平成29年8月普及現地情報
紀州普及センター管内で2つのCSR活動(稲刈り)が実施されました。
現在、紀州地域農業改良普及センター管内では、紀宝町浅里地区と紀宝町神内地区の2地区において、「三重のふるさと応援カンパニー推進事業」を活用し、農村と企業の間で「農山村活性化の取組に関する協定」が結ばれています。
【紀宝町浅里(あさり)地区飛雪の滝百姓塾と愛知県岡谷鋼機株式会社】
8月19日、紀宝町浅里地区飛雪の滝百姓塾と愛知県岡谷鋼機株式会社のCSR活動の一環として、稲刈りが行われました。今年度は協定を結んで3年目という区切りの年であり、岡谷鋼機株式会社からは岡谷篤一社長をはじめ、役員、社員、その家族等、約25名が参加しました。約8aの圃場において飛雪の滝百姓塾が手塩にかけて育てた「三重23号」を手刈りにて収穫しました。収穫されたお米は浅里「飛雪米」として販売されます。また、今年度は11月に催される新嘗祭に三重県のお米として献穀されます。収穫時には、コンバインによる収穫も同時に行われました。その際、来ていた子供たちがコンバインの搭乗体験をさせてもらっており、初めは怖がっていましたが、最後には楽しそうにしていました。稲刈り終了後には、浅里地区の名所である「飛雪の滝」にて小休憩を行いました。休憩時には地元の方と社員の方の交流ができており、収穫作業だけでなく、このような時間も大切だと感じました。その後、飛雪の滝百姓塾が管理している畑の除草とマルチシートはがしを行いました。人手が多いためあっという間に終了し、「これからすぐに野菜づくりに取り組むことができる」と飛雪の滝百姓塾の方が喜んでいました。今年度が協定の区切り年ですが、今後も継続していきたいという双方からの意向があり、来年度以降も継続していく予定です。
稲刈りを見守る子供 | コンバインの搭乗体験 | 飛雪の滝百姓塾と 岡谷鋼機株式会社の方々 |
【紀宝町神内(こうのうち)地区生き活き協議会と紀宝町紀南電工株式会社】
8月20日、紀宝町神内地区生き活き協議会と紀宝町紀南電工株式会社のCSR活動の一環として、稲刈りが行われました。生き活き協議会と紀南電工株式会社は今年4月に協定を結んだばかりです。4月には耕作放棄地になる予定だった圃場に田植えを行いました。今回の稲刈りは、この圃場で育てられたコシヒカリの収穫でした。紀南電工株式会社 矢野剛社長をはじめ、社員45名ほどが参加し、約10aの圃場の半分程度を手刈りしました。手刈りした稲はコンバインを用いて、脱穀しました。その際、コンバインは止まっているため、はきだされた稲わらが山になっていくのですが、「これは次の肥料になる」と地元の方の指導のもと、山になった稲わらを圃場に均一にばらまく様子も見られました。手刈りした以外の残りの稲は、コンバインを用いて収穫を行いました。中国人女性社員がコンバインでの収穫体験をさせてもらっており、その感想などを地元の方と談笑している様子が印象的でした。最後の挨拶では、神内生き活き協議会猿口芳志代表が「耕作放棄地になる予定だった田んぼでお米をつくることができて嬉しい。今後こういった場所をもっと増やしていきたい」と述べ、稲刈りが終了しました。今年度は地域、企業お互いに探り探りの状態での取り組みとなりましたが、来年度は、より地域が一体となれるような取組を行っていきたいとのことです。
これらの活動が発展し、相互理解や地域の活性化に繋がるよう紀州地域農業改良普及センターでは、引き続き、地域と企業のつながりを支援していきます。
稲刈り方法を学ぶ | 刈りとった稲を脱穀 | 神内生き活き協議会と 紀南電工株式会社の方々 |
新しい農家の卵が株式会社オレンジアグリで1年間の研修を開始しました。
柑橘産地の東紀州地域は、県内でも高齢化が著しい地域であり、農業では高齢化に伴い、耕作放棄地の増加、生産量の減少などが進んでいます。これからの産地の維持・発展のためには、新規就農者の確保が急務となっています。当普及センターでは、管内の関係機関※1と「三重南紀元気なみかんの里創生プロジェクト協議会(以下みかんの里協議会)」を組織し、新規就農者の確保に取り組んでいます。みかんの里協議会に問い合わせのあった新規就農希望者が、柑橘での独立就農を目指し、株式会社オレンジアグリ※2(以下オレンジアグリ)で1年間の長期研修を開始しました。
8月8日に研修条件の同意書が交わされ、8月9日に長期研修の開始となりました。オレンジアグリにとっては初めての研修生受入となります。研修開始にあたっては、研修受入体制の整備が円滑に進むよう支援を行いました。また、新規就農希望者とオレンジアグリが研修中の条件を納得した上で始められるよう、お互いに話ができる場を設け研修開始へつなげました。
今回の研修は大きなトラブルもなく始まりましたが、これからも新規就農希望者が栽培、農業経営を学び、独立就農し、地域の重要な担い手となるよう、引き続き関係者と連携しながら支援を行っていきます。
※1:JA三重南紀、熊野市、御浜町、紀宝町
※2:JA三重南紀が100%出資した株式会社。
オレンジアグリでの研修風景 |