みえ国際協力大使 鈴木麻誉さんからの活動報告
赴任国:インドネシア 職種:理数科教師 2011年6月派遣
インドネシア ジェネポントでの活動紹介
インドネシアの紹介
「インドネシア」と聞いて、皆さんはどのような印象を持たれるでしょうか?
インドネシアの人口は2億4000万人で世界第4位、面積は189万平方キロメートルで日本の役5倍という広大な国土を有しています。
共通言語はインドネシア語ですが、民族によってそれぞれ独自の言語を持っています。
国民の90%近くがイスラム教徒で、1日5回モスクからお祈りが聞こえてきます。
活動紹介
私が赴任した中学校は、首都ジャカルタから1300キロメートル東に離れたスラウェシ島南部にある、生徒数400名程度の中規模校。
中学校では、インドネシア語、英語、数学、理科、情報、社会、芸術、宗教学、体育を勉強します。授業時間は7時30分から12時まで、月曜から土曜日まで学校があります。
教科書は生徒全員分がないため、貸し出すか教科書なしで板書をするスタイルが基本となります。
教科書は分厚く文字ばかり並び、日本の高校レベルの内容も書かれているため、生徒のレベルに合わせ先生が大切な部分を抜粋して教えています。
私の活動内容は実験を取り入れた授業をすること。赴任当初、理科実験室には国から配布された実験器具が未開封のまま山積みになっていました。実験室も器具も十分あるのに現地の教員は使い方を知らないため、実験せず教室で理論中心の授業をしていました。教員自身の理科の知識も十分でないため、まず教員に対し実験器具の使い方や単元ごとの基礎知識を教え、それから生徒に対して実験授業を行います。
1年生では、リトマス紙を使って酸・アルカリの性質を調べる実験をしました。ピンセットを使ってセッケン水にリトマス紙を浸すと、色が変化しました。「アオイロ?ムラサキイロ?」と微妙な色の変化をグループ内で話し合っています。教科書には“青色に変化する”と書いてありましたが、実際に調べると紫色に近い青色に変化することがわかりました。
(予備実験) (酸、アルカリの実験)
放課後に理科実験室を開放し「日本語講座」を開いています。
日本のアニメ「ドラえもん」や「ナルト」が人気でみんな日本語に興味深々。「オハヨウゴザイマス、センセイ」など、生徒も日本語であいさつしてくれるようになりました。
近所を散歩すれば、「寄って行きなよ~」と子供たちが声をかけてくれます。
お母さんたちは家の軒先に集まり、おしゃべりをしながら食材の下準備をしたり、ゆっくりとした午後の時間が流れていきます。
(近所の子どもたち) (食事の準備中)
インドネシアに住んで、文化や宗教の違い、考え方の違いを感じる場面はたくさんあります。
残された任期、今しかできないことを体験し、帰国後日本の皆さんに伝えていきたいと思います。