26年9月普及現地情報
- 尾呂志地区と企業のCSR活動との連携による地域活性化第3弾
- 金山パイロットファーム農産物加工直売所「くまのParadise」オープン!
- “みえの一番星”出荷始まる!鈴木知事トップセールスでPR
- 新品種‘三重23号’(商標:結びの神)の地域流通による地域活性化への取り組み
尾呂志地区と企業のCSR活動との連携による地域活性化第3弾
9月13日に御浜町尾呂志地区の担い手グループ「尾呂志『夢』アグリ」と熊野市有馬町にて金型・部品を製作する「熊野精工株式会社」による地域の活性化への取り組み「尾呂志酒米プロジェクト2014第3弾」が開催されました。
今回は、熊野精工の社員と「尾呂志『夢』アグリ」会員、地元住民らによって、5月10日に手植えされた酒米「神の穂」の稲刈りと、しめ縄用の稲ワラ収集が行われました。
当日は天気に恵まれ、ヒエなどの雑草の除去やコンバインでは刈取りづらい侵入口や畦際の稲の手刈りを行いました。また、熊野精工の社員が「尾呂志『夢』アグリ」会員の指導のもと、実際にコンバインを運転し刈取り作業を体験するなど、両者が協力して稲刈りを進め、無事「神の穂」を収穫しました。
次回は、11月に今回収集した「神の穂」の稲ワラを使った「しめ縄づくり」を行なう予定となっています。また、今回収穫された酒米は、伊賀市の蔵元にて醸造し、一部を尾呂志のブランド酒として販売し、地域おこしの目玉として活用する予定です。普及センターとしても「熊野精工」と「尾呂志『夢』アグリ」の協働による地域活性化への取り組みに対して、継続的に支援してまいります。
作業の説明を聞く参加者 しめ縄用の稲ワラ収集 神の穂の収穫
金山パイロットファーム農産物加工直売所「くまのParadise」オープン!
熊野市の株式会社金山パイロットファーム(以下、同社)は、平成24年度に国の6次産業化総合化事業計画認定を受けるとともに、同計画を地域活性化プランと位置付け、新たに加工・直売事業に取り組むこととしていました。普及センターでは、構想段階から計画作りに関わる経営指導を行ってきました。
今回、平成25年度「6次産業化推進整備事業(事業主体:公益財団法人食品流通構造改善促進機構)」を活用して整備を進めてきた農産物直売・加工施設がオープンしました。9月15日に行われた開店式典は、多くの来賓の出席のもと、盛大に行われました。冒頭の挨拶で、同社の大西誠代表取締役から取組みの経緯が説明されるとともに、「『くまのParadise』という店舗名には、この店を農産物販売の拠点とし、熊野の若者が希望を持って楽しく儲かる農業に取り組む象徴的存在にする、という想いを込めた。」というお話がありました。
式典終了後、開店を待ちわびた来客が長蛇の列をなし、収穫が始まったばかりの超極早生みかん‘みえ紀南1号’やブルーベリー加工品を買い求めていました。
普及センターでは、今後も地域活性化プランに基づき、同社当該施設を拠点とした観光農園、加工体験、農産加工等、一体的な取り組みに対して支援をしてまいります。
来賓によるテープカット
“みえの一番星”出荷始まる!鈴木知事トップセールスでPR
9月20日、本年産極早生温州“みえの一番星”が、JA三重南紀から中京市場に出荷され、東海地域、大阪と県内の量販店を中心に初売りが始まりました。8月の日照不足には悩まされましたが、特にマルチ栽培園地の果実では例年を上回る品質です。他産地に比べて頭一つ抜き出た味の果実が提供されており、市場の評判も上々です。本年産の総出荷量は400t余りになる予定ですが、来年産以降増加すると考えられており、順次市場拡大していきます。
さて、販売開始の同日、JA三重南紀は三重県知事を招いて、鈴鹿市の大型量販店2店圃において、“みえの一番星”PRイベントを開催しました。“知事と生産者が語る「すごいやんか!南紀みかん」”と銘うち、軽快なトークと試食を勧めながらのトップセールスが行われました。イベント会場にご来場の皆さんからは、「甘さと酸っぱさが程よく、美味しいですね。」という感想が聞かれました。
普及センターは、この極早生温州系統が産地再編の重要品種であると位置付けています。栽培技術の高位平準化、集出荷体系の安定化に向けて、関係機関と引き続き協働していきます。
量販店における知事トップセールスの様子
新品種‘三重23号’(商標:結びの神)の地域流通による地域活性化への取り組み
当普及センター管内では御浜町内と紀宝町内の2グループにより、地域の活性化に寄与するために、地域の独自性を活かした‘三重23号’(商標:結びの神)の地域販売に取り組んでいます。
その一つ、紀宝町浅里地区では地域活性化プランに基づき、紀州地域では初めてのぐるみ型集落営農組織をめざして「集落全体で取り組む獣害対策」や「耕作放棄地対策」と連動した‘三重23号’の栽培に取り組んできました。収穫された本年産‘三重23号’は、栽培基準および品質基準を満たしており、「結びの神」としての町内の「道の駅」で販売を開始しています。
9月28日に紀宝町の主催で「結びの神」の名前に因んだ「結びの神で恋実れ!!!秋の婚活BBQパーティー」が浅里地区で開催されました。浅里で収穫された「飛雪米~結びの神~」で「おむすび」を結んでもらい、カップル賞では生産者の皆さんが小分けした「飛雪米~結びの神~」を2合ずつプレゼントしました。今後もいろいろなイベントでの試食販売などの企画に意欲的です。耕作放棄地の解消を目的として始まった‘三重23号’の栽培は、「結びの神」の販売による地域の活性化へと実を「結び」つつあります。
普及センターは「結びの神」を活用した「儲かる農業」を支援し、地域が自ら活性化へつなげる活動を実践できるよう、関係機関と連携して支援を行っていきます。
道の駅での販売風景 婚活イベントで成立したカップルと「結びの神」