大規模災害時の心理的支援
はじめに
心理的支援(こころのケア)は、大災害の場合には、とても重要な長期的支援の一つです。しかしながら、支援の方針・方向性を定めないままに複数の「こころのケアチーム」が現地に向かうと、被災地をかえって混乱させてしまうことになりかねません。また、被災地での受け入れ態勢や、計画や情報が不十分な状態で先んじて活動しようとすると、最悪の場合、被災地に害を与えかねません。災害の影響は、直後の混乱期を過ぎてからも長く続きます。心理社会的な支援活動は、地域社会に根ざし、持続可能なものであることが望ましく、これを立ち上げるには被災地の十分なアセスメントと準備が必要になります。
活動の基本的な態度
災害発生後早期(直後~4週間程度)に推奨されている心理的な支援法は「サイコロジカル・ファーストエイド(Psychological First Aid)」です。サイコロジカル・ファーストエイドは、治療を目的とした介入法ではありません。被災者に関わるすべての救援者、支援者にとって必要とされる基本的態度と、被災直後の苦痛を和らげるための介入方法をまとめたものです。
(日本トラウマティック・ストレス学会大震災支援情報サイトより抜粋)
サイコロジカル・ファーストエイド
日本語版作成:兵庫県こころのケアセンター
*「サイコロジカル・ファーストエイド実施の手引き」は、兵庫県こころのケアセンターのウェブ
サイトで入手できます。