みえ国際協力大使 伊藤 大輔さんからの活動報告
赴任国:スリランカ職種:青少年活動2006年6月派遣
スリランカより「アーユーボワン(「こんにちは」の意味)
スリランカに来て3ヶ月経とうとしています。今、三重はどのようでしょうか?スリランカは小さな国(面積は北海道の約80%)ですが、その地区によって様々な気候です。僕の生活するアヌラーダプラ県ガルネーワ市は、毎日暑い日が続いています。曇の日はまだいいのですが、晴れているとカラッとして気温がどんどん上がります。そうなると乾燥して土埃が舞い、目が痛くなります。しかし朝晩は涼しく過ごしやすくもあります。もうすぐ雨季になって、雨の毎日が続くそうです。
この夏、日本の新聞でもスリランカの国内紛争についておおく報道されていました。シンハラ人とタミル人の扮装(正確には、タミル過激派「解放の虎(LTTE)」とスリランカ国軍との戦いですが)でたくさんの犠牲がでました。連日テレビでも報道されています。LTTEによる首都でのテロとその国軍による北部への報復爆撃が続いています。僕の住むガルネーワはスリランカの中央から少し北部寄りにあり、紛争地域とは全く無関係で安全な土地です。しかし、この町は典型的な農村であり就職難でもあるので、軍隊に入る人が多く、先日も近所に住む軍人が犠牲になりお葬式がありました。また、この紛争により原油価格も高騰し、ガソリンの値上がり、バスの値上がり、水道やガスも値上がりしています。一般の生活にも影響が及んでいます。
スリランカでの僕の活動は、CBRに関わるものです。CBRとはCommunity Based Rehabilitationの略で、障害をもった人たちがその地域で暮らすことができるように推進する国家プロジェクトです。国が発展するにあたり社会的弱者にあたる人たちが取り残されてきた先進国の経験を参考に、開発途上国では開発だけを進めるのではなく、同時に社会的弱者が取り残されないように社会福祉も進めています。
ここガルネーワでは僕を含めた青年海外協力隊員4人が活動しています。各小学校を巡回する養護の隊員、各家庭を巡回する養護の隊員、各家庭の生活面を担当する隊員、そして僕はここの青少年を対象にCBRの啓発活動を行います。
ガルネーワの各地区にYouthClubというのがあります。15歳から29歳までの青少年が地区ごとにグループを作り、スポーツ大会などの行事について企画、運営したり、ボランティア活動を行ったり、キャンプやワークショップに参加したりします。先日、トラネーガマ地区に行ってきました。この地区の青少年は積極的にクラブに参加して、いつも人数が多く活気があります。
トラネーガマYouthClub
また、週に一回アヌラーダプラからSurenaFoundationという組織がここガルネーワにやって来て、障害者を対象にしたワークショップが開かれます。ストレッチを中心にした体操をして、ゲームやショートドラマを行います。参加者には楽しみの一つになっています。
SuneraFoundationワークショップ ※上段左から三人目が伊藤です。
ここの人たちは僕に会うと「日本語を教えて欲しい」と口を揃えたかのように言います。スリランカでは日本の車や電化製品が憧れのようで、日本は夢の国であるようです。しかし、アジアのどこにあって、どれくらいの国土や人口を持つのかなど詳しくは知らない人がほとんどです。スリランカは紅茶の産地でもあり、三重がお茶で有名だと言うと、とても親近感を持ってくれます。日本だけでなく、三重県についてもいろいろ知ってもらえたらなぁと思っています。
平成18年9月15日年9月15日