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平成25年06月20日

みえ国際協力大使 山本敬典さんからの活動報告

赴任国:タンザニア 職種:理数科教師 2013年1月派遣

こんにちは。青年海外協力隊、H24年度3次隊、理数科教師としてタンザニアの南東部マサシという町に赴任しています山本敬典といいます。今回はタンザニアのこと、マサシの魅力を存分に伝えたいと思います。

タンザニアといったら!?

タンザニアはアフリカの東海岸に位置し、赤道直下のケニアの一つ下の国です。

タンザニアといったら、セレンゲティやンゴロンゴロなどの国立公園、アフリカ一の高さを誇るキリマンジャロ、イスラム文化が育んだストーンタウンなど魅力的な観光スポットでしょう。しかし!今日は僕が赴任しているマサシの魅力を存分に伝えたいと思います。

マサシ、その風景

マサシはタンザニアの南東部、バスでダルエスサラーム(タンザニア最大の都市)から約10時間のところにあります。マコンデ高原というところに位置し、5月6月は日中比較的涼しいところです。

僕は2013年1月にタンザニアに赴任し、2月にマサシに赴任したのですが、まず初めてこの町を訪れて思ったのはその奇景です。マサシには大きい2つ(小さいものも入れるとたくさんありますが)の岩山があります。バスでマサシの町にくると、その黄土色の岩山が姿を表し、なんとも不思議な景色です。その山は頂上まで約1時間で登ることもでき、頂上から見渡す景色は絶景です。地平線がどこまでも広がり、「ああ、ここはアフリカや」とすごく実感できます。いい運動にもなるので、よく登っています。

タンザニアの山

急な岩肌を登る

広がる地平線

広がる地平線

みんな陽気

そんなところに暮らすタンザニア人はとても陽気です。大人も子どももいつも笑っていて楽しそうです。道を通ると知らない人でもあいさつをします。そのバリエーションが豊富で、「Habari za asubuhi?(朝はどう?)」「Nzuri sana!(とてもいいね!)」「Mambo vipi?(調子はどう?)」「Poa!(最高さ!)」などと、あいさつの掛け合いが始まります。知らない人同士も比較的すぐに仲良くなるし、学校にもいじめはないように思えます。ちょっとけんかしていたかと思ってもすぐに仲なりして、本当に平和やなぁと思います。町の人はみんな家族みたいに距離が近いように思えます。

そしてとにかく話好き!道ばた、バスの中、とにかくしゃべっている人が多いです。まだスワヒリ語が分からないので、何を言っているのか分からないことも多いですが、話はいつもかなり盛り上がっています。

数学苦手意識

僕は理数科教師として、マサシデイ中等学校というところに赴任しました。週20コマを受け持っており、学年はFORM1とFORM3(日本でいうところの中2、高1)を教えています。

4ヶ月ここで生徒に授業をして思ったことは生徒に「考えさせる習慣」をつける難しさです。タンザニアの生徒は話もよく聴くし、板書もしっかりとノートに写すのですが、その一方で「考える」ということをあまりしないように思えます。簡単な問題なら解けますが、少し応用問題を出すとそこで思考が止まります。すぐに「難しそう」と思った時点で「分からないから答えを教えてくれ」といった感じになります。そういった子たちに「考えさせる授業」をすることがこれからの課題です。

また一方でFORM2(日本の中3相当)の生徒でもかけ算の九九を覚えてなかったり、小学校の内容が分かっていなかったりする子もたくさんいます。そういった基礎力も明らかに足りないので、基礎力向上にも取り組んでいきたいです。

授業風景

授業中、真剣にノートをとる子たち

 カンフー好き?ふーはー

町を歩いているとよく「ふーはー」と声をかけられることがあります。これはカンフーのかけ声らしく、タンザニアの男の子は多くがカンフー好きです。ジャッキーチェンやブルースリー、ジェットリーなどのカンフースターはみんな知っていて、そういった映画も大好きです。

僕は日本で高校、大学と空手をやっていたので、放課後の時間を使って空手を教えています。最初は空手といっても「ふーはー」と言われ、あまり違いが分かっていなかったのですが、とにかくみんな格闘技は大好きみたいで練習のうけもよかったです。

当初、学校で「空手を教える」とアナウンスしたら20人くらいの子たちが毎日練習に来ていました。しかし2ヶ月ほどが経過した5月ころ、徐々に練習に来る子が減っていき、ついには0人になったこともありました。

どうやら原因は練習がきつく、子どもたちのモチベーションが続かなかったことのようです。このあたりは「きつくても頑張る」文化のある日本のようにはいかないようです。この点、日本の子どもたちはすごいなと思いました。

そこで今は数人に如何にモチベーションを維持しながら練習をするか、ということを考えながら空手を教えています。たまには新しい筋トレを考えたり、バリエーションを工夫するといいようです。

空手

空手の柔軟体操

本当に大切なものって

それでもゲームやテレビがない、電気がない、水道がない、おもちゃがない、そんな中で暮らす人々はいろんなことを教えてくれます。

この間、空手の練習を一番がんばっているハッサン君(10歳)の家に遊びに行きました。家を案内してもらったのですが、土壁の家で電気はなく、窓もなかったので昼間でも薄暗かったです。中に入って行くとぼろぼろのベッドが3つありました。「これは誰のベッドなん?」ときくと、「1つはおばあちゃん、1つはお兄ちゃん、1つは弟と僕のベッドやで」と言っていました。ハッサン君は小さいベッドに弟と2人で毎日寝ているようです。

そんな中でも元気に空手を一生懸命する姿には心打たれます。また日本がどれだけ物質的に豊かなのかを痛感します。そして経済的には貧しくも、その中で幸せそうに暮らすタンザニアの人々をみていると、「発展とは何か」「そもそも発展する必要はあるのか」などと考えます。

土壁の家

土壁の家

学ぶことが多い

そんなタンザニアの生活で自分が「できない」ことをいとも簡単にこなすタンザニア人をたくさん見てきました。

岩山の急な斜面をすいすい登る生徒、鶏を一から捌き調理する同僚、30kgの水を頭に乗せて運ぶ少女、炭の調理具を使いこなす男の子、ハンドスプリングをひょいっとやってみせる子ども、マコンデ彫刻を器用に作る職人、たくさんの薪等あり得ない量のものを自転車の荷台に積んで運転する農夫、あげればキリがないくらい僕ができないことをタンザニア人はこなします。

そんな中でたくさん成長して、帰るまでに彼らのようにたくましくなりたいと思います。ここで生徒を教育しつつ、自分も成長していきたいです。

水が入ったバケツを荷台に乗せ、坂を登る

水が入ったバケツを荷台に乗せ、坂を登る

 

本ページに関する問い合わせ先

三重県 政策企画部 国際戦略課 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁3階)
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