26年4月普及現地情報
- 飛鳥たかな生産組合のハウス土耕たかな栽培の取組について
- みかんづくり始めました!
- 都市住民との交流事業で遊休農地を解消~紀宝町浅里地区「飛雪の滝百姓塾」~
飛鳥たかな生産組合のハウス土耕たかな栽培の取組について
飛鳥たかな生産組合は、熊野市内のたかな生産者が母体となり、生産・加工・販売まで一貫して行っている団体です。平成25年度作付について、ハウス土耕でのたかな栽培を行いましたので、その結果を報告します。
たかなは霜にあたると、葉が萎れ、傷んでしまい商品になりません。そのため、霜が降りる期間はトンネル栽培を行います。「厳冬期にトンネルをめくりながらの収穫は、腰・膝などの関節が痛くなるので、栽培が辛い」との声が生産者から挙がっていました。その作業環境を改善できないかと、今回ハウス土耕栽培に取り組みました。
ハウス土耕栽培では上記のトンネルの役割をハウスが担うことで、日頃のビニール開閉による温度管理がより簡便になりました。また、収穫時にもトンネル開閉作業やトンネルの弓・ビニールによる収穫動作への阻害がないために、作業が楽になったとのことです。さらに作業中に寒風にさらされないため、膝などが痛くなりにくい、と好評でした。
ハウス土耕たかなは、露地たかなと比べて若干の着色ムラと葉の厚みが薄くなることがみられましたが、たかな漬け商品自体には問題はありませんでした。収穫期については、4月末の収穫終了まで露地トンネル栽培並みに十分収穫できました。収量も露地トンネル栽培並みでした。
作業者の防寒性や作業性の良さから、平成26年度作付からハウス土耕たかな栽培を行う生産者が増加する予定です。露地トンネル栽培と収量が変わらなかったため、ハウスをより有効活用できるよう、たかな裏作の野菜栽培について支援していきます。
廃トマトハウスを活用した 4月のたかな(左:ハウス 右:露地トンネル)
ハウス土耕たかな栽培
みかんづくり始めました!
熊野市、御浜町、紀宝町、JA三重南紀、県熊野農林事務所で構成する三重南紀元気なみかんの里創生プロジェクト協議会では、新規就農によるかんきつ栽培の担い手確保対策を実施しています。
昨年、愛知県出身のKさんより就農相談があり、産地見学・農業体験、短期研修を経てみえの就農サポートリーダーやJAによる約1年間の研修を無事終了することが出来ました。
研修期間中に約80aの園地を借り受ける目途が立ち、先日借り入れに関する手続きが行われ、正式に就農する運びとなりました。
今後は、JAおよび普及センターにより技術支援等受けながら所得目標の達成を目指します。
借農地にて管理作業
都市住民との交流事業で遊休農地を解消~紀宝町浅里地区「飛雪の滝百姓塾」~
紀宝町浅里地区は平成23年紀伊半島大水害の被災をうけ、県内外からのボランティアによる支援によりその復旧がすすめられました。概ね復旧した現在でも災害支援にあたった都市部のボランティアとは交流が続いています。
4月26日に被災後遊休農地であった18aの水田を使ってボランティアによる田植えが行われました。NPO法人愛知ボランティアセンターの協力により、愛知県の岡谷鋼機株式会社の新人研修・社会的貢献を目的として昨年より行われているものです。地域の営農組織である「飛雪の滝百姓塾」が遊休農地の復帰、田植えの指導を行い、今後の栽培管理を行っていきます。8月には稲刈りも行われる予定です。
「飛雪の滝百姓塾」は平成25年12月に浅里地区の農地を守るための「地域活性化プラン」を策定し活動しています。地域の営農組織と企業の協働による地域の農業を守る活動が来年以降も継続して取り組めるよう、普及センターは支援を行っていきます。
田植えの様子