三重県個人情報保護審査会 答申第87号
答申
1 審査会の結論
実施機関が行った部分開示決定は妥当である。
2 異議申立ての趣旨
異議申立ての趣旨は、平成18年12月22日付けで異議申立人が三重県個人情報保護条例(平成14年三重県条例第1号。以下「条例」という。)に基づき行った、異議申立人に対する処分事由説明書で「分限免職するものである」と決定する根拠とした全ての文書等に係る開示請求に対し、三重県教育委員会(以下「実施機関」という。)が平成19年1月28日付けで行った教委第20-565号で行った部分開示決定の取消しを求めるというものである。
3 異議申立ての理由
異議申立人が異議申立書において主張している異議申立ての主たる理由は、以下のとおりである。
部分開示決定の内容が、分限の根拠として報告されていない。したがって、文書が違っている。
4 実施機関の説明要旨
実施機関が理由説明書及び口頭による理由説明において主張している内容は、以下のように要約される。
開示請求内容にある「分限処分事由説明書」は、異議申立人に分限処分を申し渡した際のものである。異議申立人の分限処分にあたっては、平成○年○月○日の職員分限審査委員会で審査され、平成○年○月○日の教育委員会定例会で議決がなされており、分限処分事由説明書の分限処分を決定する根拠となる文書は、職員分限審査委員会で審査された分限申立書とその際に添付した資料である。そのため、異議申立人の処分が審査された職員分限審査委員会に提出した分限申立書とその添付資料を対象保有個人情報として特定したものである。
異議申立人は、その内容が分限の根拠として報告されていないと異議申立書において主張しているが、当該特定文書が、分限の根拠とした内容が記述されている文書そのものである。
5 審査会の判断
当審査会は、異議申立てに係る資料並びに異議申立人及び実施機関の主張を具体的に検討した結果、以下のように判断する。
(1) 本決定の妥当性について
本件開示請求は、異議申立人に対する処分事由説明書で「分限免職するものである」と決定する根拠とした文書の開示を求めたものである。
これに対して実施機関は、異議申立人の分限処分が審査された職員分限審査委員会に提出した分限申立書とその添付資料全てを、対象保有個人情報として部分開示決定をした。
対象保有個人情報の特定について、当審査会で実施機関に確認したところ、処分事由説明書にはその理由が全て書き込める訳ではなく、一連の過程の中で報告されてきた事項それぞれの要旨が記載されているものであるため、この処分事由説明書の記載の根拠となる資料として、その処分が審査された職員分限審査委員会に提出した資料を特定したとのことであった。
異議申立人は、分限の根拠として報告されていないことを理由に文書の特定誤りを主張しているが、部分開示した分限申立書及び添付した資料が、分限の根拠とした内容が記述されている文書そのものであるとする実施機関の説明に、特段の不合理な点は見られない。
したがって、実施機関の行った部分開示決定は妥当であると認められる。
(2) 結論
よって、主文のとおり答申する。
6 審査会の処理経過
当審査会の処理経過は、別紙1審査会の処理経過のとおりである。
別紙1
審査会の処理経過
年月日
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処理内容 |
平成19年 5月28日 |
・ 諮問書の受理
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平成19年 6月 1日 |
・ 実施機関に対して理由説明書の提出依頼
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平成19年 6月15日 |
・ 理由説明書の受理
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平成19年 6月27日 |
・ 異議申立人に対して理由説明書(写)の送付、意見書の提出依頼及び口頭意見陳述の希望の有無の確認
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平成23年 6月21日 |
・ 書面審理 ・ 実施機関の補足説明
(第95回個人情報保護審査会) |
平成23年 7月26日 |
・ 審議 ・ 答申
(第96回個人情報保護審査会) |
三重県個人情報保護審査会委員
職名 |
氏名 |
役職等 |
会 長 |
浅尾 光弘 |
三重弁護士会推薦弁護士 |
委員 |
白石 友行 |
三重大学人文学部講師 |
会長職務代理者 |
寺川 史朗 |
三重大学人文学部教授 |
委員 |
藤枝 律子 |
三重短期大学法経科講師 |
委員 |
安田 千代 |
司法書士、行政書士 |