ポイント5 やっぱりダメ。契約の解消は?
契約をやめるときは、よりよい判断が必要
(1)契約は、守るべきものです。契約が成立した以上は、その効力を一方的に否定することはできません。契約は本来守るべきものだからです。したがって、解約という行為には「リスク」をもとなう場合もあります。
契約の解除には、どのような方法があるの?
(1)法律の規定に基づいた解除
- クーリング・オフ制度により解除できる場合があります。
- 契約違反による解除があります。買主が代金を支払ったにもかかわらず売主(業者)が物件の移転登記・引渡をしてくれないような場合は、買主は民法の定めに基づき履行の催告(解除通知含む)をしたうえで契約を解除することができます。
- 瑕疵担保責任による解除があります。宅地として買った土地に家が建たないなど、物件に瑕疵があり、契約をした目的が達成できない場合に限り、買主は契約を解除できます。
(2)手付放棄による解除
- 契約にあたって、買主から売主に対して手付が交付されると、その手付は原則として解約手付と解されます。売主または買主は、その相手方が履行に着手するまでの間であれば契約を解除することができます。例えば、100万円の手付を払っている場合、買主はその100万円を放棄すれば契約を解除できますし、売主は受け取った100万円と同額をプラスして200万円を買主に戻すことによって(手付損、手付倍返しの原則)契約の解除ができます。しかし、手付放棄により、結局多額の損害を被ることになりますので、契約するにあたっては、物件を充分調査し、後日、安易に解約といったことが起きないような慎重さが大切です。
(3)履行の着手があったときは契約の解除はできない
- 履行の着手とは、「客観的に外部から認識し得るような形で履行行為の一部をなし,また履行の提供をするために欠くことのできない前提行為をした場合」とされており、相手方に履行の着手がある場合は手付放棄による契約の解除ができなくなります。