平成10年度 II 調査結果
2 県行政の各分野の取り組みに関する重要度、満足度
県行政の各分野の取り組みについて、総合計画に掲げた施策の内容に沿って質問項目を設定し、県民の生活にとっての重要度と、行政の取り組みに対する満足度を尋ねた結果は次のとおりであった。
(1) 重要度 (報告書 P18-19参照)
- ほとんどの項目で、重要意識(「重要」「どちらかといえば重要」と答えた人の率の計)がおおむね50%以上に達しており、重要性に対する認識は全体として高い。
- 重要意識が高い順に5項目をあげると、
- 安心な水の安定確保 (94.0%)
- ごみの減量化 (92.8%)
- 川や海の水質浄化 (90.9%)
- 大気汚染防止対策の強化 (89.1%)
- 患者本位の医療体制の確保(89.0%)
(2) 満足度(報告書 P20-21参照)
- 各質問項目とも「どちらともいえない」が、ほぼ30%~50%と多くを占めている が、満足意識(「満足」「どちらかといえば満足」と答えた人の率の計)と不満意識 (「不満」「どちらかといえば不満」と答えた人の率の計)を比べると、ほとんどの項目で不満意識の方が高くなっている。
- 満足意識が高かったのは、
- 安心な水の安定確保 (34.9%)
- 文化遺跡等の保存 (31.5%)
- スポーツ施設の整備 (24.3%)
- 不満意識が特に高かったのは、
- ごみの減量化 (52.2%)
- 川や海の水質浄化 (50.1%)
- 雇用・勤労者福祉 (48.0%)
- 快適なまちづくり (47.3%)
- 大気汚染防止対策の強化(45.0%)
- 各項目の満足度を年代別にみると、ほとんどの項目で年代が高くなるほど満足意識が高くなり、逆に不満意識は低くなっている。
- 各項目の満足度を生活創造圏別にみると、満足意識については総じて圏域間の差が少ないが、不満意識については、圏域間の差が大きいものがみられる
(3)生活創造圏別
- 重要意識が最も高い項目は、桑名・員弁、伊賀、津・久居、松阪・紀勢、伊勢志摩、 尾鷲、熊野の7地域で「安心な水の安定確保」、四日市、鈴鹿・亀山では「ごみの減量化」となっている。
- 満足意識が最も高い項目は、伊賀、津・久居を除く7地域では「安心な水の安定確保」であり、伊賀と津・久居では「文化遺跡等の保存」となっている。
- 不満意識が最も高い項目は、桑名・員弁、四日市、鈴鹿・亀山、松阪・紀勢の4地域 では「ごみの減量化」、伊勢志摩、尾鷲の2地域では「雇用・勤労者福祉」、伊賀では「国道等の改良・整備」、津・久居では「快適なまちづくり」、熊野では「30分交通圏の拡大」となっている。
(4)主な項目の満足度
個別の項目についての満足度の特徴的なものをあげると以下のとおりである。
- 「人権侵害や差別をなくすための取り組み」
約半数の47.5%が、「どちらともいえない」としており、満足意識(17.8%)と不満意識(16.6%)がほぼ拮抗している。
- 「青少年の健全育成」
全ての年代で不満意識が満足意識を上回っており、とりわけ40歳代の不満意識が46.7%と高くなっている。
- 「職場へのボランティア休暇の導入など、住民が市民活動に参加しやすい条件の整備」
不満意識が31.5%とかなり高く、全ての年代で不満意識が満足意識を上回っている。
- 「防災対策への取り組み」
不満意識(29.5%)が満足意識(18.4%)より10ポイント以上高い。満足意識、不満意識ともに生活創造圏別の格差はほとんどない。
- 「洪水や高潮、土砂災害などへの対策」
県全体の不満意識26.7%に対して、熊野、尾鷲ではそれぞれ43.8%、35.8%と高くなっている。
- 「高齢者や障害者の就労条件などの整備」
不満意識(39.5%)がかなり高く、全ての年代で満足意識を上回っている。
- 「母子保健対策、保育サービスなど子育て環境の整備」
県全体の不満意識25.6%に対して、30歳代の不満意識が45.6%と特に高くなっている。
- 「訪問介護など保健・福祉サービスの提供」
不満意識が33.1%とかなり高く、40歳代が最も高く(40.4%)なっている。
- 「ごみの減量化」
不満意識(52.2%)が45項目中最も高くなっており、全ての年代で満足意識を上回っている。
- 「川や海の水質浄化」
不満意識が50.1%で、45項目中で2番目に高い。
- 「新しい分野の産業の育成や先端的企業の誘致」
生活創造圏別にみると、不満意識についての地域間格差が大きく、伊勢志摩(36.3%)、尾鷲(41.2%)、熊野(41.8%)の不満意識が高い。
- 「空港、新幹線、高速道路など高速交通機関までおおむね30分で到達できる地域の拡大」
生活創造圏別にみると、不満意識についての地域格差が大きく、熊野(63.6%)、尾鷲(52.2%)の不満意識が著しく高くなっているほか、伊賀(43.9%)もかなり高くなっている。
- 「公園や歩道、段差のない公共的施設など快適なまちづくり」
不満意識が45項目中4番目に高く、全体の47.3%が「不満」あるいは「どちらかといえば不満」と回答している。年代別にみると30歳代の不満意識が58.0% と特に高い。