赴任地サンパウロ市について
サンパウロ市はブラジル最大の都市であり、経済・文化の中心地で、高層ビルが林立し、公園、美術館、博物館が点在し、活気に満ちています。様々な人種や文化が混在していることから、食文化も多様です。そして、世界最大の日系人居住地であり、たくさんの日本食レストランがあります。日本の食材も豊富です。赴任病院について
当院は、ブラジルの日系社会を代表する病院の一つであり、日本食の提供を行っており、患者様が日本食を選択することができます。日本食を恋しく思う日系人、日本人の患者様だけではなく、ブラジル人の患者様で日本食を選択されている方もみえます。ふりかけご飯、魚のみそ焼き、味噌汁などの定食の他に、牛丼、ソースかつ丼、カレー、天ぷらうどんが提供されています。サンタクルス日本病院
活動内容について
私は、日本食の調理方法、技術、材料の有効活用、衛生管理などの面から栄養士や調理師へ助言を行っています。例えば、味噌汁に関して、安全で作業効率のよい調理方法を提案しました。味噌汁の具に、豆腐だけではなく、多様な種類の野菜を使用することを提案し、その結果、野菜の使用量増加、コスト削減に繋がり、患者様からも美味しいと評判です。また、調理や盛り付けに対して、個人差が見られたため、マニュアルを作成し、厨房に掲示しました。日々、昼食配膳補助や調理師と一緒に日本食の調理をしています。そして、豚汁や炊き込みご飯などの日本食を提案し、試作を行い、レシピを作成しています。昼食配膳補助業務
カレーの調理
さらに、日本の文化を知って頂くため、日本の冬至の日には、ブラジル食、日本食共に南瓜の料理と、冬至について説明するカードを添えて、提供しました。大晦日には、「Feliz Ano Novo! あけましておめでとうございます!」と書かれたカードを添え、日本食には、年越しそばを提供しました。
冬至の日のブラジル食
冬至の日の日本食
その他、日本の病院食や行事食、食材のうま味を活かす調理方法について、栄養士に紹介し、共有しました。さらに、日本人患者様に退院時に手渡す栄養ガイドラインを日本語に翻訳しました。
日本の病院食について紹介
三重県とサンパウロ州との姉妹提携50周年
さて、昨年の2023年、三重県とサンパウロ州の姉妹提携50周年を迎えました。ブラジル三重県人会創立80周年及びブラジル三重県人移住110周年の記念式典がサンパウロ市で開催され、参加させて頂きました。歴史と文化が交わり、深まる絆を感じました。このような特別な瞬間に立ち会えたことが光栄でした。8月20日の記念式典