建築士事務所及び建築士の皆様へ
日頃は、三重県の建築行政に多大なるご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
近年、建築士に対する社会からの信用を失墜させる事件が相次いで発生しています。建築士は市民生活の基礎をなす建築物の建築において、その根幹を担う存在であり、市民の安全安心の確保のために、極めて大きな社会的責任を負っています。
建築士事務所及び建築士の皆様方におかれましては、更なる適正な業務の推進に向けて、業務の再点検をお願いいたしたく、ここに啓発資料を作成しましたのでご案内申し上げます。
平成24年4月 三重県県土整備部建築開発課
建築士制度について
(1)建築士事務所
建築士事務所には専任の管理建築士を設置する必要があります。管理建築士は事務所における技術的事項を総括し、適正な設計及び工事監理等が行われるように開設者等に意見を述べるなど建築士事務所を管理する義務があります。
また、建築士事務所の開設者は、建築士法(以下「法」という。)等により、業務を行うにあたっては、以下の義務があります。
- 建築士事務所に所属する建築士の氏名、業務実績等を毎年度都道府県知事に報告すること(法第23条の6)
- 業務に関して国土交通省令で定められた事項を記載した帳簿の備え付け及び保存すること(法第24条の4第1項)
- 設計図書等の保存をすること(法第24条の4第2項)
- 国土交通省令で定められた建築士事務所の標識を公衆の見易い場所に掲示すること(法第24条の5)
- 所定の様式に建築士事務所が行った業務の実績等を記載した書類を作成し閲覧させること(法第24条の6)
- 設計、工事監理受託契約締結前に、受託契約の内容及び法令で定められた事項を記載した書面を交付し、説明すること(法第24条の7)
- 設計又は工事監理の委託契約を締結したときは、委託者に対して遅滞なく法及び国土交通省令で定められた内容を記載した書面を委託者に交付すること(法第24条の8)
(2)建築士
建築士は、その業務を誠実に行い、建築物の質の向上に努めなければなりません。また、業務を委託する者に対し、業務の内容に関して適切に説明を行うなど、紛争の未然防止に努める必要があります。その他業務を行うにあたっては以下の義務があります。
- 他の建築士が設計した設計図書の変更にあたっては、原設計者の承認を求めること(法第20条第1項)
- 設計図書へ建築士の資格の表示と記名及び押印すること(法第20条第1項)
- 構造設計によって建築物の安全性を確かめた場合においては、遅滞なくその旨の証明書を設計の委託者に交付しなければならない(法第20条第2項)
- 工事監理を終了したときは、所定の様式によりその結果を報告すること(法第20条第3項)
- 一定規模以上の建築物については、構造設計一級建築士・設備設計一級建築士による法適合性をチェックすること(法第20条の2第2項、同条の3第2項)
- 建築設備に係る設計又は工事監理を行う場合に、建築設備資格者の意見を聴いたときは、設計図書又は工事監理報告書に資格者の氏名等その旨を明らかにすること(法第20条第5項)