みえ国際協力大使 間壁 恵さん からの活動報告
2018年2月赴任 派遣国:ミャンマー連邦共和国 職種:陸上競技
報告日:2019年3月11日
ミャンマー着任より1年が経過しました
2018年2月6日に日本を出発し、早いもので1年が経ちました。当初、ミャンマーのイメージは東南アジアで蒸し暑く、素直な国民性の発展途上国というものでした。私の活動内容は、ミャンマー国内に6つある体育学校のヤンゴン校で、陸上競技の投てき種目を選手及びコーチに指導するというものです。着任から1か月間はミャンマー語の語学研修があり、2018年3月5日より活動を開始しました。学校の陸上競技の選手は全体で76人おり、そのうち投てきは14歳から17歳の男女合わせて10人の選手がいます。10人の選手と現地の投てき種目のコーチ4人と一緒に、毎日朝と夕方の2回、週6日練習を行っています。
ミャンマーは日本とは異なり、体育教育があまり重視されておらず、学校では座学のみの学校も少なくないそうです。この学校にやってくる生徒の中には、『体格が良い』という理由のみで入学した選手(入学前に体力テストを実施)もおり、初めてスポーツを始める選手もいます。ミャンマーの人々はサッカーが大好きで、現在はセパタクローも流行っており、ボールを蹴るのはとても上手です。一方で、野球やラグビーはあまり盛んではなく、ボールを投げる習慣は少ないように感じます。ですが、学校に在籍する選手は各地域から選ばれてきた選手たちなので、初めてやる練習でも何度か練習すれば上達は早いです。
体育教育に関してですが、2014年よりミャンマー教育省とJICAが協力して初等教育のカリキュラム改進を進めています。すでにGrade1、Grade2の生徒は新カリキュラムの下、教育を受けています。新カリキュラムでは体育教育にも力を入れています。配属先の学校は現在Grade7以上の生徒が在籍していますが、数年後にはこの新カリキュラムの教育を受けた選手たちが入学してくるでしょう。そうなれば、もともと体格や運動神経のよい選手達は、今よりも小さい頃から体の使い方を学び、さらなる競技力の向上が見込めます。そうなれば日本もうかうかしていられません。
さて、ミャンマーの陸上競技大会は、U-17東南アジア大会ミャンマー予選、体育学校対抗、U-25州対抗、全年齢対象のミャンマー国内最大の選手権大会の4つがあり、特に体育学校対抗は1年の中で最も結果が求められる大会です。体育学校対抗は昨年10月に首都のネピドーで3日間行われました。この大会は陸上競技以外にも水泳やサッカー、セパタクロー、武術など、体育学校で実施されているスポーツ全ての試合が行われます。体育学校対抗の大会では、男子円盤と女子ハンマー投げが大会新記録で優勝、女子砲丸投げも優勝をすることが出来ました。3位、4位であった種目もありますが、選手たちが普段の練習の成果をきっちりと発揮できていたことがとても嬉しかったです。
着任から1年が過ぎ、任期は残り1年となりました。この1年楽しいことばかりではなく、何度も「日本ならこうなのに…、どうして伝わらないんだ。」と悩むことも沢山ありました。1年間ミャンマーという国を見てきて、ミャンマーの常識を知り、日本と変わらない思春期の子どもたちがここにはいます。悪いことをすれば叱り、喜ぶときには一緒に喜びます。彼らがこれからのミャンマーの代表選手として活躍できるように、あと1年間ではありますが、現地のコーチと協力しながら基礎の土台作りを頑張ります。
配属先について(写真は元競馬場の観戦席跡地)
配属先の学校は元競馬場跡地にあり、敷地面積は広く、学校関係施設、26種類のスポーツ施設(サッカーコートは7面)、選手達の寮と学校内で働く人達のアパートがあります。4人いるJICAボランティア(全員がスポーツ隊員)は全員、学校内の寮に住んでいます。
1日のスケジュール
選手たちの1日 | 1日活動内容(間壁) | |
5:00 | 起床 | 起床 |
6:00-7:00 | トレーニング | トレーニング |
7:00-8:00 | 朝食 | 朝食 |
8:00-12:00 | 授業 | イベントの手伝い/レポート作成 |
12:30-15:00 | 昼食/休憩 | 昼食/レポート作成 |
15:00-17:30 | トレーニング | トレーニング |
17:30-18:30 | 夕食 | 夕食 |
19:00-21:00 | 自習時間 | - |
22:00 | 就寝 | 就寝 |
活動写真
投てき練習の指導(砲丸投げ)
投てき選手及びコーチとの集合写真
10月に行われた大会風景(やり投げ)
大会の表彰式(円盤投げ、中央の選手)
練習終了後は外部の子どもへの指導
陸上競技大会の手伝い
毎朝、選手たちの登校時間に挨拶を実施。
多くの選手たちが顔を覚えてくれました。
「三重県協力隊を育てる会」さんからご提供いただいた
忍者の衣装を着た選手