答申第470号に基づく県議会議長の裁決について
平成29年6月21日付け三審第2号にて、県議会議長に対し、三重県情報公開・個人情報保護審査会条例第3条第3項に基づき、下記のとおり建議しました。
三重県情報公開審査会答申第470号に基づく県議会議長の裁決について(建議)
このことについて検討したところ、三重県情報公開条例第21条第4項に抵触する可能性が高いという結論に達しました。
ついては、当審査会は三重県情報公開・個人情報保護審査会条例第3条第3項の規定により別紙のとおり建議します。
(別紙)
三重県情報公開条例(平成11年三重県条例第42号。以下「条例」という。)第21条第4項の規定は、実施機関は情報公開・個人情報保護審査会(以下「審査会」という。)の答申を尊重して、速やかに、審査請求に対する裁決をしなければならないことを定めている。しかしながら、三重県議会議長が、平成28年9月21日付け三議第111号で行った公文書非開示決定処分に対する審査請求に対して、平成29年4月21日付け答申第470号で審査会が行った答申の内容に触れずに、平成29年5月18日付けで裁決を行っているものである。
このため、審査会においてこの裁決書を検討・吟味したところ、本件裁決は、下記の点において、答申を尊重したものとは言いがたく、条例第21条第4項に抵触する可能性が高いという結論に達した。
ついては、審査会は三重県議会議長に対し、本件裁決が今後の条例の解釈・運用に悪しき影響を及ぼすことのないよう求めるものである。
記
実施機関が審査請求に対する裁決をするにあたって、審査会に諮問しその答申を尊重しなければならない旨を条例が定めているのは、実施機関が審査会の答申を慎重に検討し、これに十分な考慮を払い、特段の合理的な理由のない限りこれに反する裁決をしないよう要求することにより、当該裁決の客観的な適正妥当と公正を担保することを条例が所期しているためである。したがって、実施機関が裁決を行う場合は、答申を引用したうえで、それに対する判断を記す必要があるが、本件裁決は、審査会の答申の内容を引用せず、非開示決定後の事実関係を考慮することのみによって裁決を行っているものである。