管理不全の空き家が引き起こす問題
住宅の管理を適切に行わずに放置しておくと、老朽化が進み、以下のように周辺に悪影響を及ぼすおそれがあります。●安全性の低下
建物の老朽化により、地震や台風などの災害で空き家が倒壊し、隣接住宅を破損させる、または道を塞いでしまうなど悪影響を及ぼす可能性があります。また、屋根瓦や外壁が強風で落下・飛散し、通行人が負傷する危険性も考えられます。
●衛生環境の悪化
ごみの放置や不法投棄により悪臭が発生する、ネズミやハクビシンなど動物が棲みつく等、衛生環境が悪化し、周辺に悪影響を及ぼす可能性があります。
●景観の悪化
外壁の汚れや破損、窓ガラスの割れ、立木の繁茂等、景観を著しく損ねる可能性があります。
●治安の悪化
施錠されていなかったり、カギが破壊されたりすると、不審者が容易に侵入でき、不法滞在や放火・犯罪等により地域の防災性、防犯性が低下する恐れがあります。
建物の倒壊や物の落下などで周囲の建物や通行人に被害を及ぼした場合、建物所有者又は管理者は、損害賠償などで管理責任を問われる可能性があります。
【参考】
・民法(一部抜粋)
(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
第717条 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
・空家等対策の推進に関する特別措置法(一部抜粋)
(空家等の所有者等の責務)
第3条 空家等の所有者又は管理者(以下「所有者等」という。)は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等の適切な管理に努めるものとする。
空家等対策の推進に関する特別措置法
適切な管理が行われていない空き家の存在が防災、衛生、景観等の面から地域の生活環境に深刻な影響を及ぼしています。こうした状況から国において「空家等対策の推進に関する特別措置法」が平成27年2月26日より施行(同年5月26日に全面施行)されました。法律に関する情報は、下記の国土交通省ホームページをご覧ください。
空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報(国土交通省HP)
空き家の適正管理
空き家等の適正な管理は「所有者、管理者の責務」です。
「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、「空家等の適切な管理を所有者などの責務」と定めています。所有者、管理者の方は、所有、管理している空き家等の状況を定期的に確認し、適切な維持管理に努めてください。