三重県情報公開・個人情報保護審査会 答申第5号
答申
1 審査会の結論
実施機関が行った決定は、妥当である。
2 審査請求の趣旨
審査請求の趣旨は、審査請求人が平成29年1月31日付けで三重県個人情報保護条例(平成14年三重県条例第1号。以下「条例」という。)に基づき行った、特定の委託事業における県民からの意見を受け、その対応等を検討した会議、電話等の記録等についての開示請求に対し、平成29年2月13日に三重県知事(以下「実施機関」という。)が行った保有個人情報開示決定(以下「本決定」という。)の取消しを求めるものである。
3 審査請求の理由
審査請求書及び意見陳述における審査請求人の主張を要約すると、概ね次のとおりである。
私が受講した特定の委託事業で発生した事件について、津高等技術学校に意見をしたが、雇用経済部及び津高等技術学校が私との会話について、何を記録し、どう再発防止策を講じ、どのように問題に対応したのかについて、私は事件を目撃し、報告した人間である以上、その経過並びに結果について知る権利がある。この問題については所属間で連携していることは間違いなく、開示された保有個人情報以外にも保有個人情報は存在するはずである。
4 実施機関の説明要旨
実施機関の主張を総合すると、次の理由により、本決定が妥当というものである。
本事案についての対応は平成24年度に完了しているという認識を持っており、本件開示請求に対して、平成24年度に対象となる保有個人情報を開示した。また、平成25年度以降、審査請求人から複数回、意見をいただいており、それらを供覧した文書については後日、保有個人情報の開示請求があったため、開示を行っている。これらの請求を通じて、審査請求人に関する保有個人情報はすべて開示をしている。
5 審査会の判断
当審査会は、審査請求人及び実施機関の主張を検討した結果を踏まえ、本決定の妥当性について、条例を厳正に解釈して、以下のとおり判断する。(1)本決定の妥当性について
実施機関から聴取したところ、審査請求人からの意見を受け、当該事件に対する対応策等を検討したような文書は平成24年度にしか作成しておらず、平成25年度以降は審査請求人からの意見を供覧しているのみであり、これらについても別途、保有個人情報の開示請求に対して開示を行っており、審査請求人に関する保有個人情報は全て開示しているとのことである。これらの説明に特段、不自然、不合理な点は認められず、他に本件開示請求の対象となる保有個人情報が存在すると認める理由もないことから、本決定は妥当であると認められる。
(2)審査請求人のその他主張について
審査請求人は、特定の職員の対応等に不適切な部分があったと主張するが、当審査会は条例に基づき実施機関の行った処分についての不服申立てに関し審査するものであって、特定の職員の対応等について審査するものではない。
また、審査請求人はその他種々主張するが、いずれも審査会の判断を左右するものではない。
(3)結論
よって、主文のとおり答申する。6 審査会の処理経過
当審査会の処理経過は、別紙1審査会の処理経過のとおりである。
別紙1
審査会の処理経過
年 月 日 | 処理内容 |
---|---|
29. 3.31 |
・諮問書及び弁明書の受理 |
29. 4.10 | ・実施機関に対して、対象保有個人情報が記録された公文書の提出依頼 |
29. 6.23 | ・実施機関に対して、意見書の提出依頼 ・審査請求人に対して、意見書の提出依頼及び口頭意見陳述の希望の有無の確認 |
29. 7.26 |
・書面審理 (平成29年度第1回第2部会) |
29. 8.22 |
・審議 (平成29年度第2回第2部会) |
三重県情報公開・個人情報保護審査会委員
職名 | 氏名 |
---|---|
会長 (第一部会部会長) |
髙橋 秀治 |
※会長職務代理者 (第二部会部会長) |
岩﨑 恭彦 |
委員 | 内野 広大 |
委員 |
川本 一子 |
委員 | 藤本 真理 |
※委員 | 片山 眞洋 |
※委員 | 木村 ちはる |
※委員 |
村井 美代子 |
なお、本件事案については、※印を付した会長職務代理者及び委員によって構成される部会において調査審議を行った。