三重県個人情報保護審査会 答申第47号
平成20年 9月26日
三重県企業庁長 様
三重県個人情報保護審査会 会長 浅尾 光弘
個人情報の取扱いに関する制限の適用を除外する事項について(答申)
平成20年8月20日付け三企第05-46号で諮問のありましたこのことについて、その理由や必要性等を審査しました結果、当審査会の意見を下記のとおり答申します。
記
1 諮問事項(個別諮問事項)
水力発電事業の民間譲渡事務に係る目的外利用及び提供の制限の原則の適用を除外する事項(条例第8条第1項第7号)
2 審査会の意見
目的外利用及び提供の制限の原則の適用を除外することが適当であると認めます。
(理由)
企業庁では、これまで水力発電事業のために企業庁と個人との間で締結した契約書等に含まれる個人情報のほか、契約等の締結に至る過程の過去の様々な要望や陳情、会議の場での発言などの個人情報も保有している。水力発電事業の譲渡に当たって、これらの情報を正確に引き継ぐことは、譲渡先において地域の課題や要望等に責任を持って対応していくために必要であると認められ、譲渡交渉先との協議を進めるに際してこれらの情報を提供することに公益上の必要性が認められる。
3 実施機関からの諮問内容
1 主管する所属の名称 | 企業庁電気事業室 |
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2 所管する所属の名称 | 企業庁電気事業室・企業庁三瀬谷発電管理事務所 |
3 目的外での利用又は 提供の開始予定年月日 |
審査会答申後 |
4 事務の名称 |
三重県電気事業(県営水力発電事業の民間譲渡事務) |
5 事務の根拠 |
地方公営企業法三重県公営企業の設置等に関する条例 |
6 事務の目的 |
三重県公営企業の設置等に関する条例により、三重県水道事業、三重県工業用水道事業及び三重県電気事業が設置されている。三重県電気事業を遂行するにあたって、必要な用地、補償、協定書、要望書、議事録等の関係書類を保持し、管理を行っている。 |
7 目的外での利用又は |
①土地売買契約書(契約者住所、氏名、契約金額、印影、該当箇所の地名地番等)②土地賃貸借契約書(契約者住所、氏名、契約金額、印影、該当箇所の地名地番等)③土地確認書(確認者住所、氏名、印影、該当箇所の地名地番等)④土地境界立会確認書(土地所有者・立会人住所、氏名、印影、該当箇所の地名地番等)⑤協定書、請書等(締結者住所、氏名、契約金額、印影等)⑥陳情書等(陳情者住所、氏名、印影等)⑦議事録(個人名等) |
8 目的外での利用又は |
中部電力株式会社 |
9 目的外での利用又は 提供をする必要性等 |
昨年度から、三重県営水力発電事業の民間譲渡に向けた協議を、交渉先である中部電力(株)と進めている。三重県が示した譲渡にあたっての基本条件は、全ての発電所の継続運営及び地域貢献の取組の継続であり、設備・用地はもとより地域社会との関係における課題等すべての案件を引継ぐ必要がある。この中で、三重県電気事業のために所有又は賃貸している用地、補償案件等における協定書の締結者、県への要望における要望者の情報等は、今後地域貢献を含めた事業の継続を進めるために重要な情報であり、譲渡協議を進める中で、個人情報を含めた大量の資料提供が必要となってきている。 このように、県が水力発電事業を行う目的以外で、個人情報を提供することとなるため、三重県個人情報保護条例第8条第1項第7号に基づき、三重県個人情報保護審査会の意見を求めるものである。なお、企業庁が中部電力(株)に情報提供を行うにあたって、目的外使用の禁止、秘密保持、従事者への周知等を目的に、今後覚書を締結することとしている。 |
10 備考 |