27年3月普及現地情報
京都大学との共同プロジェクトで園芸品目推進のための改良型竹ハウス推進(第2報)
当普及センターでは儲かる農業を実現する一手法として、小面積の畑でも低コストで設置できる「竹ハウス」を提案しており、京都大学との共同研究で普及を進めています。
今回は、前報で設置した竹ハウスよりさらに短い作業時間で設置できる構造の開発に取組みました。京都大学、協力企業の協力を得て建設を進め、3月24日に竹ハウスが完成しました。今回のデザインでは、強度が若干劣るように感じられますが、建設に要するのべ作業時間が約90時間/aとさらに簡素化することができ、目標の100時間/a以下を達成しました。
今後は、野菜、花卉等の栽培指導を行うとともに、耐用年数や地域への普及について調査研究を進めていく予定です。
完成した竹ハウスの内部 プロジェクトメンバー
尾呂志『夢』アグリ」が平成26年度環境保全型農業推進コンクールにおいて、東海農政局長賞を受賞
平成27年3月5日に御浜町尾呂志地区の担い手グループ「尾呂志『夢』アグリ」が農林水産省主催の「平成26年度環境保全型農業推進コンクール」において、東海農政局長賞を受賞しました。
同賞は平成7年より毎年、農林水産省が環境保全型農業によって地域活性化に取り組む個人や団体を表彰しているものです。
今回評価を受けた内容は、水田における生物多様性を可視化して環境保全型農業への理解醸成を図る「生きもの調査」や、それを地元の学校田で小中学生と一緒に行い水稲栽培と環境との関わりを考えさせるなど、これまで環境保全型農業の取組を周知・実践してきた事です。
熊野古道地域センターで行われた授賞式では、東海農政局石垣生産部長から「環境保全型農業の先駆的モデル地区としてこれからも発展していただきたい」との激励と共に表彰状が手渡され、受け取った辻本代表は「農業を通じた地域活性化の方向性が見えてきた感じがしており、これからも地域のために頑張り続けたい」と話し、今回の受賞の喜びを会員と分かち合いました。
普及センターとしては、今回の環境保全型農業による地域活性化の取組を他地域にも広げ、支援をしていきたいと思います。
受賞を喜ぶ「尾呂志『夢』アグリ」 地域活性化について意見交換
水田における生物多様性を表すシール
中晩柑類「せとか」、「不知火」をタイ王国へ輸出
2月24日(火)、JA三重南紀統一選果場でタイ王国向け中晩柑類「せとか」1.5トン、「不知火」0.5トンの輸出検査が実施されました。タイ王国の検査官1名と農水省名古屋植物防疫所の植物検疫官3名により、果実が病害虫に犯されていないか、ルーペ等を使い入念に検査されました。
同日中に名古屋港へトラック便で輸送され、27日に名古屋港を出港、翌月7日にタイ王国へ到着しました。11日の現地検疫では、10ケース(90㎏)検査し、水腐れによるつぶれが2~3個見られた程度であり、その後の大きなクレームは発生していないとのことです。
12日から、バンコクのセントラルグループ高級店を中心に11店舗で、販売が開始されました。現地での評価は「せとか」は、果肉がジューシーで食味が良い。皮が薄くて剥きやすく、種が無いため食べやすいとのことで、昨年同様高い評価を受けました。それに加え、見栄えや大きさも良く、中華系の方向けに仏壇やお墓の供え用として需要が期待できるとのことで、「せとか」については、この時期に合わせた輸出が望ましいとのことでした。「不知火」は、昨年同様、酸味の強さが気になるとの評価となり、輸出時期を検討していく必要があります。
また、店舗における段ボール箱の中には、湿気と重みが原因と思われる箱の変形やつぶれが見られ、今後、段ボール箱の補強と輸送中の湿気対策が課題となりました。
みかんを検査するタイの検査官 トラックへの積み込みの様子
価格帯を引き上げる!「新あまっこ(仮称)」ブランドの実現に向けて
JA三重南紀温州部会では、三重ブランド認定を受けている「南紀みかん」を精力的に生産しています。そして、マルチ栽培みかんや「みえの一番星」を消費者の食卓に届けています。近年、全国的に同じ状況とはいえ、南紀の温州みかん販売も苦戦を強いられています。この状況を打開するために、「本当に美味いみかんで我が産地のフラッグシップ商品を作ろう」という機運が高まりました。もともと三重ブランドでは「あまっこ」というグレードを販売していました。この度はこの品質保証を発展させる取組です。選果場と営農指導機関が持っている品質・出荷に関するデータベースを活用して、取組候補園地を選出しました。
今後は、生育、生産状況の追跡把握をしながら、別集荷別出荷につなげる計画です。新ブランドの実現に向け、部会、JA、農業経営者への支援を続けていきます。
今の「あまっこ」と「みえの一番星」の10kgDB箱
・・・・・これから新たなブランドへ