平成28年7月普及現地情報
かんきつ農家の労働力確保対策としてコラボワークに取り組む
御浜町のかんきつ栽培農家では、鈴鹿市に拠点をもつNPO法人マザーズライフサポーター(以下マザーズ)と連携して、育児中のお母さん達に農繁期に就労をしてもらう「コラボワーク」に試験的に取り組んでいます。
取り組むきっかけとなったのは今年2月に開催された「農山漁村の集い」で、マザーズ伊藤理事長のお話を聞いたことです。鈴鹿市のお茶農家と実施した「コラボワーク」の事例発表でした。集いに参加していた御浜町の女性農業者が大変興味をもち、発表会後に伊藤理事長にお話を伺ったところ、紀州地区での実施にむけて連携して頂けることになりました。マザーズは、今年度も県の委託事業「みえの輝く女性就農実現支援業務」を受けており、紀州での取り組みはその一つです。
現在、集いに参加した御浜町の農家が受け入れ農家となり、コラボワークによるみかんの摘果作業が6月14日から始まっています。今回9名のお母さん達が参加し、週1~3日の勤務で10時~13時の一日3時間の就労を交代で行っています。雨や猛暑の中で作業することもあります。農作業が初めてのお母さん達にとって体力的な負担は大きいのですが、育児から少し離れて仕事に集中できることは精神的なリフレッシュになっているようです。受け入れ農家は、初めての方でも作業が分かりやすいよう工夫をしていました。お母さん達は一生懸命作業に取り組む方ばかりで、とても助かっているとのことでした。
紀州地域のかんきつ農家において、農繁期の人手不足は大きな課題の一つです。この課題解決の一手段として「コラボワーク」の取り組みを広げ、若いお母さん達に農家への就労を身近に感じてもらう、興味を持ってもらう機会にしていきたいと思います。
「コラボワーク」の取り組みは、みかん作業の収穫時期にも行う予定です。参加してくれるお母さん達、受け入れ農家の声を聞きながら、この地域にあった取り組みになるように今後も支援していきます。
平成28年産温州みかんの生育状況 ~摘果状況確認結果から~
JA三重南紀温州部会は、7月20日に極早生温州みかん全園地約1,500筆を手分けして巡回し、生育と摘果状況を取りまとめました。1園地毎に摘果の実施程度(赤札:まだまだ不足、黄札:もう一息、白札:現状良好)、小玉果率(横径35mm以下比率)、樹勢、病害虫の発生状況などを確認しました。
現時点では海岸部、山間部とも平年に比べると全般に肥大は良く着果量が多いとの結果でした。ただ、小玉果率が高く摘果不足と判断された園地は全体の7%程度ありました。樹勢や病害虫被害程度については平年並と判断されました。
本年産の温州みかんは全国的に着果量が多いと言われています。当産地も着果量が多いまま収穫期を迎えて小玉果が多くなることを防ぐため、この結果をもとにJAは摘果作業のさらなる励行を呼びかけています。
9月上旬には極早生温州の出荷が始まり、みかんのシーズンがスタートします。高品質果実生産のため、JA、温州部会と引き続き協働していきます。