三重県個人情報保護審査会 答申第85号
平成23年6月21日
三重県知事 様
三重県個人情報保護審査会 会長 浅尾 光弘
個人情報の取扱いに関する制限の適用を除外する事項について
平成23年6月9日付け健福第09-119号で諮問のありましたこのことについて、その理由や必要性等を審査しました結果、当審査会の意見を下記のとおり答申します。
記
1 諮問事項(個別諮問事項)
三重県地域がん登録事業に係る本人からの収集の原則の適用を除外する事項(条例第7条第2項第8号)
2 審査会の意見
諮問された三重県地域がん登録事業については、地域の特性に応じた予防活動やがん医療水準の向上といった効果的ながん対策につなげ、がんによる死亡数を減らすという公益性が認められること、また、同意のあった患者の登録に限ると同事業の目的の達成に支障が生ずるおそれがあることから、本人からの収集の原則の適用を除外することが適当であると認めます。
なお、がん患者の権利利益を保護するため、収集先となる医療機関とも連携し、県民に対して三重県地域がん登録事業を広く周知することを要請します。
【実施機関からの諮問内容】
事項 | 個人情報の類型 及び内容 |
収集先 | 本人以外から収集する理由 又は必要性 |
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三重県地域がん登録事業(健康福祉部健康づくり室) | 医療機関名、カルテ番号、姓・名、性別、生年月日、診断時住所、診断結果、初回診断日、自施設診断日、発見経緯、診断名(原発部位名)、側性、進展度(臨床進行度)、組織診断名、診断根拠、外科的治療の有無、体腔鏡的治療の有無、内視鏡的治療の有無、外科的・体腔鏡的・内視鏡的治療の結果、放射線治療、化学療法、免疫療法・BRM、内分泌療法、その他の治療、死亡日 |
医療機関 |
①対象となるがん患者の数が多く、受療経過も一様でないため、受持医師が本人の承諾をえる努力をすることになり、医療機関の負担が現在よりも著しく増加するため。 ②病名を告知していない、或いは告知できない患者がいるため。 ③患者の経過によっては、本事業について説明する機会をもちえない場合があるため。 ④本事業は、がん患者全員についての情報収集を前提とするので、協力を拒否する患者が生じると、得られた成績に『ひずみ』が生じるため。
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