支援物資活用状況報告(ソロモン諸島、寺南 智弘さん、2016年8月報告)
近視用メガネ:18本 老眼鏡:11本
ソロモン諸島について
私がボランティア活動をしているソロモン諸島は,オーストラリアの北東に位置する南太平洋の島国です。国名に「諸島」とあるように,ソロモン諸島は無人島を含む大小約1000の島から成り立っています(図-1)。
図-1.ソロモン諸島の位置〔左〕,大小さまざまな島〔右〕
支援物資(メガネ)の申請理由
ソロモン諸島の病院では,近視用メガネや老眼鏡の在庫が慢性的に不足しています。これは,国内にメガネを製造・販売できる業者がおらず,隣国のフィジー(Fiji)へ発注するしかメガネを入手する手段がないためです。
現地の病院でボランティア活動する協力隊員(職種:看護師)に聞き取りをしたところ,眼科では視力低下に悩む患者が多くおり,特に40代以上の方が老眼の診察を受けにやってくることが多いとのことでした。また,小学校で活動する協力隊員(職種:理数科教師)によると,メガネがないために黒板が見えづらく勉強に苦労している生徒も多いようです。
以上の聞き取りから,現地でのメガネの必要性が高いと考えられました。
支援物資(メガネ)の活用状況
現地でメガネが不足している現状を踏まえて,三重県の皆さんから度数が合わなくなったり,買い替えによって使用されなくなったりしたメガネを提供していただきました。
<寄付していただいたメガネ>
近視用メガネ:18本,老眼鏡:11本
いただいたメガネはウェスタン州(西部州)のギゾ病院へ寄付させていただきました。ウェスタン州は私がボランティア活動をしている地域であり,ギゾ病院はその州都ギゾにある州立病院です(図-2)。
図-2.ウェスタン州の州都ギゾ〔左〕,ギゾ病院の外観〔右〕
ギゾ病院でメガネの度数を計測する際には,眼科の看護師であるマド(Mado)さんに手伝っていただきました(図-3)。度数の計測が終わったメガネは,眼科にやってくるメガネの必要な方々へ無償で提供させていただきました。
図-3.メガネの度数を計測する看護師のマドさん〔左〕,眼科での診察〔右〕
皆さんの中にも日頃メガネを使っていて,メガネがなければ生活や職場など様々な場面で不自由を感じる方がいらっしゃると思います。ソロモン諸島にも視力に問題があり自身の力を十分に発揮できずに困っている方が大勢います。
今回皆さんから寄付していただいたメガネが,視力に問題があるために十分に勉強ができない子供たちや能力があるにも関わらず適職につけない人たちの助けとなることを期待しています。