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令和05年01月27日

2022(令和4)年度 人権学習指導資料等活用のための講座(12月) 報告

 2022年12月、人権学習指導資料等活用のための講座を実施しました。
 今回の講座は『みんなのひろば』や『みらいをひらく』を活用した具体的な取組について、二つの学校からそれぞれの実践を報告していただきました。報告をもとに、人権学習を進めるうえで大切にしたい視点を確認し、グループワークで今後の取組について考え合いました。
 この講座は、三重県人権センターでの集合型研修とオンライン型研修を組み合わせた形式で実施しました。グループワークを取り入れ、報告者はじめ、参加者のみなさんの協力により、各校での具体的な取組につながる講座となりました。
 以下、講座の概要を報告します。
 
 12月26日(月) 14:00~16:30


 岡村さんと早川さんからは、『みんなのひろば(小学校低中学年)』を活用した学習について報告がありました。明和町立斎宮小学校では、人権部が中心となり、全学年で取り組む「人権授業週間」を設定するなど、組織的に人権学習を進めています。お二人が担任する2年生では仲間づくりに向けて、「実は
これ、ぜんぶ自分なんです!」を活用して、自分の名刺を作る活動や、友だちから見えている自分を伝えてもらう活動を行いました。報告では、子どもたちが授業で書いた名刺や友だちからもらったメッセージ等を紹介しながら、授業の展開や子どもの変容についてお話しいただきました。
 岡村さんや早川さんの報告から、自分の生い立ちを振り返る取組や、自分の生活を支える人について考える取組等を通じて、子ども一人ひとりが「自分はかけがえのない存在」と捉えられることが、自己実現の土台になることを確認しました。また、参加者が子どもに「自分を見つめさせる」ために取り組んできたことや、これから取り組んでいきたいことについて交流する時間をもちました。
 
 中村さんからは、『みんなのひろば(小学校高学年)』『みらいをひらく』を活用した学習について報告がありました。中村さんは学級担任ではなく、学年主任・人権教育推進担当という立場から、担任団と連携して今回の学習を計画されました。外国につながりのある子どもをはじめ、様々な生活背景のある子どもたちに相互理解を深めさせたいという願いから「知ろう!考えよう!朝鮮半島と私たち」「ヘイトスピーチ、許さない。」を活用した学習を進めました。報告では、子どもに配付したワークシートを提示しながら、学習を終えた子どもの感想や変容、今後の人権学習の展望についてお話しいただきました。
 グループワークでは、中村さんが活用した教材「ありのままで生きていきたい」(『みんなのひろば(小学校高学年)』)の記述から「ありのままを理解し合うこと」「受け止めること」とはどういうことなのかについて確認し合いました。また、参加者が「ありのまま」を奪われている子どもを中心に据えて取り組んでいることや、これから取り組んでいきたいことについて交流しました。
 
 
【参加者アンケートより】
《話題提供1》
〇学校全体で子どもの細かな部分までの共有が重要だと思いました。学校通信の発行や子どもの作品等の掲示も  
 続けていけると、より学校全体で自己肯定感について共通認識を持っていけるのではないかと思いました。ま
 た、「自分を見つめる」学習についての補足、「条件なしの自尊感情」の話が印象に残りました。「~ができ
 た」や「人と比べて」ではなく、何かができていなくても、子どもたち一人ひとりが自分はかけがえのない存
 在だと感じられるようにしていきたいです。
 
〇「自分を見つめる」というテーマで様々な実践がなされていることを教えてもらいました。中学校では小学校
   で育んでもらったことを活かしながら学習を進めています。それぞれの発達段階やその時々のその子の状況、
   環境があるので、中学校でも学校全体での人権学習が必要だと感じました。今日教えてもらった様々な教材や
   配慮事項をもとに、人権学習を推進していきます。
 
〇子どもの「条件なしの自尊感情」を育てるようにするためには何ができるのか、考えるよい機会になりまし
   た。今、自分の感情を出せずに苦しい思いを抱えている子どものことを頭に思い浮かべながら話を聞かせても
   らいました。その子の環境を変えることは時間がかかるかもしれませんが、話を聞き、気持ちに寄り添うこと
   が大切だと感じました。
 
〇「自己肯定感」という1つのキーワードにこだわり、教職員の中での捉えや考えの違いを共通理解しようとす
 る姿勢が素晴らしいと感じると同時に、自分の学校でも必要であると思いました。学年、学校がチームとして
 そして系統性を持って人権学習を進めていくことが大切だと改めて感じます。グループワークで、いろいろな
 先生方の考えを聞き合う時間が大変勉強になりました。
 
《話題提供2》
〇「知ろう!考えよう!朝鮮半島と私たち」という教材は仲間の悩みや不安を自分のこととして受け入れられる
   人になるためのもので、どのような人権学習にも共通すると思いました。当事者だけの問題ではなく、自分に
   関係のある大切なことだと気づかせることが、差別をなくすための第一歩です。「関係ない」では差別をする
   側になりうることを忘れてはいけないと思います。その子の生きづらさを理解し、それをつくっている社会に 
 ついて学ぶことやありのままの自分を出し合える仲間づくりを大切にしたいと思いました。
 
〇外国にルーツのある生徒が本校にも多くいますが、自分ごととして考えさせることが非常に重要だと思いま 
   す。そういった点で、東員第二中学校さんの取組後の生徒の感想は、「受け入れることの大切さ」や「一人の 
   行動で社会が変わる」といったものが多く、自分の問題として捉えられており、たいへん意味のある学習に
   なっていたと感じました。自分ごととして考えることは、様々な差別の解消にも通じることなのでいろいろな 
 教育活動に繋げていきたいです。
 
〇人権について学習しているかどうかが、相手の思いを受け止められるかどうかを左右すると思いました。教師
   自身が人権を大切にし、差別や偏見を許さない態度を示していくことが、子どもたちにも安心感を与え、互い
   に認め合える関係づくりにつながると思います。人権学習の時間を捻出するのが難しいですが、何より大切な
   時間だと思うので、工夫して時間を設定したいです。時間をかけて考えていくことで、「先生は、真剣やな。
   これは大事な学習なんやな」と子どもたちも感じると思います。時間をかけてじっくりと人権学習を行うこと 
 が大切だと感じました。
 
〇誰かの話を聞いて、自分のこととして捉える授業展開がとても参考になりました。みんなの前で言うことがで
  きなくても、言おうか言わまいか葛藤することが大切とお聞きして、自分の中の感情と向き合う時間をつくっ
  ていくことから始めることが大切なのかもしれないと思いました。
 

本ページに関する問い合わせ先

三重県 教育委員会事務局 人権教育課 調査研修班 〒514-0113 
津市一身田大古曽693-1(人権センター内)
電話番号:059-233-5520 
ファクス番号:059-233-5523 
メールアドレス:jinkyoui@pref.mie.lg.jp

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