疑問・質問にお答えします
1)「はかり」はすべて定期検査の対象?
『取引又は証明』(有償無償を問わず)に使用している「はかり」は2年に1度の定期検査を受けなければなりません(計量法第19条)。
『取引又は証明』に該当するはかりの使用例は次のとおりです。
A.商品の計量販売、内容量表記用
B.医療機関、学校等における体重測定用(健康診断証明用)
C.医療機関、薬局等における薬の調剤用
D.宅配業における荷物の料金算出用
E.郵便局に置かれている料金決定用
F.体重別スポーツ競技における体重測定用
『取引又は証明』に該当しないはかりの使用例は次のとおりで、これらに使用するはかりは定期検査を受ける必要はありません。
A.食堂や学校の給食における調理用
B.温泉の風呂場や家庭で使用する体重測定用
C.郵便局へ出す前の個人的な郵便料金確認用
2)特定計量器って何?
計量するための器具、機械又は装置を『計量器』といいます。その中でも、計量法の規制を受けているものを『特定計量器』といい、はかりやタクシーメーターなど18種類あります。
計量法の規制の対象となるのは、取引などにおける計量に使用されたり、一般消費者の生活で使われている計量器(例えば体温計や体重計)のうち、適正な計量の実施を確保するためにその構造や器差(真実の値と計量器の値との誤差)に係る基準を定める必要があるものです。
『計量器』の主な例
ます・フラスコ・目盛付きのタンク・特定計量器
『特定計量器』の主な例
質量計・タクシーメーター・ガスメーター・水道メーター・体温計・血圧計
『計量器でないもの』の主な例(計量することができる器具、機械又は装置)
バケツ・定規・ペットボトル・瓶・コップ
3)検定と検査はどう違う?
計量法に明確な定義はありませんが、「検定」は計量器が製造又は修理されてから使用される前に行う検査で、「検査」は計量器の使用中に定期的に行う検査をいいます。検査の誤差(使用公差)は検定の誤差(検定公差)の2倍です。つまり「検定」のほうが「検査」より2倍厳しいのです。
4)皮革面積計って何?
皮革面積計とは牛革などの面積をはかる計量器です。ご存知の方はほとんどいないと思いますが、牛革などは重量や体積ではなく、面積で取引されています。
皮革面積計は、非自動はかり・分銅・おもりと同じく定期検査の対象となる計量器です。ところが、三重県内で皮革面積計を使用している方は、現在はもちろんのこと過去にもいません。つまり、三重県計量検定所が皮革面積計の定期検査を行なったことは今まで1度もありません。
稼動している様子をみたこともなければ、実物を見た人も皆無であろう皮革面積計、そんな貴重な皮革面積計の写真を入手しましたので添付します。
5)特定市ってどんな市?
計量法では、特に住民と密接な事務である「はかりの検査、立入検査など」については、市町村がその業務を行うことによって、よりきめ細かな行政サービスが期待できるため、特定市制度を設けています。
三重県内では、津市と四日市市が政令により特定市に指定されています。
6)計量行政は自治事務?
平成12年4月1日に施行された『地方分権推進一括法』(地方分権の推進を図るための関係法律の整備に関する法律)により、計量器の検定・検査や検定等手数料の制定・徴収等ほとんどの事務は、従来の国の機関委任事務から自治事務となりました。
このことにより、これまでの検定・検査業務に加えて、各種立入検査などの監視・監督業務の充実も求められています。
7)産業技術総合研究所って何?
平成13年4月1日から旧通商産業省工業技術院の15研究所と計量教習所が統合され、「独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)」が設立されました。(平成27年4月から『国立研究開発法人』に移行)
産総研では、我が国の産業技術の発展と国際市場での円滑な経済活動を支えるために、計量標準の研究・開発・供給、計量器の検定・検査・試験、計量に関わる国際対応や研修をはじめ地質の調査、エネルギー、環境技術、新産業の創出など幅広い分野での研究・開発を行っています。
計量標準は科学技術の基盤であり、我が国を代表する国家計量標準機関として、計量標準を社会へ供給するという重要な責務を負っています。
産業界や生活の安全に必要なさまざまな標準や計測技術の開発を行い、さらに計量に関わる技術・技能を広く普及するために、計量士や計測技術者の養成にも取り組んでおり、計量検定所からも計量に関する各種の研修の受講に出向いています。