みえ国際協力大使 馬場理栄さんからの活動報告
赴任国:キルギス 職種:青少年活動 2016年1月派遣
◆◇キルギス共和国、ナリン市について
キルギス共和国は、中央アジアに位置しており、人口は約600万人、土地の面積は19万8,500平方kmあり、日本の国土の約半分の広さです。首都のビシケクから300km離れた地方都市(ナリン市)で、私は活動しています。この市の特徴は、1.キルギスで最も寒い地域 2.生粋のキルギス人が住んでいる 3.お肉がおいしい です。
1について:この地域は標高2000mあり、3,000~4,000m級の山々が連なる谷に市が位置しているため、冬になると-30℃以下になり、とても寒いです。
2について:この地域はソ連時代に、あまり介入されなかったこともあり、市には、キルギス人以外、ほとんど住んでいません。よって、「タザ クルグス」という、キルギス語が最も上手な生粋のキルギス人が住んでいると言われています。
3について:ナリン市は遊牧民が定住させられた地域と言われており、今でも多くの家が家畜を飼い、「マルチュ」と呼ばれる家畜を専門的に飼う人々は、夏になると山で5ヶ月間、放牧しながら生活し、秋に丸々と肥えた家畜と共に市に戻り、肉にして売るため、この新鮮な草を食べた家畜の肉は、キルギス国内で最もおいしい肉といわれています。
◆◇子供教育センター
(子供教育センターの子供達と一緒に) |
このような特徴を持つナリン市の中心部にある子供教育センターで、私は子供達に日本語・日本文化を教えています。 このセンターは学校教育外の教育を無料で教える施設であり、日本語以外にも英語、ドイツ語、中国語、チェス、手芸、パソコン、絵画、コムズ(キルギスの伝統楽器)等のクラスがあり、4歳~22歳までの約1,000人の子供達がセンターに通っています。 キルギスの学校は朝~昼、昼~夕方までと二部制になっているため、私達の教室にも午前と午後にわかれて、生徒が日本語を学びにきています。 |
(日本文化のひとつ、太鼓を教えている様子)
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(ビシケクの日本カラオケ大会に出場した様子(特別賞に入賞))
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(キルギス共和国日本語弁論大会にて生徒とソーラン節を披露した様子) |
私は平成28年の2月から活動をはじめ、現在まで10歳~22歳の約70人の子供達に日本語や日本文化を教えてきました。その他にも歌のコンクールや、作文コンクール、日本語弁論大会、日本語能力試験等に生徒と共に参加し、歌のコンクールや弁論大会では生徒が入賞し、日本語能力試験にも数名の生徒が合格しました。
また、1ヶ月に1~2回ほど、活動先でさまざまなイベントを催し、地域の方々に日本について広め、子供達の学習の成果などを披露してきました。
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(子供教育センターのイベントに参加した生徒とボランティア)
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◆◇小学校での日本語授業
こういったイベントに参加して下さった方々との縁により、平成28年の9月から近隣の小学校で日本語の授業を開設し、現在、子供教育センターの教え子と共に小学校で2クラス、50人ほどの子供達に日本語を教える活動も行なっております。ナリン市では、日本語に興味を持ち、一生懸命に勉強する子供達がたくさんいます。この子供達のために帰国する日まで、自分に出来ることは何でも挑戦し、多くの子供達に日本語を通して、さまざまな価値観に触れ、異文化共生の大切さ、幅広い視野をもつ重要性について伝えていきたいと思います。
(小学校での日本語授業の様子)