HTLV-1ウイルスについて
HTLV-1とは、ヒトT細胞白血病ウイルス(Human T-cell Leukemia Virus Type 1)の略称で、
血液中の白血球のひとつであるリンパ球に感染するウイルスです。
HTLV-1に感染していても、ほとんどの方は生涯病気になることはありません。
しかし、一部の方は、ATL(成人T細胞白血病)といわれる血液の病気や、
HAM(HTLV-1関連脊髄症)といわれる神経の病気などを発症する場合があります。
主な感染経路は、母子感染と性行為による感染です。
普通の日常生活で感染するものではありません。
HTLV-1抗体検査について
HTLV-1抗体検査は、妊娠30週頃までに、妊婦健診を受診した際の血液検査で行います。
この検査で陰性であれば感染はしていません。この検査で陽性となった場合は、この検査だけでは
本当に感染しているかどうか分からないので、さらに精密検査を受ける必要があります。
栄養方法の選択について
赤ちゃんへの主な感染経路は、HTLV-1に感染したお母さんの母乳を介した母子感染ですが、栄養方法についてはお母さんの気持ちを大切にしつつ、それぞれのメリット・デメリットを十分に考えたうえで選択してください。
母乳を制限しなかった場合の母子感染率は15-20%、人工栄養のみで育てた場合は3-6%となっており、赤ちゃんへの感染の可能性を下げるために最も確実な方法は、母乳をあげずに人工栄養のみをあげることですが、どちらを希望する場合でも、産科主治医、助産師、保健師等に相談しましょう。
医療関係者、支援に携わる方へ
三重県におけるHTLV-1母子感染予防対策について、マニュアルを作成しています。
医療関係者や市町保健師等、支援に携わる方はぜひ下記をご参照ください。
三重県HTLV-1母子感染予防対策マニュアル(第4版)
参考リンク
令和4年度厚生労働科学研究費補助金(健やか次世代育成総合研究事業)「HTLV-1母子感染対策および支援体制の課題の検討と対策に関する研究(研究代表者 内丸薫)
平成22年度厚生労働科学研究費補助金「本邦におけるHTLV-1感染及び関連疾患の実態調査と総合対策」(研究代表者 山口一成)