26年6月普及現地情報
かんきつ産地ブランド化ワーキングチームの実働
JA三重南紀は極早生温州が主力の産地ですが、不振が続く品目については、振興品種や新たな品種への転換を進めており、それらのブランドを着実に確立していくことが課題と考えています。
そこで、他産地の事例も参考にしながら、関係者によるプレ勉強会を経て、平成26年1月31日に元気なみかんの里創生プロジェクト協議会事業の一環として、ブランド化を実現するためのワーキングチーム(以降WT)を立ち上げました。WTには、チームリーダー、アドバイザーと販売部門、栽培部門、庶務部門の担当を配置し、検討した方針がすぐに実践できる体制を作りました。
WTでは、手始めに我が産地の10月下旬の商材である味3号のブランド化の可能性に着目しました。そして、毎月1回のWT会議を開催してきました。
ところで、WTが行った聞き取り調査の結果から、単収を上げることが最重要課題であることが解りました。このポイントに絞って「味3号栽培講習会」を実施し、併せて意見交換会も持ちました。当日は、生産者42名の参加があり、園地条件、隔年結果、減酸・着色不良対策などに関する意見や質問が出されました。この意見交換を受け、次の摘果講習会の開催に併せて、栽培状況についての園地総点検を実施することにしました。栽培面の課題解決を図りながら秋の販売に繋げ、まずは味3号のブランド確立を目指します。普及センターはWTの一員として、まず一つ目のブランド品目の確立に向け、提案と実践を行っていきます。
講習会の様子1 講習会の様子2
尾呂志「夢」アグリと熊野精工株式会社による地域活性化 第2弾
6月28日に御浜町尾呂志地区の担い手グループ「尾呂志『夢』アグリ」と熊野市有馬町にて精密機械を製作する「熊野精工株式会社」による地域の活性化への取り組み、「尾呂志酒米プロジェクト2014第2弾」が開催されました。
今回は、熊野精工の社員と「尾呂志『夢』アグリ」会員、地元住民らによって、5月10日に手植えされた酒米「神の穂」の圃場で、農業環境指標を用いた生物多様性の調査と、草取りが行われました。
当日は雨にもかかわらず、多くの熊野精工の社員と「尾呂志『夢』アグリ」会員が参加し、環境指標の一つである「ツチガエル」の生息数を調査するとともに、圃場に入ってヒエやコナギなどの雑草を手作業で取り除きました。
調査の結果、多くの「ツチガエル」が見つかり、環境に配慮した米作りである事が示されるとともに、除草作業では約一時間半の作業で肥料袋約35袋分の雑草が取り除かれました。
次回は、9月に稲刈りが行われる予定となっております。また、収穫された酒米は、伊賀市の蔵元「大田酒造」で醸造し、一部を尾呂志のブランド酒として販売し、地域興しの目玉として活用する予定です。普及センターとしても「神の穂」の栽培支援をはじめ、「熊野精工」と「尾呂志『夢』アグリ」の、尾呂志のブランド酒づくりの支援に取り組んでいきます。
普及センターからの説明 生物多様性調査の様子 除草作業の様子