報告日:2020年7月30日
みなさん、こんにちは。
鈴鹿市出身の岡田幸穂です。私は2019年7月から青年海外協力隊のコミュニティ開発としてカメルーンで活動していました。現在COVID-19の影響で一時帰国中です。私が過ごしたカメルーン(任地:バングラップ)について、また今までの活動について報告できればと思います。
任地バングラップについて
私が活動・生活していた場所は西部州に位置するバングラップという村です。首都ヤウンデから北西に約250㎞、車・バスに揺られる事5時間前後です。
(↑バングラップの中心地からの景色)
緑豊か、日本の春・秋のような気候で非常に過ごしやすく、穏やかな気持ちになれる場所です。住民の主な職業(収入源)は農業、畜産、工芸品販売で特に畑仕事をされている様子はよく見かけました。
(↑家に水道がない所が多く、頭上に水の入った容器を乗せて水を運ぶ様子もみかけます。)
また、道端でヤギやニワトリといった家畜と遭遇する事も珍しくありません。村を歩いていると住民の方が話しかけてくださったり、収穫した野菜や果物をいただいたたり、畑を見せてくださったりと人の優しさを感じる事が多々ありました。
主な活動
私の配属先はバングラップ・コミュニティ教育・開発センターで主に地域住民・グループを対象として農業指導、住民グループの能力強化や生活改善、保健衛生指導など様々な活動を行っているところです。私は配属先長と共に住民の収入向上や生活改善にむけ、水環境の改善、ネリカ米の普及(陸稲栽培)、養蜂の普及を行っていく予定でした。水環境については、小学校に井戸が欲しいという意見が配属先から挙がったため、小学校2校と隣接する幼稚園2校の先生方にアンケートを実施しました。それぞれ学校から水くみ場まで200m程離れている事、トイレや手洗い等衛生面を考慮し学校に井戸があれば嬉しいという意見を伺う事ができました。工事や資金面様々まだ話し合いが必要で設置には至っていません。
(↑水汲み場までの道のりは足場が悪いものの、学生達は道中楽しそうに話しながら向かっていました)
ネリカ米、養蜂の普及は前任者から続いている活動です。ネリカ米については6月に種まきを行ったと連絡がありました。順調に育てば収穫し食べたり、ポップライス(お米を油で揚げるお菓子)にして付加価値をつけたりする事で収入向上になるのではと考えています。養蜂は、前任者が活動費で巣箱、養蜂用防護服を購入し村に20個の巣箱が設置されています。設置から1年以上経過し収穫できるようになってきたと先日連絡をいただきました。
(↑昨年のネリカ米の様子)
(↑養蜂の様子)
任地で見つけたいいところ(任地と日本の繋がり)
派遣前、三重県への表敬訪問の際、渡邉副知事(当時)から「任地のいい所を沢山見つけてきて」と声をかけていただきました。まだまだ見つけている途中での帰国でしたが、任地でみつけた任地と日本の繋がりでいいなと思った事は、以前別の隊員から寄付された物を先生や生徒が大切に使っていた事です。小学校で先生が見せてくださったのは数年前に寄付された算数セット、手芸セット、体育で使うユニフォームや空気が抜けてきているボールです。実際に授業で使用している所は見る事ができませんでしたが、先生は「とても便利で使いやすく授業で活用している」と嬉しそうに話してくれました。(↑先生が見せて下さった算数セット)
最後に
カメルーンは約250の民族グループと言語が存在し、アフリカ大陸のほとんどの気候と地勢がそろっているため「アフリカの縮図」と言われています。まだ任地以外では首都ヤウンデ、任地周辺の町にしか行けていませんが、各地で活動する隊員に話を聞くと地域によって気候や様子が違うことを感じられます。私が見たカメルーンはほんの一部です。少しですが現地の様子を感じて頂けたら嬉しいです。最後に、距離はありますが、心はいつもそばにいられるようにしたいと思いつつ、COVID-19の早期収束を願います。