7.人々の集まりにお寿司
|
人々はうれしいにつけ悲しいにつけ集うとき、寿司を作ります。特に山林の豊かな三重県では木枠を使って押し固める押し寿司が多く見られます。海山町では木製の押し型にすし飯を入れ、その上に甘煮した人参、ごぼう、椎茸、酢締めさんまの切り身を並べ、山みょうがの葉を置き、これを4回重ねて4段重ねにして重石をします。扇形に切って供します(写真)。尾鷲では、小さい押し枠に二段重ねて抜くこけら寿司があります。 海の恵の多い三重県では魚を姿のまま使う姿寿司も多く見られます。海山町のかます寿司(写真)、東紀州のさんま寿司、熊野市では小あじ寿司もあります。さんま寿司を薄い白板昆布で巻いた昆布寿司も美味しい。 同じ姿寿司でも、なれずしが各地に残されています。なれずし(写真)とは、酢を使わず乳酸発酵によって酸味を出す寿司で、東紀州にはさんま・さば・あゆのなれずし、伊勢市周辺のあゆのなれずし、芸濃町・阿山郡のこのしろずしなどです。なれずしは作られる時期が限られ、東紀州以外ではあまり市販されていません。 |
押し寿司 かます寿司 なれずし |