平成26年「職員の給与等に関する報告及び勧告」の概要
平成26年10月15日
三重県人事委員会
Ⅰ本年の民間給与との較差に基づく給与改定
1 公民給与の較差
-
企業規模50人以上、かつ、事業所規模50人以上の県内765の民間事業所から抽出した162事業所を対象に、職種別民間給与実態調査を実施
-
4月分の公民給与について、役職・学歴・年齢別に対比して較差を算出
較差 |
1,256円 |
(0.32%) | ||
( |
人事院勧告 |
1,090円 |
(0.27%) |
) |
(参考) |
平成25年県報告 |
149円 |
(0.04%) | |
|
平成25年人事院報告 |
76円 |
(0.02%) | |
|
2 改定すべき事項
(1)給料表
・公民較差を解消するため、引上げ改定(行政職:平均改定率 0.35%)
(2) 初任給調整手当
・人事院勧告に準じ、所要の改定
(3)期末・勤勉手当
・職員の期末・勤勉手当の支給月数(3.95月)が、民間の特別給の支給割合(4.09月分)を下回っているこ とから、支給月数を4.10月に引上げ
※支給月数は従来から0.05月単位で改定
・引上げ分は、勤勉手当に配分
(一般の職員の場合)
6月期 | 12月期 | |
26年度 期末手当 勤勉手当 |
1.225月(支給済み) 0.675月(支給済み) |
1.375月(改定なし) 0.825月(現行0.675月) |
27年度以降 期末手当 勤勉手当 |
1.225月 0.75月 |
1.375月 0.75月 |
3 実施時期
・平成26年4月1日
ただし、平成26年度の勤勉手当の見直しは、条例の公布の日の属する月の翌月の初日(公布の日が月の初日であるときは、その日)、平成27年度以降の勤勉手当の見直しは、平成27年4月1日
4 上記改定による配分額(行政職)
区分 | 配分額 | 配分率 |
給料 | 1,190円 | 0.30% |
諸手当 | 1円 | 0.00% |
はね返り分 | 50円 | 0.01% |
計 | 1,241円 | 0.32% |
※配分率については、各項目で四捨五入しているため計と一致しない
Ⅱ国の総合的見直しを踏まえた本県における給与制度の見直し
地方公務員法の均衡の原則等を勘案し、国の総合的見直しを踏まえた見直しを実施
1 措置すべき事項
(1)給料表
・国の総合的見直し後の俸給表に準拠し改定
(2)地域手当
・県内に勤務する職員に対する地域手当については、県内一律支給が本県に適合した措置と判断
・国の支給地域等の見直しを踏まえ、県内における支給割合を4.0%から4.5%に段階的に引上げ
・人事院勧告に準じて、県外における地域手当の支給地域及び支給割合を見直すとともに、医師等に対する地域手当の支給割合を15%から16%に引上げ
(3)単身赴任手当
・人事院勧告に準じて、手当月額を7,000円引上げるとともに、現行の交通距離区分についての加算額を引上げ
(4)管理職員特別勤務手当
・管理職員が、災害への対処等その他の臨時または緊急の必要により平日の深夜に勤務した場合に、勤務1回につき6,000円を超えない範囲の額の手当を支給
(5)その他
・55歳を超える職員に対する給料等の1.5%減額支給措置の廃止
2 実施時期等
・平成27年4月1日
ただし、(5)については、平成31年3月31日をもって廃止し、(2)及び(3)の見直しについては、段階的に実施
・給料表の見直しに伴い、新たに受ける給料月額が平成27年3月31日に受けていた給料月額に達しない職員に対しては、経過措置として平成31年3月31日までの間その差額を給料として支給。なお、経過措置の廃止に当たっては、経過措置適用者の状況を踏まえ、激変緩和のための所要の措置を講ずる。
Ⅲ給与制度の改正等
1 昇給制度
・国や他の都道府県における昇給制度の見直しの実施状況及び地方公務員法の改正を踏まえて、平成28年4月1日から、55歳を超える職員については、特に良好な勤務成績である場合に限り昇給
2 教員給与
・高等学校等教育職給料表及び中学校・小学校教育職給料表に、新たな職(主幹教諭及び指導教諭)のための特2級を設定
・教員の諸手当の在り方について、教育委員会において検討する必要
3 通勤手当
・職員の遠距離通勤の実態等を考慮し、通勤手当における高速道路料金等の取扱いについては、任命権者において検討する必要
4 人事評価の給与への反映
・地方公務員法の改正に的確に対応するとともに、職員の理解と納得の得られる人事評価制度の給与への反映の仕組みを構築する必要
Ⅳ雇用と年金の接続及び再任用職員の給与
・人事院勧告に準じ、平成27年4月1日から再任用職員に対し単身赴任手当を支給
・再任用職員の給与水準については、引き続き国の検討状況等を注視し、給与の在り方について検討
Ⅴ人事行政に関する報告
1 公務員制度改革に関する状況
・公務員制度の変革は、職員の勤務条件決定や人事行政の公正確保に関わる事項で、特に本年4月の地方公務員法改正は、平成28年4月の施行が示されており、早急に所要の検討を行い対応する必要
2 高齢期の雇用問題
・再任用職員については、モチベーション維持・向上に配慮するとともに、後進の育成及び人材確保が困難な職種の担い手として活用することが必要
・国は、雇用と年金の接続のあり方について改めて検討するとされており、動向を注視しながら高齢期雇用に伴う諸課題について検討する必要
3 人材の確保・育成
・人事委員会は、引き続き職員採用試験の受験者拡大に努め、人材を確保
・職員の理解と納得のもと、人事評価制度を本格実施することが必要
・職員は、高い使命感・倫理観を持ち、誠実かつ公正に職務を遂行し、県民の期待と信頼に応えることが必要
4 ワーク・ライフ・マネジメントの推進
・総勤務時間の縮減や次世代育成支援など働きやすい職場環境の整備に向け、ワーク・ライフ・マネジメントの取組を組織的に推進することが必要
5 女性の登用の拡大
・人事委員会は、職員採用試験の女性受験者数増加に向けた一層の広報活動の取組が必要
・女性職員の意欲・能力向上に努め、不安なく管理職へ登用されることが必要
・男性職員の育児参画の促進に向け、職場全体で育児参画を応援する風土づくりが必要
6 健康対策の推進
・メンタルヘルス対策は予防・早期発見が重要であり、職場全体で支える風土づくりを進めるため、研修の拡充が必要
・効果が見られるメンタル疾患からの復職支援・再発防止策事業は、今後も取組が必要
Ⅵ勧告実施にあたって
・人事委員会の給与勧告制度は、職員が労働基本権を制約されていることの代償措置
・県議会及び知事におかれては、給与勧告制度が果たしている役割に対し深い理解を示され、本年の勧告を実施されるよう要請
(参考)
職員の年間平均給与
この勧告が実施されると、平成26年4月1日から実施する本年の公民較差に基づく改定で、職員(行政職)の平均で年間給与は約8万2千円の増加
年間給与は7年ぶりの増加
主な職種の年間給与
区分 | 行政職 | 公安職 | 高校等 教育職 |
中小校 教育職 |
全職員 |
---|---|---|---|---|---|
人員(人) |
4,873 |
2,979 |
3,730 |
8,848 |
21,112 |
平均年齢(歳) |
43.5 |
38.0 |
44.8 |
43.8 |
43.0 |
平均経験年数(年) |
22.0 |
17.1 |
22.1 |
21.4 |
21.0 |
改定前の平均給与額(円) |
392,053 |
360,966 |
426,927 |
412,366 |
402,425 |
改定前の平均年収(千円) |
6,340 |
5,778 |
6,857 |
6,610 |
6,445 |
改定後の平均給与額(円) |
393,294 |
362,472 |
428,251 |
413,718 |
403,770 |
---|---|---|---|---|---|
改定後の平均年収(千円) |
6,422 |
5,858 |
6,944 |
6,695 |
6,529 |
平均年収の差(千円) |
82 |
80 |
87 |
85 |
84 |
<モデル給与例(行政職)>
区分 | 勧告前 | 勧告後(較差改定) |
年間給与 (千円) |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
月額(円) | 年間給与(千円) | 月額(円) | 年間給与(千円) | ||||
係員 | 25歳 | 独身 |
215,280 |
3,434 |
217,152 |
3,496 |
62 |
30歳 | 配偶者 |
265,304 |
4,232 |
266,864 |
4,297 |
65 |
|
主査 | 40歳 | 配偶者、子2 |
391,144 |
6,383 |
392,392 |
6,467 |
84 |
主幹 | 45歳 | 配偶者、子2 |
432,224 |
7,054 |
433,368 |
7,144 |
90 |
課長級 | - | 配偶者、子2 |
552,448 |
8,727 |
553,592 |
8,822 |
95 |
次長級 | - | 配偶者 |
593,740 |
9,721 |
594,868 |
9,838 |
117 |
部長級 | - | 配偶者 |
666,369 |
10,989 |
667,497 |
11,122 |
133 |
※平成27年4月1日から実施する給与制度の見直しについては、給料表の引下げ改定となるため、経過措置を講じます。