26年7月普及現地情報
かんきつ産地における新規就農者の確保対策
三重南紀元気なみかんの里創生プロジェクト協議会では、その事業展開のなかで東紀州かんきつ産地の担い手確保対策として、新規就農者の募集とその後の就農支援を行っています。
6月14日に開催されました就農支援イベント「新・農業人フェア2014大阪会場」では、熊野市と普及センターの担当者で相談を受けました。その相談者の中から農業体験を希望された県内外の3名を招いて、6月28~29日の2日間、産地見学会及び農業体験学習会を開催しました。
1日目は、まず、御浜町かんきつ対策室から、学習会スケジュールの確認とみかん栽培の概要について紹介しました。その後、指導農業士・高岡氏にお願いして、サンフルーツ(新甘夏)摘果作業の実習を行いました。その後の意見交換では、主に農地と住家の確保、休みのとり方、経営面についての質問が出ていました。
2日目は、鈴木氏園地にて、早生温州ミカン半樹摘果の実習を行いました。鈴木氏は他地域からの新規就農者なので、参加者からは就農時における苦労話についての質問が多く出されました。最後に、近隣のかんきつ園地、農産物直売所等も見学してもらいました。
2日間を通じて、3名はとても真面目に作業・研修に取り組んでいました。うち2名は、この地域での就農を前向きに考えている印象をうけました。
今後も積極的に農業体験の受け入れを行い、次のステップの農家研修に結び付けて、新規就農者の確保に努めます。
摘果作業
尾呂志「夢」アグリと尾呂志学園による生物多様性調査
御浜町尾呂志地区の担い手グループ「尾呂志『夢』アグリ」は水田に棲む生物の多様性調査を行うことで環境にやさしい米づくりの「見える化」に取り組んでいます。
7月11日に地域の小中学校併設校である尾呂志学園の生徒と一緒に「生物多様性調査」を行いました。当日は台風一過で天気にも恵まれ、尾呂志学園中学校生徒5人と環境指標生物である「ツチガエル」、「トンボ」、「アシナガグモ」、「コモリグモ」の生息数を調査しました。中学生たちは自分たちの学校田が環境指標生物以外にも多くの生物を育んでいることに気づき、また稲の生育についても学ぶことができました。一方で、「尾呂志『夢』アグリ」のメンバーも稲作りを楽しむ生徒たちから刺激を受け、また「見える化」の重要性について再認識した様子でした。
学校田は、9月に稲刈りが行われる予定となっています。普及センターは「尾呂志『夢』アグリ」と尾呂志学園の活動支援を通じて、環境にやさしい米づくりの「見える化」の取り組みを支援していきます。
アシナガグモの調査 コモリグモの調査