平成21年「職員の給与等に関する報告及び勧告」の概要
平成21年10月9日
三重県人事委員会
Ⅰ本年の民間給与との較差に基づく給与改定
1 平成21年4月の職員の給与の状況
-
給与構造改革に伴い給料水準が低下
-
地域手当の平成21年度の県内支給割合が3%に据置き
以上のことにより、平成21年4月の職員の平均給与月額が減少
2 公民給与の較差
-
企業規模50人以上、かつ、事業所規模50人以上の県内682の民間事業所のうちから、147事業所を抽出し、職種別民間給与実態調査を実施
-
4月分の公民給与について、役職・学歴・年齢別に対比して公民較差を算出
較差 |
1,556円 |
(0.40%) | ||
( |
人事院勧告 |
△863円 |
(△0.22%) |
) |
(参考) |
平成20年県勧告 |
83円 |
(0.02%) | |
|
平成20年人事院勧告 |
136円 |
(0.04%) |
-
職員の給与が民間従業員の給与を下回ることとなったのは、職員の平均給与月額が減少していることが要因
3 改定すべき事項
(1) 給料表
本年の本県の公民較差がプラス較差であったことを踏まえると、マイナス較差を解消するため俸給表を引き下げた人事院勧告に準じて本県給料表を引き下げるのは適当ではないことから、給料表の改定を見送り
(2)地域手当
公民較差を地域手当に反映させることとし、県内支給割合を0.4%引上げ
県内支給割合 |
現行3.0% |
→ |
改定後3.4% |
(3) 期末・勤勉手当
民間の特別給との均衡を図るため、年間支給月数を0.35月分引下げ
現行4.50月分 |
→ |
改定後4.15月分 |
(一般の職員の場合の支給月数)
6月期 | 12月期 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
21年度 |
期末手当 |
1.25月(支給済み) | 1.5月(現行1.6月) | |||
勤勉手当 | 0.7月(支給済み) |
0.7月(現行0.75月) |
||||
22年度以降 | 期末手当 | 1.25月 | 1.5月 | |||
勤勉手当 | 0.7月 | 0.7月 |
※本年5月の勧告に基づき、21年6月期における期末・勤勉手当の特例措置により凍結した支給月数分(0.2月分)は引下げ分の一部に充当
4 実施時期
- 地域手当については、平成21年4月1日
- 期末・勤勉手当については、条例の公布の日の属する月の翌月の初日(公布の日が月の初日であるときは、その日)
5 上記改定による配分額(行政職)
区分 | 配分額 | 配分率 |
---|---|---|
給料 |
0円 |
0.00% |
諸手当 |
1,500円 |
0.38% |
はね返り分 |
0円 |
0.00% |
計 |
1,500円 |
0.38% |
Ⅱ自宅に係る住居手当
-
これまで国と異なる改定をしてきた経緯等を踏まえ、引き続き存置
-
今後、他の都道府県の状況等を踏まえ、必要に応じて見直しを検討
Ⅲ時間外勤務手当
労働基準法改正を踏まえた関係規定の整備について適切に対応することが必要
Ⅳ教員給与制度改革
教育委員会における学校教育法の改正に伴う副校長、主幹教諭等の新たな職の設置の検討状況や義務教育費国庫負担金での教員給与の措置等を踏まえた取扱いを注視しつつ対応
Ⅴ給与構造改革に係る取組
1 勤務実績の給与への反映
勤務成績に基づく新たな昇給制度及び勤勉手当に勤務実績をより反映し得る仕組みについて、引き続き早期の構築・導入を図ることが必要
2 今後の公民較差の取扱い
-
平成18年度から21年度までは、県内に勤務する職員の地域手当の支給割合4%の段階的導入を図りつつ、公民較差を地域手当に反映
-
平成22年度には条例の規定により地域手当の支給割合が4%となることから、今後の給与水準の改定については、公民較差を給料表に反映させる方法を中心に検討
Ⅵ人事行政に関する報告
1 地方公務員の労働基本権に関する状況
国では、協約締結権を付与する職員の範囲拡大を前提に検討が進められており、勤務条件の決定方法の根幹に関わる事項であることから、今後の動向を注視
2 高齢期の雇用問題
国では、平成25年度からの定年年齢段階引上げが検討されており、今後の動向を注視
3 人材の確保・育成
- 人物面を重視した試験方法などについて検討を継続しつつ、国の動向も注視
- 任期付採用制度の活用について、今後も検討が必要
- 試行中の評価制度については、評価者と被評価者間のコミュニケーション充実や制度の検証・改善を図り、本施行へとつなげていくことが必要
4 総勤務時間の縮減
- 長時間の時間外勤務を行う職員への対策が重要な課題であり、抜本的な業務削減、効率的な公務運営が必要
- 労働基準法の改正によって導入された代替休制度が、地方公務員に適用された場合には、積極活用が重要
- 変形労働時間制度等の活用による勤務形態の一層の弾力化や計画的な休暇取得促進を図ることが必要
5 仕事と家庭の両立支援の推進
-
特定事業主行動計画の前期分の検証と後期分への反映、着実な推進が必要
-
中でも、男性の育児参加について、より積極的な措置を講じることが必要
-
仕事と介護の両立をしやすい職場の雰囲気が重要。職員向けホームページの活用など、介護に関する情報を身近なものにしていくことが有効
-
これらの両立支援が、さらなる女性登用へもつながることを期待
6 健康対策の推進
-
メンタルヘルス対策は、最も重要な課題
-
予防の取組として、ストレスチェック、学習機会の提供、ハラスメントに関する相談体制の充実等が必要
-
早期発見の対策は、心の疾病を早期発見する態勢を職場全体に広げていくことが重要
-
職務に復帰する職員への支援拡充が必要
Ⅶ勧告実施にあたって
-
職員一人ひとりが全体の奉仕者として、より一層の自覚と責任、高い倫理観を持って、職務に精励され、県民が主役の県政を推進していくことを強く要望
-
県議会及び知事におかれては、情勢適応の原則に基づき職員の給与水準を民間の給与水準に合わせるものとして定着している給与勧告制度が果たしている役割に対し深い理解を示され、本年の勧告を実施されるよう要請
(参考)
職員の年間平均給与
-
この勧告が実施されると、職員(行政職)の平均で、本年給与勧告前の年間給与658万円が、勧告後では646万円となり、約12万円の減少
-
年間給与は勧告前との比較で4年振りの減少
主な職種の年間給与
区分 | 行政職 | 公安職 | 高校等 教育職 |
中小校 教育職 |
全職員 |
---|---|---|---|---|---|
人員(人) |
5,087 |
2,978 |
3,736 |
9,332 |
21,780 |
平均年齢(歳) |
43.0 |
39.0 |
45.0 |
44.4 |
43.4 |
平均経験年数(年) |
21.6 |
18.4 |
22.4 |
22.0 |
21.4 |
改定前の平均給与額(円) |
393,036 |
368,200 |
439,191 |
428,673 |
413,724 |
改定後の平均給与額(円) |
394,536 |
369,597 |
440,875 |
430,315 |
415,303 |
改定前の平均年収(千円) |
6,580 |
6,103 |
7,302 |
7,109 |
6,856 |
改定後の平均年収(千円) |
6,460 |
5,994 |
7,172 |
6,983 |
6,734 |
平均年収の差(千円) |
△120 |
△109 |
△130 |
△126 |
△122 |
<モデル給与例(行政職)>
(単位:円)
区分 | 勧告前 | 勧告後 | 年間給与 の減少額 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
月額 | 年間給与 | 月額 | 年間給与 | ||||
係員 | 25歳 | 独身 |
213,210 |
3,518,000 |
214,038 |
3,457,000 |
△61,000 |
30歳 | 配偶者 |
263,165 |
4,342,000 |
264,187 |
4,267,000 |
△75,000 |
|
主査 | 40歳 | 配偶者、子2 |
388,207 |
6,568,000 |
389,714 |
6,444,000 |
△124,000 |
主幹 | 45歳 | 配偶者、子2 |
429,201 |
7,263,000 |
430,867 |
7,126,000 |
△137,000 |
課長級 | - | 配偶者、子2 |
548,475 |
8,957,000 |
550,605 |
8,805,000 |
△152,000 |
次長級 | - | 配偶者 |
598,842 |
10,176,000 |
601,167 |
9,980,000 |
△196,000 |
部長級 | - | 配偶者 |
671,972 |
11,512,000 |
674,581 |
11,285,000 |
△227,000 |