平成29年6月普及現地情報
御浜町と紀宝町で生き物調査が行われました。
御浜町尾呂志地区と紀宝町相野谷地区、桐原地区、神内地区、浅里地区で環境保全型農業に取り組む水稲農家による生き物調査が行われました。この生き物調査は、環境保全型農業に取組んでいる水田に特徴的に現れる生物を指標生物として調査します。これを点数(スコア)化することによって、環境にやさしい米づくりを目で見える形で評価することができます。
6月7日、尾呂志地区の担い手グループ「尾呂志『夢』アグリ」が、地域の小・中学校併設校である尾呂志学園の生徒と一緒に生き物調査を行いました。今回の対象生物はツチガエル、ヌマガエル及びトンボであり、3人1組で畔際に潜む生き物の数を数えました。生徒たちは自分たちが栽培している田んぼに多くの生物がいることを知り、楽しんでいる様子でした。また、「尾呂志『夢』アグリ」のメンバーが羽化したばかりのトンボを見つけて、生徒たちと交流しており、生徒たちは目を光らせて観察していました。
一方、6月8日には、紀宝町で生き物調査が行われました。始めは雨が降る中での調査となり、カエルはある程度みられましたが、トンボはあまりみられませんでした。調査が後半になるにつれ、天気も回復し、ヤゴから羽化するトンボもみられるようになりました。「今年はカエルが少ないな」といった声が農家から聞こえ、毎年の生物数の変化を実感している様子が伺えました。
今後、指標生物であるクモの調査を行い、カエルとトンボのスコアとあわせ、環境に配慮した取り組みの効果を検証していきます。
尾呂志学園生徒と生き物調査をする様子 | 紀宝町での生き物調査 |
温州みかんのあら摘果講習会が開催されました。
JA三重南紀温州部会では、年間を通じて栽培管理講習会を開催しています。その年の生育状況や気象状況等を踏まえた講習会を開催することで、地域全体の温州みかんの品質向上、ひいては温州部会員の栽培技術向上を目的としています。講習会の開催にあたっては、JA三重南紀、管内3市町、紀南果樹研究室、当普及センターで組織される営農連絡協議会で講習会の内容を検討しています。その栽培管理講習会の1つである、あら摘果講習会が6月9日に管内7ヵ所で開催されました。
講習会ではJA三重南紀営農指導員が資料と実演で説明しました。資料説明では今年の管内温州みかんの生育や気象、あら摘果をする上での注意点及び農薬の適正使用と防除についての注意点などを周知しました。実演では、資料説明だけでわかりにくい部分について、実際の作業を見てもらいながら説明しました。参加した部会員からは、実演時にあら摘果やそれ以外の様々な質問がされ、栽培管理について理解が深まっているように感じ取れました。
当地域は温州みかん、特に極早生温州みかんの産地です。極早生温州の更なる品質向上は、当産地が「攻めの農業」を実践するための大きな課題となっています。今後も関係機関と連携しながら、産地力の向上に努めていきます。
資料説明の様子 | 実演の様子 |