)
県営住宅維持管理システムに係るオンライン結合による提供の制限の原則の適用を除外する事項(条例第9条第3号)
2 審査会の意見
条例第9条におけるオンライン結合による個人情報の提供とは、本来、実施機関が実施機関以外の者に、通信回線を用いて双方の情報機器を結合して個人情報を提供するものであり、提供先である実施機関以外の者が通信回線を用いて実施機関の保有する個人情報を更新すること等は想定されていません。個人情報保護の趣旨からすると、実施機関以外の者が実施機関の保有個人情報の更新等を行うことを含めて、オンライン結合による提供の制限の原則の適用を除外することが適当かどうかの判断に当たっては、特に慎重な検討が求められ、公益上の必要性が特に高く、かつ、高度の安全管理措置が講じられる場合にはじめて、その適切性が認められるものと考えられます。
そこで、この点について判断すると、諮問のあった県営住宅維持管理システムについては、県営住宅等の適正な入居者管理のため、入居者情報の更新等は迅速に行われる必要性が認められること、また、提供先団体は指定管理者制度により適切に業務を委託され、個人情報の取扱者の限定を行うなど個人情報を保護するための措置を適切に取っていることから、実施機関以外の者が実施機関の保有個人情報の更新等を行うことは、公益上の必要性が極めて高く、かつ、個人の権利利益を害するおそれはないものと認められます。
よって、本件においては、提供先団体が実施機関の保有個人情報の更新等を行うことを含めて、オンライン結合による提供の制限の原則の適用を除外することが適当であると認めます。答申を受けた内容に変更が生じた場合には、当審査会へ改めて諮問を行ってください。
また、提供先において個人情報の適切な管理措置が講じられるよう指導されることを要請します。
3 実施機関からの諮問内容
1 主管する所属の名称 |
県土整備部 住宅課 |
---|---|
2 所管する所属の名称 |
県土整備部 住宅課 |
3 オンライン結合の開始 予定年月日 |
平成26年4月1日 |
4 事務の名称 |
県営住宅維持管理システムによる県営住宅の入居管理業務 |
5 事務の根拠 | 地方自治法第244条の2第3項、三重県営住宅条例第51条第1項 |
6 事務の目的 | 県営住宅、入居者、家賃等の情報管理、入居にかかる手続き、家賃督促等の事務処理を円滑に行う。 |
7 オンライン結合による 提供する個人情報の対象 者及び内容 |
県営住宅入居者の氏名、性別、生年月日、年齢、住所、電話番号、本籍、国籍、障害、続柄、職業、資産状況、収入状況 |
8 提供先 |
鈴鹿亀山不動産事業協同組合
伊賀南部不動産事業協同組合 三重県南勢地区管理事業共同体 |
9 オンライン結合により 個人情報を提供をする必 要性等 |
・県では、指定管理者を指定して、県営住宅の入居管理業務を行っており、県営住宅入居者へのサービス向上及び業務の効率化等を図っている。 ・当システムの使用は、特定の職員に限られており、パスワードの設定等適切な保護措置が講じられている。 |