平成24年「職員の給与等に関する報告及び勧告」の概要
平成24年10月2日
三重県人事委員会
Ⅰ本年の民間給与との較差に基づく給与改定
1 公民給与の較差
-
企業規模50人以上、かつ、事業所規模50人以上の県内707の民間事業所のうちから、147事業所を抽出し、職種別民間給与実態調査を実施
-
4月分の公民給与について、役職・学歴・年齢別に対比して公民較差を算出
-
公民較差の算出については、人事委員会勧告制度に基づく本来支給されるべき職員の給与水準(特例条例による減額措置前の給与水準)を基に比較することが適当
較差 |
48円 |
(0.01%) | ||
( |
人事院勧告 |
△273円 |
(△0.07%) |
) |
(参考) |
平成23年県勧告 |
△357円 |
(△0.09%) | |
|
平成23年人事院勧告 |
△899円 |
(△0.23%) |
2 月例給及び特別給(期末・勤勉手当)
(1)月例給
以下の諸事情を考慮し、月例給の改定を見送り
・給料表については、公民較差が小さく適切な改定を行うことが困難であること
・諸手当については、民間事業所の支給状況とおおむね均衡していること
(2) 特別給(期末・勤勉手当)
・民間の特別給の支給割合(3.96月)とおおむね均衡していることから、期末・勤勉手当の現行支給月数(3.95月)を維持
Ⅱ給与制度の改正等
1 給与構造改革における経過措置額の廃止【勧告:給与条例の改正】 (平成25年4月1日実施)
- 国や最近の他の都道府県の状況等を考慮し廃止
- 廃止に当たっては、教育職や公安職などの職種における経過措置適用者の状況等を考慮し、所要の措置を講じる
2 昇格及び昇給制度
- 昇格制度について、人事院勧告の内容に準じて、最高号給を含む高位の号給から昇格した場合の給料月額の増加額を縮減
- 昇給制度の見直しについて、高齢層職員の人事管理の実態や、国や他の都道府県の実施状況等を踏まえて引き続き検討
3 対応すべき課題
- 職種別民間給与実態調査について、国の見直し状況等を踏まえて対応
Ⅲ勤務実績の給与への反映
- 勤務成績に基づく新たな昇給制度及び勤勉手当に勤務実績をより反映し得る仕組みについて、国や他の都道府県の導入状況を考慮し、早期の構築・導入に向けた取組をより一層進めていくことが必要
Ⅳ人事行政に関する報告
1 公務員制度改革に関する状況
- 職員の勤務条件決定や人事行政の公正確保に関わるため、国の動向の注視及び所要の検討が必要
2 高齢期の雇用問題
-
現行再任用制度を検証し、義務化される再任用の制度設計につながることが重要
- 新たな再任用制度に係る諸課題の検討等に加え、行政事務の執行体制及び人事管理全体の見直し等が必要
3 人材の確保・育成
- 人事委員会は引き続き、試験制度の見直しや受験者数の確保に努める
- 任期付採用を活用するなど高度な専門知識を有する職員の確保についても検討が必要
- 試行中の評価制度を検証しながら本施行へつなげ、能力・実績に基づく任用や処遇に取り組むことが重要
4 総勤務時間の縮減
- 管理職員はもとより、全ての職員が総勤務時間縮減に一層取り組むことが必要
- 行財政改革取組により、業務の廃止を含む事務の簡素・効率化に努めることが必要
5 男女共同参画社会の実現への取組
- 女性職員の登用について、活躍の場を拡げるとともに意欲を引き出すことが必要
- 男性職員が育児に積極的に参画する意識の醸成が必要
6 健康対策の推進
- 健康対策の中でも、特にメンタルヘルス対策に一層取り組むことが必要
- メンタル疾患は早期発見が重要であり、職場全体で支え合うため、研修の拡充等が必要
7 公務員倫理の確保
- 倫理意識を高めるための研修・啓発について、一層取り組むことが必要
- 職員一人ひとりが県民の期待と信頼に応えられるよう行動するとともに、倫理意識の高い組織風土づくりにつなげることが必要
Ⅴ勧告実施にあたって
-
人事委員会の給与勧告は、一般職の職員が労働基本権を制約されていることの代償措置
-
県議会及び知事におかれては、情勢適応の原則に基づき職員の給与水準を民間の給与水準に合わせるものとして定着している給与勧告制度が果たしている役割に対し深い理解を示され、本年の勧告を実施されるよう要請
-
特例条例による給与の減額措置は、地方公務員法に規定する給与決定の原則とは異なるものであり、給与勧告制度に基づく本来の職員の給与水準が確保されることを強く要望
(参考)
職員の年間平均給与
-
本年については、月例給及びボーナスの水準改定はありません。
区分 | 行政職 | 公安職 | 高校等 教育職 |
中小校 教育職 |
全職員 |
---|---|---|---|---|---|
人員(人) |
4,919 |
2,997 |
3,680 |
9,048 |
21,292 |
平均年齢(歳) |
43.4 |
38.5 |
45.0 |
44.3 |
43.3 |
平均経験年数(年) |
21.9 |
17.7 |
22.3 |
22.1 |
21.3 |
平均給与額(円) |
393,823 |
363,906 |
432,715 |
420,271 |
408,086 |
平均年収(千円) |
6,367 |
5,826 |
6,949 |
6,736 |
6,535 |
※( )内の数字は、特例条例による減額措置後の額である。
<モデル給与例(行政職)>
(単位:円)
区分 | ||||
---|---|---|---|---|
月額 | 年間給与 | |||
係員 | 25歳 | 独身 |
215,280 (209,070) |
3,434,000 (3,359,000) |
30歳 | 配偶者 |
265,304 (258,041) |
4,232,000 (4,144,000) |
|
主査 | 40歳 | 配偶者、子2 |
391,144 (380,641) |
6,383,000 (6,257,000) |
主幹 | 45歳 | 配偶者、子2 |
432,224 (420,536) |
7,054,000 (6,914,000) |
課長級 | - | 配偶者、子2 |
552,448 (518,576) |
8,727,000 (8,320,000) |
次長級 | - | 配偶者 |
593,797 (556,620) |
9,722,000 (9,275,000) |
部長級 | - | 配偶者 |
666,448 (616,371) |
10,990,000 (10,389,000) |
※( )内の数字は、特例条例による減額措置後の額である。