みえ国際協力大使 鈴木 智久さん からの活動報告
2017年10月赴任 派遣国:ケニア共和国 職種:PCインストラクター
報告日:2019年9月5日
職業訓練校におけるパソコン基礎コースのカリキュラム作成
ケニア共和国は赤道直下の国で、アフリカの国といったらケニア、というほど日本では有名だと思います。赤道直下というと、「暑い」というイメージがありますが、殆どの土地は標高が1100メートルから1800メートル(ナイロビは約1500メートル)に位置しますので、平均気温が年間通して約20度と過ごしやすい気候です。日本人の私にとっては、例えば、日中の寒暖差(15度)があっても薄手の上着を羽織る程度ですみますが、現地の人にとっては「とても寒い」となり、三重県での真冬の服装で外出しています。中には、ほぼ一年中、毛糸のマフラーを首にしっかり巻いている女性もみうけられます。
治安はといいますと、残念ながら良いとは言えません。テロの脅威も身近にあります。全てのショッピングモール、スーパー、オフィスビルなどの不特定多数が利用する施設では、入り口に警備員がいて金属探知機・目視で持ち物・身につけているものを確認してから敷地内に入ることが徹底されています。
また、屋外で公共施設(ホテル含む)を写真・動画撮影していると警察官・警備員から声をかけられます。これも、テロ対策の一貫であり、法律で禁止されているとのことです。場合によっては逮捕されることもありますので、屋外での写真・動画撮影は禁止されていると解釈しておいたほうが身のためだと、個人的に解釈しています。そういう理由で、私はナイロビ市内の屋外では、全く写真を撮影しませんでした。ショッピングモール内でも、レストラン等のスタッフに撮影の許可をとってから携帯電話で料理の写真を撮っていました。
2017年10月に赴任しましたので、この報告書を書いている時点で、約23ヶ月経っています。私の配属先は、ケニア内務・政務調整省、保護観察局本局で、活動目的は、保護観察局で管轄している国内2ヶ所(ケニアの西の端、東の端)にある、職業訓練校のパソコン基礎コースのカリキュラム作成です。
今までは、各校が独自に開発したカリキュラムで授業をし、試験合格者に合格証を渡していました。ケニアは、「より多くの資格(受講証明書)をもっている人が就職に有利」という就職事情ですが、たとえ政府の機関が発行したとはいえ、その合格証が有効なものとして認められることはまれでした。そこで、両校でカリキュラムを統一し、合格証をより効力の高いものにしよう、という流れになったのです。
活動をすすめていくうちに、自分達でカリキュラムを一からつくりなおしても、改定する際に、また外部から人を招くのも非効率であるし、持続可能性といった面からも適切ではないことに気づき、外部のテスト機関と提携しようという結論になりました。
そこで、いくつかの外部テスト機関をあたり、一番こちらの状況にあった機関の公認テスト会場の認定をもらうべく、活動の舵をとるに至りました。その決定から約1年後の2019年5月末に、ついに、公認テスト会場として認定をうけることができました。しかし、認定証を受け取ったのは9月初旬と、時間に対するおおらかさを垣間見た気がします。
帰国まで、あと一ヶ月ほどです。三重県の実家に帰るまで、身の安全に十分気をつけて活動の最後の仕上げをしたいです。